シン・ゴジラ

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劇場公開日:2016年7月29日

シン・ゴジラ

解説・あらすじ

「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。総監督・脚本は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が務め、「のぼうの城」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎が准監督。14年のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出し、リピーターが続出するなど社会現象とも呼べる大ヒットを記録。興行収入は81.5億円に上り、第40回日本アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか7部門で最優秀賞を受賞した。ある時、東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生。首相官邸で開かれた緊急会議では、地震や海底火山の噴火など事故原因をめぐって議論が紛糾する。そんな中、内閣官房副長官の矢口蘭堂は、海底に正体不明の巨大生物が生息し、それが事故の原因ではないかと推測するが……。矢口役の長谷川博己、内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹役の竹野内豊、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン役の石原さとみをメインに総勢328人のキャストが出演し、狂言師の野村萬斎がゴジラのモーションキャプチャーアクターとして参加した。

2016年製作/119分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2016年7月29日

スタッフ・キャスト

総監督
庵野秀明
監督
樋口真嗣
准監督
尾上克郎
脚本
庵野秀明
特技監督
樋口真嗣
特技統括
尾上克郎
製作
市川南
エグゼクティブプロデューサー
山内章弘
プロデューサー
佐藤善宏
澁澤匡哉
和田倉和利
プロダクション統括
佐藤毅
ラインプロデューサー
森徹
森賢正
撮影
山田康介
照明
川邉隆之
美術
林田裕至
佐久嶋依里
美術デザイン
稲付正人
装飾
坂本朗
高橋俊秋
録音
中村淳
整音
山田陽
音響効果
野口透
編集
佐藤敦紀
音楽
鷺巣詩郎
伊福部昭
VFXスーパーバイザー
佐藤敦紀
VFXプロデューサー
大屋哲男
扮装統括
柘植伊佐夫
スタイリスト
前田勇弥
ヘアメイク
須田理恵
ゴジライメージデザイン
前田真宏
ゴジラキャラクターデザイン
竹谷隆之
ゴジラアニメーションスーパーバイザー
佐藤篤司
特殊造形プロデューサー
西村喜廣
カラーグレーダー
齋藤精二
音楽プロデューサー
北原京子
スクリプター
田口良子
河島順子
キャスティングプロデューサー
杉野剛
南明日香
総監督助手
轟木一騎
助監督
足立公良
自衛隊担当
岩谷浩
製作担当
片平大輔
(B班)撮影
鈴木啓造
桜井景一
(B班)照明
小笠原篤志
(B班)美術
三池敏夫
(B班)操演
関山和昭
(B班)スクリプター
増子さおり
(B班)助監督
中山権正
(C班)監督
石田雄介
(C班)助監督
市原直
(D班)撮影
摩砂雪
轟木一騎
庵野秀明
(D班)録音
摩砂雪
轟木一騎
庵野秀明
(D班)監督
摩砂雪
轟木一騎
庵野秀明
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受賞歴

第40回 日本アカデミー賞(2017年)

受賞

最優秀作品賞  
最優秀監督賞 庵野秀明 樋口真嗣
優秀主演男優賞 長谷川博己
優秀助演女優賞 石原さとみ
優秀助演女優賞 市川実日子
優秀音楽賞 鷺巣詩郎
最優秀撮影賞 山田康介
最優秀照明賞 川邉隆之
最優秀美術賞 林田裕至 佐久嶋依里
最優秀録音賞 中村淳 山田陽
最優秀編集賞 庵野秀明 佐藤敦紀
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インタビュー

