「We Live in Time この時を生きて」あらすじ・概要・評論まとめ ~刻一刻と流れ続ける時間の中にある特別なモーメント~【おすすめの注目映画】
2025年6月5日 08:30

近日公開または上映中の最新作の中から映画.com編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介!
本記事では、映画「We Live in Time この時を生きて」(2025年6月6日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。
(C)2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION「ブルックリン」のジョン・クローリー監督が、限りある時間を大切に生きる男女のかけがえのない日々を、時間軸を交錯させながら描いたラブストーリー。
新進気鋭のシェフであるアルムートと、離婚して失意の底にいたトビアスは、運命的な出会いを果たし恋に落ちる。自由奔放なアルムートと慎重派のトビアスは幾度もの危機を乗り越えながら、やがて一緒に暮らしはじめ、娘が生まれ、家族としての絆を深めていく。そんなある日、自分の余命がわずかであることを知ったアルムートは、トビアスに驚きの決意を告げる。
「ミッドサマー」のフローレンス・ピューがアルムート、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのアンドリュー・ガーフィールドがトビアスを演じた。「ベロニカとの記憶」のニック・ペインが脚本を手がけ、俳優ベネディクト・カンバーバッチが製作総指揮に名を連ねる。
(C)2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION長い刑期を終えた青年が変名して新生活を始める。程なく、交通事故に遭った女性を助けたことで本名が知れ渡ることになりメディアの標的にされる。「BOY A」(2007)でジョン・クローリー監督の現場に臨んだアンドリュー・ガーフィールドは、その切実な演技で英国アカデミー賞テレビ部門主演男優賞を受賞した。その後、クローリー監督はシアーシャ・ローナンを主演に迎えた「ブルックリン」(2015)で世界の観客に大きな共感をもたらした。
2019年、グレタ・ガーウィグ監督がオルコットの名作小説を映画化した「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」で、フローレンス・ピューは次女ジョー役のローナンと共演した。末っ子のエイミーを自然体で演じた彼女は、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、名実ともに演技派俳優として一目置かれる存在となった。
誰にでも同じように与えられている時間を私たちは生きている。刻一刻と変わる時の流れの中で、人々は出会い、つながりあっている。
(C)2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATIONジョン・クローリー監督の「We Live in Time この時を生きて」(2024)は、移りゆく時間の中に生まれる、特別なモーメントを静かに見つめる。
物語は至ってシンプルだ。ある夜、離婚を決意したトビアス(アンドリュー・ガーフィールド)が、シェフとして自分の店が開業間近のアルムート(フローレンス・ピュー)に轢かれる。まさかの交通事故である。慎重で押しが弱い彼と自由奔放に生きる彼女、あり得ない状況で出会ったふたりは互いに惹かれ合う。価値観が異なり衝突することも多々あるが、やがて彼の望みである娘が生まれ家族三人の暮らしが始まる。そんなある日、アルムートの体内で癌が再発していることが分かる。彼女に残された時間はあと僅か、その時ふたりが選んだのは…。
積み重ねられていくふたりの時間を描くために、監督が特にこだわったのが地域性を出さないこと。ロンドンを舞台にしている本作だが、敢えてロンドン然とした街並みではなく、裏通りのどこにでもありそうなエリアで撮影を進めた。これは絵空事ではなく、我々と地続きにある日常を描く等身大の物語なのだ。
(C)2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION編集のジャスティン・ライトは、出会いから家族へと成長していくふたりの物語を3つの時制を交錯させて紡いでいく。クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」(2016)のように陸海空の3つの時制が同時進行する劇的な表現ではなく、出会いからの数年間と、余命宣告されてからの半年間、そして我が子誕生の長い一日、3つの時制が互いに漂いながらつなぎ合わされている。時の中で移ろいゆく感情を包み込むかのようなブライス・デスナーの音楽も効いている。
主演のふたりもこれまでにない役柄に挑戦している。脚本のニック・ペインが「お互いに心に幾重もの“かさぶた”ができている30代で出会わせた」と指摘する通り、がむしゃらな青春期ではなく、自分の価値観に忠実に生きようとする、分別のある男女を演じている。アンドリュー・ガーフィールドは「これほど内省的で繊細なキャラクターを演じるのは初めて」だと明かし、高級レストランで猛トレーニングしたフローレンス・ピューは、臆することなくワンテイクで丸刈りになった。
(C)2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION日課のジョギングから戻った朝、生みたての卵でオムレツを作る。取り立てて贅沢なことではないけれど、彼が微笑んでくれるだけで特別な気分に包まれる。きっと今日も穏やかな時間が流れることだろう。時々刻々、すべてが異なる時間を積み重ねて、私たちは生きている。
執筆者紹介
髙橋直樹 (たかはし・なおき)
1962年生まれ。大阪芸大卒。
映画.com編集顧問、ティー・ベーシック代表。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
クジラに落ちた男
【ガチレビュー】映画館で観ないと確実に後悔する 魂が沸き立つ“奇跡の体験”、胸アツを食らってほしい
提供:ディズニー
ミッション
【この“伝説の衝撃作”を映画館で観ずに死ねるか】生涯消えぬ問いを残す――今こそ、その目で、その心で
提供:ハーク
mentor
【誰が一番狂ってるか選手権、開催ッ】今年最大級の狂気、狂気、狂気!ヤバさノンストップの“大怪傑作”
提供:エイベックス・フィルムレーベルズ、スターサンズ
わたしの知らない子どもたち
【もう“これ以上”には出合えないかも】映画館で泣いて、帰り道でまた泣けた 一生の宝物になる映画
提供:K2 Pictures
SNS総再生18億回のモナキ&酒井一圭が語る“運命の一本”
ボスの座を“譲り合う”爆笑劇が、自分たちと重なった――独占インタビューで明かす“本当の理由”
提供:日活、KDDI
「ゴジラ-0.0」ファン全員集合!
お店に行かなくても手に入る!「ゴジラ-0.0」限定景品が勢揃い!! 提供:GiGO
1年間で1200本の映画を観る人に出会った話
常軌を逸した“クレイジー”な映画好き…いったい、どんな人たち!?
提供:テレビ東京
私たちは確信している。この番組が、日本映画界に“激震”をもたらす――
【山田孝之による前代未聞の“番組”】胸をアツくするサプライズ。前例ナシ。劇場公開映画を作る…
提供:Lemino
ディスクロージャー・デイ
【この記事は重大な機密事項を含むため、一部表現に検閲■■■■が施されています】
提供:東宝東和
バイオハザード
【コワすぎワロタ】“人生で一番ヤバい90分”、命の保証は…ありません…!?
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント