「絵画のような色彩美とシュールな風景。」グランド・ブダペスト・ホテル さとうきびさんの映画レビュー(感想・評価)
絵画のような色彩美とシュールな風景。
雪山にそびえ立つ豪華ホテルを舞台に不条理な世界観の中で淡々と進む謎解きと逃走劇。
「ザザコルダのフェニキア計画」のブラック要素を多めに盛って、でもザザコルダでは観られなかった温かさ(舞台は雪国ですが!)も多めに盛って、逆にバカバカしさは少し控えめにして(少し、です。ゴージャスなバカバカしさは健在です!)コミカルなテンポで物語は進行します。
なんだか夢と悪夢が混ざりあったような不思議な世界の背後には戦争の足音や夢のような時代の終焉というシビアな現実が横たわっています。
ザザコルダではそれとは判らないほどに覆い隠されていた残酷な現実、社会問題が本作でかなり強めに史実についての批判の要素が盛り込まれていると感じました。
ザザコルダの独特の空気感が好きな人は、この様式美と物語性は深く響くと思います。
残酷ながらも不思議な温かさを残す、大人のために用意された贅沢で切ないおとぎ話です。
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