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常に映画界で挑戦を続ける二人の親友が明かす舞台裏「これって生きてる?」監督&主演インタビュー

2026年4月12日 12:00

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画像1(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

俳優のみならず、「アリー スター誕生」「マエストロ その音楽と愛と」で監督としても高く評価されたブラッドリー・クーパーの長編監督第3作「これって生きてる?」が、4月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開される。このほど、クーパー監督と主演のウィル・アーネットへインタビュー、親友である二人が、本作の製作のきっかけから、撮影中に起きたエピソードなどを語った。

本作は、トップ俳優としてだけでなく監督としても今やハリウッドを背負う存在となったクーパーが、友人の実話を題材にして、繊細でエモーションナル、かつ確かな演出力に一層磨きをかけて生み出した人間ドラマ。

二人の子供にも恵まれ、順調なはずだった夫婦、アレックスとテス。中年にさしかかり、置き去りにしてきたそれぞれの夢が二人の結婚生活を終わりに向かわせる。失意の中、ニューヨークの街でふと足を運んだコメディクラブで偶然舞台に立つアレックス。夫婦の赤裸々な関係を“笑い”に変えながら、新しい生きがいを見つけていく。その先にあった思いがけない人生とは…。

画像2(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

4度エミー賞ノミネートの名優アーネット演じる主人公のアレックスと、「マリッジ・ストーリー」でアカデミー賞受賞のローラ・ダーン演じる妻のテスという離婚の危機を迎えた夫婦が、自分たちのアイデンティティや幸せを再発見する物語に、クーパーが切望した豪華キャストと実力派スタッフが集結。本作は過去2作に比べて、よりコンパクトで親密な作品にもかかわらず、クーパー自身の映画的なアイデアへの深いこだわりによって、ウディ・アレンロバート・アルトマンジョン・カサヴェテスらに連なる、アメリカ映画の伝統を踏まえた人間ドラマとして完成した。

