天使のたまごのレビュー・感想・評価
全48件中、1~20件目を表示
マモルンに好きにさせたら、こうなるんだぜ!
監督脚本押井守。
キャラクターデザインに『アルスラーン戦記』『ファイナルファンタジー』の天野喜孝。
【ストーリー】
そこは薄ぐらい廃墟。
太陽が海からのぼり、海にしずむ世界。
いつからそうしていたのか、少女はそこで、ずっとたまごを守っていた。
そこには天使が孕んでいると、心から信じて。
異形の赤い戦車に乗って少女のもとに訪れた少年は、夢にみた"鳥"をさがしていた。
少年は、少女のたまごを見て、ふしぎに思う。
「たまごを割ってみないと、中になにが宿っているか分からないじゃないか」
『天使のたまご』と『紅い眼鏡』といえば、押井守の初期作品としていわくつきで知られてます。
あと『迷宮物件 FILE538』もふくめていいかもしれません。
どれもイメージの羅列で脈絡が受けとりにくく、誰視点の物語なのかわかりづらい。後者については、今も変わらないかなー。
映像は前衛的で、構図と演出でこちらをおどろかす仕掛けはガチ。
タルコフスキーの影響を指摘する意見もおおく、アートな画角のイメージ強めの絵をポンとおいたり、たしかにあちこち似てます。
タルコフスキーがどういう映像を好んだかっていうとですね、アレです
『機動警察パトレイバー the Movie』の、帆場瑛一の足どりを追うシーンで、陽光を目が痛くなるほど反射する水たまりとか海面とか、朽ちた人工物とか、そこで生きてる動物とか、印象的な文明とその代謝物のカットを、パトレイバーファンならおぼえているはず。
ああいうのいっぱい差しこんで、状況や時間経過や移動を表現する人です。
押井守は「タルコフスキーは、映像以外はキライ」って冷たいこと言ってますけど、じっさい映像や演出のタイミングはクリソツで、それはもう兄貴格の宮崎駿作『もののけ姫』と黒澤サムライ活劇ぐらい似てます。
ツンデレさんですな。
「いわくつき」と書きましたが、視聴した方々からも「や、わけわかんないっす」という意見が大勢をしめ、前述の宮崎監督にも「ええ…なんで戦車だしたのに主砲ぶっぱなさないの?」とか言われる始末。宮さんはやっぱりえらいですな、観客席へのサービス忘れないもん。
ストーリーの引きが弱いのは、そういうケレン味以外の部分ですが。
たまごを守りたい少女と割りたい少年、どっちもモチベーション(動機)となる理由をなーんも語ってないんだから、そらまあ感情移入できませんわ。
感情移入できないんだから、ドラマ——両者の関係と変化——への興味もうすいままですわ。
寓話なので感情移入しなくていいというなら、短編やショートショートでいいんじゃないの?と。
むしろ70分という尺で、聖書のシンボルや心理学モチーフもりもりにしちゃったせいで、言いたいこと隠れちゃってる印象です(あくまで個人の感想ですよ。天使だけど)
んで結局ぼくらはインタビューなんか読んで、監督のお言葉聞いて「ああなるほど、あのシーンにはそんな意味があったんだなー」と知るっていう。
んで最後はいっつも「いろいろ盛ったし、映像のレベル高ければ、誰かには刺さるやろ」で観客(こっち)にぶん投げちゃうのが押井流。
でも、監督の解説でやっと作品のテーマ理解する難易度はダメだよね☆プロの仕事として。
監督もぼくらも、クリスチャンでも心理学者でもないんだから、そら通じませんて。
いわば外国語だもの。
近年この作品を再評価する流れができていて、海外への売買契約がきれて押井守に権利がもどったのを機に、絵コンテやソフト販売、デジタルリマスターなど為されて、ファンにはたいへんよろこばしいですな。
「時間が経って、やっと正当な評価をされた」的なことを、監督おっしゃいますけれど、それはちょっと調子にのりS gゲフンゲフン!
もちろん自分もよろこんでますよ!
やったね!\\\\٩( 'ω' )و ////マモルン!