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映画評論

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映画レビュー

2.0 庵野氏にもゴジラにも思い入れのない映画バカのおっさんは「シン・ゴジラ」をこう見た。

2016年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

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共感した! 10件)
しんざん

5.0 日本人の精神性を見事に活写

2017年11月27日
PCから投稿

知的

高密度の情報量と、311後の日本社会への目配せも見事だが、個人的な本作の最大の注目点は、日本人の長所と短所が表裏一体である点を的確に捉えたところだ。

前半、一人の人間の避難遅れを発見したためにゴジラへの攻撃を決定できず、ズルズルと被害が拡大してしまう点は、普段から問題だと叫ばれる、大事なところで決められない日本人のメンタリティの弱点だ。だが、危機が拡大するにつれ、残った人間たちは何も言わずとも黙々と己の仕事をこなし続け、気がついたら一丸となっている。日本人は何も変わっていないが、未曾有の危機を前に突然目を覚ましたかのように結束し、高パフォーマンスを発揮し始める。
危機にも自分の仕事に没頭する様はサラリーマン根性のようでもあるが、最終的にゴジラを倒すのは、特別な平気ではなくその愚直な奉仕精神だった。
日本人以外には説明のしづらい魅力だが、ここまで的確に日本人の不思議な精神性を描いた作品は少ない。非常に貴重な傑作となった。

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共感した! 58件)
杉本穂高

4.5 個人の感想を超える圧倒的な密度の塊。

2016年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

『シン・ゴジラ』のスタッフルームには、庵野総監督からの参考作品として『日本のいちばん長い日』『激動の昭和史 沖縄決戦』『ブルークリスマス』と3本の岡本喜八作品と、シドニー・ルメット監督『未知への飛行』のDVDが置いてあったらしい。

『シン・ゴジラ』における引用については喜八作品のスタイルの踏襲や『未知への飛行』の政治会話劇に留まらず、正直追い切れないくらいの要素があるわけだが、引用をただのオマージュでなく、ちゃんと表現の手段にしていて、作品単体として輝くように作られているのはタランティーノにも似ているかも知れない。