画像3(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―このストーリーを見つけたのはウィル・アーネットですね。どうやってこの話を聞き、そのどこに惹かれたのでしょうか?
アーネット:この映画は、いくつかの実話に基いています。私がアムステルダムに滞在中、昼食をとっていたボートで、たまたまジョン・ビショップに出会いました。ジョン・ビショップは、医大で驚異的なコメディアンです。彼は自分がスタンドアップコメディアンになった経緯について話してくれて、私はその話にすっかり魅了されてしまいました。それは、物語の素晴らしい導入部になるだろうと思いました。それから、マーク・チャペルと、そしてブラッドリーと、その話について考え始めました。彼はすぐに折り返し電話をしてきてくれて、「この作品を監督したい」と言ってくれました。あとはご存じの通りです。
画像4(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―ブラッドリー、あなたはこの話のどこに惹かれたのですか?この映画の監督をやりたいと思ったきっかけは何ですか?
クーパー:この話を持ってきてくれたウィル・アーネット自身にです。長い間友人として、常に彼を尊敬してきましたが、これまで彼の能力のすべてを活かした役柄を演じるところを見たことがなかったんです。それを導くことができるなら、本当にエキサイティングだと思いました。
画像5(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―この作品は、世界を理解し、癒やし、セラピーとしての芸術、この場合はスタンダップコメディの力を描いた物語です。この物語のインスピレーション的な性質は、脚本執筆や撮影という創造的なプロセスにどの程度反映されたのでしょうか?
クーパー:間違いなく影響しました。いつもそうなのですが、今回は特に、親友の一人と一緒に制作できたのが大きいです。それは、今まで経験したことのないものでした。撮影中にも話していましたが、何が起こっても(コントロールできないことはたくさんありますが)、この経験によって私たちはより親しくなり、私たちの人生は変わりました。
 私たちは、ありがたいことに、自分自身に満足し、賢く見せようとはせず、馬鹿のように見えることも厭わない、そういった年齢に達しています。ただ、経験し、探求するだけです。怖いことを一緒にやる時に、その心構えを持つことは、私にとって本当に深い意味がありました。特に、彼が毎日、セットでとても傷つきやすい姿を見ることは簡単なことではありません。
アーネット:私にとっても同じでした。私たちは、この作品について長い間作業や話し合いを続けていましたが、実際に撮影に入り、実際にやってみると…この6か月間で、これまでの20年間で学んだこと以上のことを経験しました。ブラッドリーは、私たちが可能な限りオープンであるよう要求しましたが、私は自分にその能力があるかどうか、本当にわからなかったんです。 私は彼を信頼し、彼も私を信頼してくれたので、私にとっても非常に深い経験となりました。この作品のテーマが、あなたが言ったように芸術の癒しの力についてであるというのは面白いですね。なぜなら、私たちもそれを制作しながらまさにそのことを経験したからです。
画像6(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―それは、お互いを恐怖の境地へと追い込むことだったのでしょうか?
アーネット:ブラッドリーは、私がこれまで機会を得られなかったことをやってほしいと望んでいました。しかし、それは押し付けではなく、非常に寛大な心からのものでした。私はそれを認識し理解していました。彼が私に何かを与えてくれたというわけではありません。彼は私を導き、「ねえ、こっちに行こう」と言ってくれたんです。
クーパー:ええ、ウィルが押し付けてきたわけでもありませんでしたが、その試みは挑戦的なものでした。自分の快適ゾーンから抜け出す行動には、恐怖がつきものですよね? 人は常に、自分が傷つきやすく、怖くなるような場所に身を置きたいと思うものです。そうすることで成長できるからです。そうしなければ、楽はできますが、無気力になっていきます。
画像7(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―ブラッドリー、この作品は、あなたが監督として初めて手掛けた「アリー スター誕生」や「マエストロ その音楽と愛と」よりも小規模で親密な作品です。その意味では、より簡単に見えるかもしれませんが、実際にはまったく別の課題があったのではないでしょうか?
クーパー:ご指摘はわかります。もちろん、構造的には、より小規模な作品かもしれません。しかし、私はそうは感じませんでしたし、そのように考えたこともありません。私は常に、ストーリーは何か、それを映画的に表現する最善の方法は何なのか、という観点で考えています。私たちは、観客が劇場の中で決して安心を感じることができないようにしたい、という結論に達しました。自律的なレンズが、観察しながら自ら動き、選択を行うのです。私は、ニューヨークで自分が感じるような感覚を観客にも感じてほしいと思いました。ニューヨークでは安全ではない。街を歩いている時、ガラス越しに守られている感覚など決してない。まさにその感覚を表現したかったんです。
画像8(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―役者たちの台詞を自然で生き生きとしたものにするために、どのような作業を行ったのですか? しっかりとした脚本があることはわかっているものの、即興のように感じられます。
クーパー:私はもちろん、ロバート・アルトマンの大ファンです。子供の頃「ナッシュビル」を見て、「うわ、これは一体何だ? ああ、これは実際に人々が話している様子なんだ」と思ったことを覚えています。技術的には、「スター誕生」で(プロダクション・サウンド・ミキサーの)スティーブン・モローに会ったとき、私は、重なり合う台詞をやりたかったこと、エキストラにも話させたかったことを話し、その方法を見つけました。スティーブとは3本の映画で一緒に仕事をしてきましたが、彼はその技術を本当に習得しています。それは私の脚本執筆にも活かされており、私はFinal Draftソフトウェアのこの機能を使って、2つの台詞を同時に発生させることを常に行っています。今ではそんな風に書くことができるようになりました。それは、それが人々の話し方だからです。