ここまで苦言ばかりになりましたけど、アニメーションは凝ってて演出も挑戦的で、音楽とのマリアージュも抜群、たった八千万で作ったとは思えない出来です。
元祖病みメイクキャラの天野喜孝をむかえたアートは、原画動画のレベルも高く、ファン絶賛のクオリティ。
無限闇絵師・天野喜孝神殿へといざなう礼賛PVとしてなら、とても満足できますよ。本編70分ありますけど。
あと、少年って設定だけど。
……声もセリフもおっさんだよね(超早口)
そうなると物語の構図、ヤバいよね。
評価が難しい映画
自分で感じ考える楽しさ
40年前の制作時にビデオでみて衝撃を受け、今みたらどう感じるかなぁと劇場へ向かったものです。
「とにかく幻想的で美しく、象徴的でどうとでもとれて、ラストでゾッとする」という淡い記憶がありましたが、だいたいそんな感じでした。記憶よりたくさん台詞があったなぁという印象です。
こんなに古い作品なのに、画がきれいで音が鮮明だったので、ファンタジックな作品世界を堪能できてよかったです。さすが4Kリマスター。
内容については好き嫌いが分かれるところでしょうが、私はああかなこうかなと考え続けられるのが楽しかったです。
最近はなんでもパパッと正解が欲しいという方が多いご時世ですが、人によって考えが違って当然ですし、受け止め手次第ではないでしょうか。時には解説(台詞も含む)なしの作品に挑んで、自分がどう感じ考えているかを自分の言葉で表してみるのもいいと思います。
(AIにきくのではなく…)
若い人たちにみて欲しい作品です。
残すべき作品、でも手放しに褒められない、けど素晴らしい
天野喜孝をアートとしても堪能出来る素晴らしい作品
某果てしなきアニメ映画で、整合性がない、説明不足、なんで恥ずかしがってるの?と怒っている人は観れないかも。
答えが明確に用意されているわけでもなく、整合性もなく、暗い背景が続く世界観です。
ネットには解説もありますが、解釈は人それぞれ、まずは観て、感じてほしい
映画館の大画面に鮮明に一つ一つ刻まれた緻密な線、重い影色、セル特有の無骨なのに優しい色合い
小林七郎の背景は力強いタッチと闇の中であっても安明をもたらす表現の緩急が素晴らしい
暗い背景に、ぽうっと、まるで光っているように美しい肌色 大きな目に、瞬けば音を立てそうな長く繊細なまつ毛
テレビ画面では味わえない豊かな表現が堪能できます。
人は信じたいし安心したい。勇気を持って信じてみたら、信頼されてしまった人はどうするのがいいのでしょう
当時のOVAでは莫大な予算を注ぎ込みましたが興行は振るいませんでした。押井守は仕事を続けなければ生活出来ない状況となり沢山名作が生まれます…これも因果ですかね。
この映画の世界と重なって見えます
費やした手間、特に作画、撮影、特効に置いてはその手間の割に売り上げだけでなく、表現できたことも少ないかもしれません。しかし実際に試してみた、やりきった、世に出した、それは素晴らしい功績。この作を表現する為に現場がアイデアをだしあって試行錯誤して学んだことは多く、それは今後の商業作品、アート作品の財産となっているでしょう
没入感に今ひとつ達しないのは音楽が大きい。音楽がもっと静かなら、無理に感情を引き出そうとしなければ、没入感が得られたのに、なんならセリフをもっと減らしてもよかったかも
そこだけ減点
正確
やばすぎがち
人間の内側にある世界をその人間の外側にいる人間として最前で見つめて踏み入って逃げまわるみたいなことをしたことがあるんだけど、それだった
あれをほとんど言葉なしでここまで表現できるもんなんやってまじで普通に感心しちゃった、映画見ないんで知らないですけどすごい人なんですよね多分作者さん
前情報ゼロだったんで何がどう展開していくんだろって思いながら眺めてたところ、あー少女の内側にある迷宮におれもきちゃったじゃんってなる。頭がおかしくなりそうな、普通にうるさすぎてまじでちょっとイラついちゃう大袈裟な音楽とかSEは、当人のなかで本当に鳴り響いているもので、いたたまれない、可哀想、おれに何ができる、外側の私には永久に寄り添いきれないやつ、実際見ててイラつきがきちゃったわけやし、ある程度距離があると可能かもだけど近くにいると、ね、おれも迷宮入りしちゃってるんだし
なにせ目的地というより行き先が未明な高速鉄道に乗せられる感覚
