■ある古いアパートに住む売れない小説家・真木栗勉(西島秀俊)。
小説の依頼が出版社から来るが、原稿は白紙のままであった。或る日、銭湯に行く前に寄った中華料理屋で、バイトの女シズエ(キムラ緑子)に部屋に誘われ、小さな風呂に入っていると彼女も風呂に入って来るのであった。
その日から、真木蔵のボロアパートの部屋の壁に穴が開き始め、覗くと隣室のエロティックなシーンが展開され、彼はそれを次々に小説に書き、好評を収めて行くのであった。
だが、或る日、シズエは既に死んでいる事が分かり、又、彼の部屋に置き薬を届ける青年をさおり(粟田麗)に紹介した後、彼とさおりが情交を結ぶ姿を見た後に、彼が自殺していた事を知るのであった。そして、さおりも・・。
◆感想
・大変に蠱惑的な作品であり、構成も面白く魅入られた作品である。
・私は男とは”穴を見つけると、覗きたくなる生き物であると思っているが、(公園で蟻の巣を棒で突いているのは、大体男の子であると思う。
大きくなれば、別の穴に興味を持つのが、健全な男というモノであろう。
・今作は、そんな男の性を、若き西島秀俊さんが序盤はコミカルに演じているが、徐々に物語構成が分かって来ると、その巧みな設定に引き込まれて行くのである。
・最後、真木栗勉がどうなったかは、実際に作品を見て頂きたいのだが、個人的には大変に引き込まれた作品であった、という事を記して筆を置こうと思う。
<今作は売れない作家が住むボロアパートの壁の穴から見たエロティックな風景を小説にする中で、或ることが判明していく妖映画である。>