街の上で

劇場公開日:2021年4月9日

街の上で

解説・あらすじ

「愛がなんだ」の今泉力哉監督が、下北沢を舞台に1人の青年と4人の女性たちの出会いをオリジナル脚本で描いた恋愛群像劇。下北沢の古着屋で働く青年・荒川青は、たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったりしながら、基本的にひとりで行動している。生活圏は異常なほどに狭く、行動範囲も下北沢を出ることはない。そんな彼のもとに、自主映画への出演依頼という非日常的な出来事が舞い込む。「愛がなんだ」にも出演した若葉竜也が単独初主演を務め、「少女邂逅」の穂志もえか、「十二人の死にたい子どもたち」の古川琴音、「お嬢ちゃん」の萩原みのり、「ミスミソウ」の中田青渚が4人のヒロインを演じる。成田凌が友情出演。

2019年製作/130分/G/日本
配給:「街の上で」 フィルムパートナーズ
劇場公開日:2021年4月9日

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(C)「街の上で」フィルムパートナーズ

映画レビュー

4.0 下北沢らしい舞台やガジェットが楽しい男女の群像劇

2021年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

古着屋、古本屋、お洒落カフェ、自主映画撮影……若者のサブカルの街・下北沢らしい舞台やガジェットをふんだんに使いながら、1人の青年と4人の女性たちの群像劇が描かれます。恋愛要素もありますが、あっさり目な印象で、ふだん見落としがちなちょっとした心の変化や何気ない会話が丁寧にすくいとられています。長回しが多くて演劇っぽい雰囲気があり、終盤の17分ワンカットのシーンがとても心に残りました。

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五所光太郎(アニメハック編集部)

4.0 人生のいたたまれない時間を肯定してくれる群像劇

2021年5月31日
PCから投稿

いたたまれなさ、みたいなものが素晴らしく映像に置き換わっている映画だと思う。生きてることはいたたまれない。もちろん楽しいことや喜びもあるけれど、それも含めていたたまれないものである、という感覚を信じている者として、そうですよね、生きてるってこういうことですよねというエピソードや感情や感傷が詰まっている。

確かどこかで今泉監督が『街の上で』と『サッドティー』の相似について語っていらしたと思うのだが、『サッドティー』の喜劇に振り切れるクライマックスともシンクロしながら、同時に叙情的で、ベタベタしてないのにロマンチックな仕上がりになっている。

あとまあ女性のキャラクターたちの魅力的なこと。ひとりひとりが主人公で一本の映画ができてもいいくらいなのに、惜しげもなく群像劇の中に放り込まれており、『あみこ』の春原愛良がチラリと出てくるくだりも含め脇にいたるまで捨てキャラなし。映画の贅沢とは、製作費だけのことではないのだなあと、当たり前のことを改めて考えさせられた。

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村山章

5.0 “下北沢の精”のような4人のヒロイン

2021年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

幸せ

本作の評論を当サイトに寄稿したので、ここでは補完的な論点を中心に書いてみたい。「登場人物の職場や属性に音楽、文学、映画、ファッションといった要素を振り分け、彼らの日常を追うことでサブカルの街・下北沢の魅力をさりげなく多面的に紹介する仕掛け」と書いたが、古川琴音が演じる古書店員、萩原みのり扮する自主映画監督、中田青渚による衣装係は、サブカル的属性が分かりやすく託された精霊のような存在として機能しているとも言えそうだ。穂志もえかが演じる雪だけは何をしている人か明示されないが、分類できない混沌とした魅力、純粋な愛として、やはり“下北沢の精”と解釈できよう。

サブカルの精霊たちに愛される(または好意を寄せられるか、少なくとも関心を寄せられる)青は、Tシャツにコットンパンツという自然体の格好が似合う、まさに下北沢を体現する存在だ。よそ行き感のジャケットが浮いてしまうのも、若者の街なら当然か。人が出会いや別れを通じて少しずつ成長するように、街もその景観を変えながら成熟してゆく。

英題は「Over the Town」となっている。地に足がつく"on"ではなく、浮遊する感じの"over"がこの映画にぴったりだ。街を回遊する青と、どこか生き方を模索しているような女性4人。

下北沢映画祭からの依頼がきっかけで、シモキタを舞台に製作された本作。典型的なご当地映画とは趣を異にするが、絶妙な手法で街の魅力を伝えている。

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高森郁哉

4.0 日常のいとおしさ

2026年7月18日
PCから投稿

下北沢という街は独特。
下北沢こそ東京という人もいれば、
何十年も東京にで暮らしてても
下北沢にいったことはないという人もいる。
すべてのカルチャーが存在しているとも言えるし、
すべてのカルチャーも未熟とも言える。

下北沢という街は独特。
その空気感は(そこに集まる人も含め)
とてもよく感じられたと思う。
技術的なおはなしは置いておいて、
とてもよい演出でした。

登場人物は全員、
なにかどこか欠けていて
そこが実に人間らしく下北沢らしい。
男性は欠けている部分がダメに見えて、
女性の欠けている部分はチャーミング。

男女の距離感も絶妙で、
そこが実に人間らしく下北沢らしい。
なにかがあるかもしれないと思って
フラッっと立ち寄ってみるが、
なにも起こらない街。
それが下北沢。

そんな映画でした。
そんな映画ではないか。

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にゃろめ