おれが実際に踏み入ったことのある世界はこんな荒廃一色じゃなくて、もっとふつーに最寄り駅があって商店街もスーパーも賑わってちょっと都心にいけばきらびやかなものから全て揃う日常的な景色もあったけど、この映画にはそれがなくて、でも[無い]ということが当人の切なところなわけで、そういう意味では迷宮を正確に描いているねーーー。
あの子の内側のすべてが正確やったなー
魚を仕留めようとしてる奴らが投げた槍で窓と街灯ぶっ壊れていくのまじでその通り過ぎてやばいよ、迷宮をお抱えになられてるみなさんはあのシーンほんまにキツかったんちゃうかな
あとそいつらに男の姿が目に入ってないのもね
男のキャラデザも絶妙でいい、ずっと向かって右側の前髪の生え際あたりについてる水色の何かがずっと引っかかる感じとか
Dolbyもまじ素晴らしかった
おそらく公開当時とは観客の受け取り方が変化しているであろう点も含めて、現在鑑賞する価値が大きい一作
この物語を当時と同じ描写で作るのは、今となっては難しそう…、という鑑賞感でした。
『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』(1984)でアニメファンから高い評価を受けていたとはいえ、新進の映像作家の一人だった押井守監督が手掛けた本作は、天野喜孝のアートデザインも相まって、不気味で耽美的だけど不思議な余韻を残す作品です。
独特すぎる世界観と、それを説明する描写や台詞の少なさゆえ、公開当時多くの観客が戸惑い、結果的に本作は興行的には振るわなかったとのこと。
テーマを理解する難しさは今も変わらず、なんだけど、その後の『パトレイバー』シリーズや『攻殻機動隊』を手掛けた巨匠の初期作ということを踏まえれば、この時点からすでに作品作りを絶対妥協したくない、という強い意志を貫いていたこと、そしてその後手掛けた数々の名作の萌芽が本作に宿っていたことに気づかされます。
公開当時は本作に宗教性を見出す評論もあったようですが、現在の視点では、幼さが際立つ少女(声:兵頭まこ)に巨大な卵を抱えさせる、つまり妊娠期の女性を連想させる姿で描くところに、宗教性よりもまず倒錯性を感じてしまうし、彼女に同行する兵士と思しき青年(声:根津甚八)の存在も、少女の庇護者というよりも未成年につきまとう成人男性、という危うさを感じてしまいます。
こうした見方は、当時前景化しなかっただけなのか、あるいは公開から40年経って、観客の受け取り方が変わったのか、一考を要するところですが、現在、同じような描写で本作を作り直すことは難しいでしょう。その意味でも、リマスターという形で本作を観ることができる機会は貴重でした!
天野喜孝の絵が動く
その美しさをただ堪能する映画。押井守が自身の著書「メカフィリア」でいうには、「潮のみちひきを繰り返し、循環し続ける世界は子宮。少女が守る卵は処女性の象徴、街が抱く巨大な卵は卵子。そこに侵入してくる少年は彼女を外界へと開く【男性】そのもの。戦車の大砲はペニス、白い鳥の羽は射精」というようなことを言っていた。そういうお話だと思う。そこへノアの箱舟の神話、鳥と天使のイメージを重ねて荘厳に幻想的に演出してくれるのがよい。
少年が少女を信頼させ、武器で卵を突き破るシーンはまさに破瓜。世界をぶち破られたことに気づいた少女の絶叫は凄まじい。少女は彼を追って水中に落ち、水中から現れた【大人の女の姿の自分】と入れ替わって、水底へ沈んでゆく。そして旅立ち。
「卵は割ってみなければ、中に何があるか分からないものだよ。」少年のセリフが印象的だ。その通り、閉ざされた世界は大切だし、守り続けることも大切だが、いつかは破られ、開国しなければならない。
それも無理やりではだめだけど、強引さも必要なのである。難しいね。
こういう4Kリマスターを待っていた。
天使のたまごのDVDを持っており
それと比べると明らかに高精細になり、細かいところがクッキリ見えるようになった。
音響もグレードアップしておりかなり迫力があった。
テレビ画面と映画館という違いはありますが、
DVDと比べると別物のクオリティになっている。
いままで、ブルーレイへのリマスター化作品を観てきた中で、かなり高精細化が成功した作品だと思う。
リマスター技術も進化してるのだろう。
この映画は、やはり、解説が欲しいですね。
ウィキペディアで、あの目玉の物体は、人工太陽と知って、なになに?どういうこと?