また現実の世界の綿密な取材などディテールが濃密な一方で、「在来線爆弾」のような面白い跳ねたアイデアがフィクションとしての強度を確保する。

目に見える圧倒的な情報量以上の氷山の本体の存在が感じられる本作は、娯楽映画の水準を押し上げるみごとな仕事ではないだろうか。

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共感した! 29件)
村山章

3.0 【67.9】シン・ゴジラ 映画レビュー

2026年9月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

『シン・ゴジラ』は、1954年から続くゴジラ映画の文法を解体し、怪獣との戦闘ではなく、未知の巨大災害に直面した国家の意思決定そのものを映画の中心に据えた異色作である。庵野秀明が選んだのは、英雄ではなく組織、感情ではなく情報、個人のドラマではなく行政機構を主役とする方法だった。その着眼には明確な独創性がある。しかし映画の価値は着想の大胆さだけでは決まらない。本作には、その野心に表現の完成度が十分追いついていないという根本的な弱点がある。
庵野による脚本が描くのは、想定外の事態を前にした日本政府の混乱と、硬直した組織が次第に機能を獲得していく過程である。だが政治家や官僚の利害、権限、責任、保身、使命感が、生身の人間同士の衝突として十分に掘り下げられない。代わりに大量の役職名、専門用語、会議、報告、早口の台詞が投入される。情報量は圧倒的だが、情報の多さは政治劇の深さと同義ではない。行政機構の内部を覗き見るような緊張より、「日本的官僚制」を戯画化した演出の存在感が勝り、反復されるほど風刺の鋭さより人工性が目立っていく。
本来、この設定には極めて強力な可能性があった。荒唐無稽なのはゴジラだけとし、その侵入を受ける政治、行政、自衛隊、科学者、米国との外交を徹底したリアリズムで構築する。そうすれば現実世界に存在するはずのないゴジラの異物感は、むしろ最大化されたはずである。しかし本作は、政治的利害や権力、責任の所在を人物間のドラマとして掘り下げるだけの鋭度には到達していない。その不足を肩書テロップ、極端な構図、高速編集、専門用語の奔流という様式的刺激が覆っていく。結果として「行政を描く映画」という独創的な形式は確立したものの、行政そのものを深く描いた政治劇にはなり切れていない。
さらに、ゴジラが巨大災害を可視化する装置として機能するほど、「なぜこの物語がゴジラでなければならないのか」という問いも残る。1954年版ではゴジラという存在そのものが核と戦争の記憶を背負っていた。本作にも核や災害への同時代的な意識は刻まれているが、物語の中心を占める行政シミュレーションとゴジラ固有の意味が最後まで不可分に結合しているとは言い難い。ゴジラ映画を大胆に再構築した一方、その再構築によってゴジラ自身が巨大な危機を発生させる機能へ還元されるという逆説を抱えている。
庵野の総監督、樋口真嗣の監督・特技監督による演出には強烈な個性がある。山田康介の撮影による固定カメラ、監視映像を思わせる画角、極端なローアングル、佐藤敦紀らによる高速編集は、従来の怪獣映画とは異なる視覚的リズムを作り出した。特にゴジラが放射線流を放ち東京を焼き尽くす場面は、色彩、構図、音響が結びついた本作最大のスペクタクルである。一方、VFXにはCGの質感、実景との融合、巨大生物としての重量感にばらつきがあり、映像設計の独創性と映像そのものの完成度は区別する必要がある。林田裕至、佐久嶋依里による美術は官邸や対策拠点を機能的に構築し、膨大な登場人物が動く空間を堅実に支えている。
鷺巣詩郎による「Persecution of the masses」「Who will know」は、ゴジラに恐怖だけではない悲劇的な響きを与える。伊福部昭による歴代作品の楽曲もシリーズの記憶を現在へ接続し、「宇宙大戦争」が流れるヤシオリ作戦には怪獣映画としての高揚がある。ただし音楽そのものが作品の水準を決定的に引き上げるというより、既存のゴジラが蓄積してきた音楽的記憶を含め、演出を効果的に補強する仕事として評価すべきだろう。
主演の長谷川博己が演じる内閣官房副長官・矢口蘭堂は物語の中心軸である。長谷川は膨大な台詞を明晰に処理し、若い政治家の行動力と使命感を一貫して表現する。しかし矢口には政治家としての野心、恐怖、迷い、権力への意識といった内面的な複雑さがほとんど与えられず、国家的決断を担う人間としての重圧が十分に蓄積されない。結果として演技も「有能な若手政治家」という機能の範囲にとどまり、長谷川の力量を存分に引き出した役とは言い難い。
竹野内豊の内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹は抑制された佇まいで矢口との差異を作り、高良健吾の内閣官房副長官秘書官・志村祐介も実務家として堅実に作品を支える。石原さとみの米国大統領特使カヨコ・アン・パタースンは、誇張された発声や英語を交えた台詞回しの人工性が強く、作品が志向する現実感を損なう場面が少なくない。市川実日子の環境省官僚・尾頭ヒロミは、逆に無表情と独特の間をこの作品の様式へ巧みに適応させ、記号的な人物造形の中で鮮烈な印象を残す。大杉漣、柄本明、國村隼、余貴美子ら実力派も随所に配置されているが、アンサンブル全体としては人物を人間より機能として扱う演出の制約から逃れられていない。
第40回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞をはじめ7部門で最優秀賞を受賞した。日本の怪獣映画に従来とは異なる方法論を持ち込んだ歴史的意義は否定できない。しかし、その革新性と映画としての完成度は分けて考える必要がある。政治と行政を主役にするという大胆な構想を持ちながら、その世界を人物、台詞、演技によって生々しく立ち上げるところまでは届かず、様式の強さが題材そのものの鋭さを上回ってしまった。『シン・ゴジラ』は確かに独自の映画である。しかし「他にない映画」であることと「優れた映画」であることの間には距離がある。本作は、その距離を鮮明に残したまま、日本映画史に強烈な足跡を刻んだ作品である。
【最終表記】
シン・ゴジラ[Shin Godzilla]
主演
評価対象: 長谷川博己
適用評価記号と点: C(7)
助演
評価対象: 竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、市川実日子
適用評価記号と点: C(7)
脚本・ストーリー
評価対象: 庵野秀明
適用評価記号と点: B(6)
撮影・映像
評価対象: 山田康介
適用評価記号と点: B(8)
美術・衣装
評価対象: 林田裕至、佐久嶋依里
適用評価記号と点: B(8)
音楽
評価対象: 鷺巣詩郎、伊福部昭
適用評価記号と点: B(8)
編集(加点減点)
評価対象: 庵野秀明、佐藤敦紀
適用評価点: +1
監督(最終評価)
評価対象: 庵野秀明、樋口真嗣
総合スコア:[67.9]

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honey

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