ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)

劇場公開日:2020年12月25日

ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)

解説・あらすじ

2003年に犬童一心監督により実写映画化された田辺聖子の同名小説を、新たに劇場アニメ化。大学で海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコに生息する幻の魚を見るという夢を追いながら、バイトに勤しむ日々を送っていた。そんなある日、坂道を転げ落ちそうになっていた車椅子の女性ジョゼを助ける。幼少時から車椅子で生活してきたジョゼは、ほとんどを家の中で過ごしており、外の世界に強い憧れを抱いていた。恒夫はジョゼと2人で暮らす祖母チヅから彼女の相手をするバイトを持ち掛けられ、引き受けることに。口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たるが、そんなジョゼに恒夫は真っ直ぐにぶつかっていく。「坂道のアポロン」の中川大志が恒夫、「デイアンドナイト」の清原果耶がジョゼの声をそれぞれ演じる。テレビアニメ「ノラガミ」のタムラコータロー監督がアニメ映画初監督を務め、「ストロボ・エッジ」の桑村さや香が脚本を担当。「僕のヒーローアカデミア」のボンズがアニメーション制作。

2020年製作/98分/G/日本
配給:松竹、KADOKAWA
劇場公開日:2020年12月25日

スタッフ・声優・キャスト

監督
タムラコータロー
原作
田辺聖子
脚本
桑村さや香
キャラクター原案
絵本奈央
コミカライズ
絵本奈央
キャラクターデザイン
飯塚晴子
総作画監督
飯塚晴子
コンセプトデザイン
loundraw
劇中画
松田奈那子
プロダクションデザイン
平澤晃弘
片貝文洋
中村章子
画面設計
川元利浩
美術監督
金子雄司
色彩設計
梅崎ひろこ
撮影監督
神林剛
3DCG監督
三宅拓馬
編集
坂本久美子
音響監督
若林和弘
音楽
エバン・コール
主題歌
Eve
挿入歌
Eve
アニメーション制作
ボンズ
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受賞歴

第44回 日本アカデミー賞(2021年)

受賞

優秀アニメーション作品賞  
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(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

映画レビュー

4.0 障害者でも恋をしたい

2025年4月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

ドキドキ

カワイイ

タイトルは知っていたので、興味津々で観ました。

ジョゼは車椅子生活を送りながらも、障害と向き合いながら恋愛したい気持ちを持つ姿勢に惹かれました。大学生の恒夫は当初、彼女の障害を理解できなかったものの、とある事故をきっかけに障害を持つ大変さを知って成長していく点も素晴らしかったです。

それぞれが持つ夢を尊重し合い、お互いに前を向いて頑張っていく所から、ずっと一緒にいることだけが恋愛ではないというメッセージが込められいるようにも感じました。

同じ障害者として、とても共感できた感動作になっていました。

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共感した! 1件)
Ken@

4.5 アニメーション映画ならではの表現の豊かさを感じられる名作。物語の完成度も高い。

2020年12月24日
PCから投稿

本作は2003年に実写化もされていますが、別の作品と考えてよいと思います。
まず、アニメーション版の本作では、主人公の恒夫とジョゼの声を務めた中川大志と清原果耶が非常に上手くて良いです。
アニメーション映画だけあって、コミカルなシーンもあったり、映像の美しさなども良く表現されていて、改めてアニメーション映画の表現の豊かさを実感できました。
ただ、いくら映像が良くても物語がしっかりしていないとダメなのは言うまでもないですが、物語も映像に負けないくらいしっかりしていて非常に良かったです。
内容については、テンポよく進んで事前の知識は一切不要なので、あえて触れないようにします。
個人的に好きなシーンは、大学で海洋生物学を専攻する恒夫がジョゼの祖母チヅに「どこに行くんですか?」と尋ねた時に、チヅが言葉を使わず手で表現するのですが、それだけで分かってしまう辺りの表現などがとても気に入っています。
主題歌も含め、音楽もとても良かったです。
強いてマイナス要素を挙げると、最初の「偶然」については許容範囲でしたが、後半の「偶然」については少し無理を感じました。マイナス要素はそのくらいで、あとは非常に良いと思います。
本作を見た後は、人に優しくなれそうな気持になる、とても素敵な作品です。

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共感した! 62件)
細野真宏

4.0 良かった。

2026年5月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 0件)
ゆうと

未評価 これは、本当に田辺聖子さんの物語なのだろうか

2026年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 田辺聖子さんの小説を原作に、若々しい妻夫木聡さんと池脇千鶴さん主演で2003年に映画化された作品のアニメ化です。僕は、原作も前作も未見で、ずっと気になっていていつか観たいと思い続けて来ました。しかし、劇場で上映される事がなく長らく待ちぼうけとなっていたところへ、今回のアニメ化です。最初に観るのは、池脇さんのジョゼにしたかったのですが、本作も若い人にかなり高評価らしいので、好奇心に負けて劇場に足を運びました。

 障碍を抱えて車椅子なしでは生活できぬ間にひねくれてしまった女性・ジョゼが、身の回りの世話をしてくれる恒夫と出会って心を開く手がかりをつかむと云うラブストーリーです。なるほど、若者らに支持される訳がわかります。非常に丁寧に作られていて、映像にも瑞々しさが溢れています。でも、中盤あたりから僕の頭の中には「?」が現れてその増殖が止まらなくなりました。それは、

 「これは、本当に田辺聖子さんの物語なのだろうか」

という問いでした。我が故郷が誇る田辺さんは気楽な大阪のおばちゃんの様でありながら、心の中で静かに燃える地獄の業火にまでクールな視線が透徹している方です。その田辺さんが、「心を閉ざした障碍者の少女が恋愛を通じて未来に歩み始める」といった分かり易すぎる小説を書くとは思えないのです。特に、ジョゼの中にはもっともっと複雑で深く暗い思いが出所を求めて蠢いている筈です。

 そこで、本作を見終えてすぐに原作小説を読んでみました。意外と、20ページほどの短編です。そして納得しました。原作はやはり僕が思った通りの田辺聖子さんで、そんなに単純な物語ではありませんでした。映画の中で少し不自然に感じたエピソードはどれも原作にはないものばかりで、何より、「虎」と「魚たち」が象徴するものが原作とはかなり異なっています。ここはかなり重要なポイントです。

 原作は単なるラブストーリーでも障碍女性の成長物語でもありません。物語の運びは軽やかでありながら、性愛的な粘りから人間の死までもを見通す重さを伴う物語なのです。そして、何者も満たし得ない空っぽ感が漂っています。映画が原作をそのままなぞる必要は全くありませんし、違っているのが当然です。しかし、同じタイトルを掲げる以上は共通したテーマを心棒とすべきではないでしょうか。原作の終盤にこんな記述があります。

 「そして、ジョゼは幸福を考えるとき、それは死と同義語に思える。完全無欠な幸福は、死そのものだった」

僕がこの映画に足りないと感じたのは、まさしくこの点なのでした。

 (2021/1/13 鑑賞)

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La Strada

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