さらになりますが、
どういう世界線?
あの少女と少年は、何千年、何万年、
まわりが化石だらけになるほど、そこにいる、
世界線なんだろう。
最後はノアの方舟の転覆した船底?
おいおい、マジか、
深堀りするといろいろ出て来そうです。
カッケー・・・でも、やっぱ意味不明
押井と天野
音が怖かった
映像はとても素晴らしいけど、とにかく音が怖かった。結局何だったんだと思うけど、少しだけキリストを学んだ自分にとってはなんかとってもしっくりくるところもあった(個人的な意見ですが)気がする。
映画というより芸術
映像は凄い
制作から40年!を記念し4Kリマスターで劇場公開されると知り、特別料金2200円を支払い、初めて本作を劇場で鑑賞しました。
今観ても訳が分かりませんが、映像は凄いです。40年前のセルアニメでこれほどの映像美はオーバーテクノロジー過ぎます。
昔、押井守作品という理由だけで本作のレーザーディスクを購入した事があります。
きっとすごい物語なのだろうと、その期待値はすさまじいものでした。
購入後に早速プレイヤーで再生し、最初はワクワクしながら見ていたものの、やがて20分ほどで見飽きて脱落。せっかく高いお金を出して買ったのだからと、改めて見ては途中で脱落。そんなことを繰り返し、一度もまともに鑑賞しないまま、いつのまにかレーザーディスクも処分し、今は手元にありません。
若い頃はつまらないと感じても、歳を重ねて分かる事もあるかもと、今回期待を込めて鑑賞しましたが、残念ながら今観ても分かりませんし面白いとも感じませんでした。停止ボタンの無い劇場であればこそ、初めて最後まで鑑賞することができ、やっとこの映画に対してケリがついた気分です。
少女が問う「あなたはだぁれ?」、男が問う「君は誰だい?」、そして、その問いには、互いに何も答えない。なので誰だか分かりませんが、もう考えるのはやめました。
巨大な魚の影にモリを撃ちこむ男達、それは何なのか?
大きな目玉のような宇宙船?は何?
最後、俯瞰で見せた作品世界の形状は何を意味するのか?
映像世界の雰囲気を味わえれば、そういう事を考える必要はないのかもしれません。
数十年の時を経て、ようやく最後まで観る事が出来た事に今は満足しています。
再会と再生
少年と少女は誓いを交わした。
鐘がなる。
少年は少女の卵=(心)を断罪する。
それは愛の暴力であるが、少女にとっては救世主とも言えるかもしれない。
少年も痛みを背負って生きていく。
手と十字架。
強い傾倒心からは、人は成長できない。
大人になれない身体は、本物を産めない。
大人になれた少女は、天使を産めた。
少女は、元々天使であったのだ。
少女は、自身の再会と共に去る。
天使を探していた少年は、出逢えたのだ。
真っ直ぐに十字架、痛みを抱え生きていく。
少年少女に関わらず、
人は成長しなければ、真実と向き合わなければ、
本物は生み出せない。
自分の天使、本来の自分を手に入れられない。
アートを「評価」するわけにはいかない
残念ながら私の口には合わなかった。
感想すら記することが憚れる。
しかし当たり前だが、個人の感じ方や理解の度合いの面で「合わなかった」ことがイコールその作品の価値が低いことにはならない。
なので、☆を「0」ともできないし「5」にもできない、という意味で真ん中の2.5としました。
映像と音楽を楽しめれば
全48件中、1~20件目を表示