アーネット:驚くべきは、長年働いて様々なことに慣れ親しんできたことです。誰もが仕事を続けるうちに特定のやり方に慣れてしまうものですね。それが「常識的な手法」だと気づくんです。例えばシーンを撮影する際、まずマスターショットを撮り、次にカバレッジショットに移る… あるいは、レストランで2人のキャラクターのシーンを撮影する場合、周囲には大勢の人がいて、背景にいる人は皆、身振り手振りで演技をしなければなりません。これらは、誰もが当然のこととして受け入れていることです。しかし、ブラッドリーがほのめかしたように、この作品の撮影を始めてみると、すべてが同時に起こっていました。私たちが(ニューヨークのスタンダップコメディの殿堂である)コメディセラーで撮影したシーンでは、皆が話していて、私はショックを受けました。ブラッドリーは、「いや、皆が話しているよ。すべてがライブで、すべてが同時に起こっているんだ」と言っていました。
 即興のように感じるというのは、まさに人生がそこに展開しているからなのです。すべては台本通りに進行しますが、それはまさにライブで、リアルな形で展開していました。それは新鮮で、私はただその流れに乗っただけでした。それは信じられないほど自由で、非常に自由な流れのある雰囲気を作り出しました。
画像9(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―観客のいるステージに立ったとき、コメディクラブからどのようなエネルギーを得ましたか?
アーネット:彼らは本物の観客です。もちろん、彼らはそのプロセスの一部として報酬を受け取っていますが、まず第一に、彼らには指示は出されていませんでした。観客は、「ここで必ず笑わなければならない」などとは指示されていなかったのです。あなたが見ているものはすべて、本物の反応です。ブラッドリーは、笑いを引き出したり、そのようなことは決してしませんでした。
クーパー:どちらかといえば、私は何度か笑いを引き出しましたね。
アーネット:つまり、それは、ステージに上がって、すべてのセットをこなしていくという体験なんです。それらはすべてリアルタイムで起こっており、観客に与えられた唯一の指示は、彼らが望むように反応することだけでした。ただ観客であるだけ。ブラッドリーと私は(撮影前に)何週間も毎晩コメディセラーに通い、私がステージに上がってその様子を見て、その感覚を掴んでいきましたが、撮影はまさにその感覚そのものでした。まるで木曜の夜9時にセラーのステージに上がったような感覚でした。
クーパー:そこで働いている人は、実際にそこで働いている人たちです。マネージャーのリズも、実際にセラーのマネージャーです。ドアの係の人たちも、みんなそうです。
画像10(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―しかし、それは、ステージに上がって、まったくの失敗に終わる可能性も生むということです。それはどのような感じでしたか?
クーパー:失敗かもしれませんが、それは彼の心の中で実際に起こっていることではないのです。彼はスタンドアップコメディアンになろうとしている人物なので。リハーサルで探求する過程で、このことについてよく話し合いました。つまり、実際のステージに立つということです。私たちは、自分たちが別のことをしているのだと自覚しなければならなかったのです。これは、ウィル・アーネットが人々を笑わせようとしているのではなく、キャラクターであるアレックスが別のことをしているのだということを。
アーネット:私がステージに上がる直前に、彼は文字通りそう言っていました。「私たちは別のことをしているんだ」と。なぜなら、ステージに出て人々を笑わせようという傾向があるからです。しかし、アレックスは実際にスタンドアップコメディアンのスターになろうとしているわけではありません。彼は安堵を得るためにそこにいるのです。
クーパー:彼はあることに申し込んだのに、突然、ステージに上がるよう言われたのです。まるで夢を見ているかのようです。彼の現実が変化し、今、彼はステージ上にいます。一体何が起こっているのでしょうか?
画像11(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
―この経験を共に経験し、長きにわたる友情を経て、お互いについて人々に知ってもらいたいことは何ですか?
クーパー:ある意味で、それは新しい発見でした。私はウィルを長い間知っていますが、彼はいつもその場で一番面白い人だといつも言っています。私は若い頃、彼を偶像として崇拝しており、人々に私と同じように彼を感じてもらいたいと思っていました。それが、私にとっての実情でした。私は、人々が私と同じようにウィルを感じるような映画を、私たちが書けるだろうと思ったのです。
アーネット:ブラッドリーとの仕事は、まさに人生を変えるような経験でした。彼もそれをよく知っています。私は彼の熱狂的なファンです。私たちは長年の友人であり、私は彼の俳優としての活躍をとても尊敬していました。
しかし、彼が「アリー スター誕生」の監督を始めた頃、シネマコンで私がこの映画の最初の予告編を紹介するという、信じられないような瞬間がありました。当時は、それはクレイジーなことだと感じました。それから、「マエストロ その音楽と愛と」を彼の家で何度か観る機会がありましたが、この作品は傑作だと思います。彼が私の友人だからというだけでなく、この映画は客観的に見て傑作だと思います。
 この制作過程で彼と仕事をし、全ての段階に立ち会ったことで、彼が本物さを追求する執念は、私が知らなかった次元のものだと気づきました。長年、私は冷笑的で、そういうことは単なる口先だけのものだと決めつけていた。でも実際に体験すると…当初、私は「映画を作る」という意味を理解していなかったことに気づきました。そんな言葉、以前は絶対に使わなかったんですが、皮肉屋で知ったかぶりでした。その言葉を使う連中は道化師だと思っていたんですが、道化師だったのは自分の方でした。その過程を目の当たりにして、全てが彼の手から、彼の頭脳から、彼の心から生まれ、しかも本当にエゴを一切伴わずに成し遂げられていました。とても衝撃的でした。だから…学んだのはそれだけです(笑)。

喪失感や愛、そして愛に敗れる気持ちといった誰もが一度は感じたことのある想いをすべてまっすぐに描いた本作。リアルなニューヨークを舞台に、今を生きる悩める大人たちに愛する勇気を伝える、大人たちへ向けたこれからの物語「これって生きてる?」は、4月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開。

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