西川美和監督「わたしの知らない子どもたち」新予告公開! 二階堂ふみ、岡田准一が太鼓判「『火垂るの墓』の後継作はこの作品。今観るべき作品」
2026年8月12日 12:00
西川美和監督が原案・脚本・監督を務めるオリジナル映画「わたしの知らない子どもたち」の新予告(https://youtu.be/mkSrA5C8HZI)&場面写真が、このほど一挙に披露された。
本作は、戦後の日本で家族を失い社会からこぼれ落ちた子どもたちを題材に描くドラマ。日本映画として初めて、アカデミー賞の行方を大きく左右するといわれるトロント国際映画祭のコンペティション部門オープニング上映作品に選出された。

1945年、終戦。音楽家の父のもとで育ち、ごく普通の暮らしを送っていた12歳の少女・茅野琴子(小八重葵美)は、戦争によって家も家族も失い、たった一人で生きることになった。過酷な戦後で自らの身を守るため、少女という性を隠し「少年」として生きることを決意。やがて同じ境遇の子どもたちと闇市で生きる居場所を見つけていく。一方、琴子の担任教師だった曽根文美子(二階堂ふみ)もまた、敗戦によって婚約者を失い、教師という立場も生きる意味を見失っていた。しかし琴子の父親の友人から「琴子を探している」という知らせを受け、曽根は琴子を探すと決意し自らも取り戻していく。

予告編は、戦争によって一変した世界を「少年」と偽り必死に生きる琴子が、「私は自分がどこの誰だか分からなくなりました」と悲痛な叫びを上げる姿が胸を打つ。絶望の暗闇の中、自分を見失いそうになりながらも懸命に生きる子どもたちと、彼らの未来を信じて手を差し伸べる大人たち――それぞれの想いが交錯し、たくましく明日へと突き進む姿を捉えた、エモーショナルで迫力溢れる映像となっている。

本作の監修を務めた、児童福祉論の第一人者・浅井春夫氏(立教大学名誉教授)は「戦争孤児たちのかすかなろうそくの灯りのような希望に寄り添う、西川監督の一貫した姿勢=歴史的想像力が全体を貫いている」と強く感じたという。
浅井氏は本作について「『火垂るの墓』とはまた異なる事実の再現性に特徴がある」とアニメーション映画の金字塔「火垂るの墓(1988)」を挙げる。「火垂るの墓」がアニメーションならではの“ファンタジー”という側面を持ちながら兄妹の生きざまや節子の死を通して、戦争の非人間性を浮き彫りにした名作であることに対し、「わたしの知らない子どもたち」は、生身の人間が戦争体制に組み込まれ、いかにして過酷な戦後を生き抜いたかという子どもたちが戦後をサバイブしていく物語を通して、“戦争を自分自身の問題として考える作品”だと分析。「この作品を通して、歴史的想像力を働かせ、戦争責任の記憶の継承者としてこの問題を考え続けたいと心に刻みました」と、作品が放つリアリティと現代的な意義に強い感銘を寄せる。

映画評論家の松崎健夫氏は「戦後間もない時代を生きた市井の人々の視点で描かれた今作は、戦争に巻き込まれてしまった子どもたちの過酷な現実を提示することで、『戦争の悲劇』=『戦場の悲劇』だけではない、或いは、<大人の理屈>だけで戦争を考えてはならない、と私たちを戒めるだろう」と絶賛。琴子の元教師・曽根文美子を演じる二階堂ふみもまた「いまこの社会を作っている、大人の方たちもこの作品をみるべきだと思いますし、戦争というものは本当に起こしてはいけないということをまっすぐにこの作品と共に言えるようになってほしいなと思います」と“今”本作をみる意義を語っている。

また新興ヤクザの組長・菊沢を演じる岡田准一は「西川監督の作品を心待ちにしていたひとりとして、映画として面白いことの一歩先、社会性が含まれていて、なにか問いかけるものを感じる緻密な台本だと感じました。いい映画だと感じるだろうし、願いも込められるし、希望も込められるし、矛盾を感じたり、悲しさも感じたり、いろんな感情が問いかけてくる、それが西川監督のマジックだなと思いました」と、物語が秘める多面的な魅力と観客へ投げかけられる普遍的な問いの大きさを熱弁。「『火垂るの墓』の後継作はこの作品。今観るべき作品」とも語っており、本作もまた“戦争について考える”一歩となる作品として、世代を超えて多くの人々の心を強く揺さぶる作品になるはずだ。
「わたしの知らない子どもたち」は、10月16日から全国公開。
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