名探偵コナン 世紀末の魔術師

劇場公開日:1999年4月17日

解説

ロマノフ王朝の財宝を巡って繰り広げられる謎解きと殺人事件に、おなじみ少年探偵・コナンが挑むミステリー・アニメーションのシリーズ第3弾。監督は前作「名探偵コナン 14番目の標的」に続いてこだま兼嗣があたっている他、脚本も青山剛昌による原作キャラクターを基に前作に引き続きの古内一成が執筆。撮影も前作と同じく野村隆が担当している。声の出演に高山みなみ。

1999年製作/100分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1999年4月17日

あらすじ

ある日、コナンの好敵手で世界を股にかける・世紀末の魔術師・キッドから警視庁に謎めいた犯行予告状が届いた。キッドが狙っているのは、大阪の鈴木財閥の会長・鈴木史郎の蔵から発見されたロマノフ王朝の秘宝であるインペリアル・イースター・エッグ。1885年から1916年にかけて50個、皇后への復活祭の贈り物として時のロシア皇帝が宝石細工師・ファベルジェに作らせたとされる、51番目の代物であった。鈴木会長の依頼で警視庁に協力することになった毛利小五郎について、蘭と共に大阪へ飛ぶコナン。彼らを出迎えたのは、蘭の親友で鈴木会長の令嬢・園子と秘書の西野だった。ふたりに連れられ鈴木会長を訪ねたコナンは、そこでロシア大使館のセルゲイ、美術商の乾、ロマノフ王朝研究家の青蘭、映像作家の寒川らと会う。彼らは、商談や撮影の為に鈴木会長の元を訪れていた。さてその夜、予告通りキッドがエッグを狙って大阪の街に出現した。警察の裏をかく大胆な手口で、まんまとエッグを盗み出したキッド。コナンは、関西の高校生探偵・服部平次の協力の下、ハンググライダーを駆って逃げるキッドを追跡するが、途中、キッドは何者かに狙撃されてしまう。墜落現場にコナンが急行すると、そこにはキッドの忠実なしもべで怪我をした純白のクジャクバトと、キッドが右目にしていた片眼鏡、盗まれたエッグが落ちていた。果たして、キッドを狙撃したのは何者なのか、そしてキッドは何処へ消えてしまったのか? さて、取り戻されたエッグは傷を調べる為に、急遽、鈴木財閥の船で東京に運ばれることになった。その豪華客船にはコナンを初めとする面々の他に、香坂夏美というファベルジェの工房で細工職人として働いていた曾祖父・喜市を持つ少女と、香坂家の執事である沢部が乗り込んでいた。船上で、夏美は喜市がロシア革命の翌年、ロシア人夫人と共に持ち帰ったエッグの設計図面を披露。それにより、52番目のエッグの存在と51番目と52番目のエッグの製作者が喜市であったことが明らかになり、更にコナンがエッグに仕掛けられた鏡を見つけたことによって52番目のエッグの在処が横須賀に喜市が建てた香坂家の城であることが判明する。ところがその日の夕方、客室で寒川が右目を撃ち抜かれて殺されているのが発見された。寒川の部屋から西野のボールペンが見つかり一時は西野が疑われも、コナンは世界中でロマノフ王朝の財宝を専門に盗み、右目ばかりを狙って人を殺害するスコーピオンなる人物の情報を阿笠博士からゲットしたことから、西野の容疑は晴れる。翌日、東京に到着した一行は、早速、横須賀の香坂家へ向かった。城内を案内されるコナンたち。そこでコナンは、城に地下室があることに気づく。潜入すると、隠し部屋があった。そして、そこには喜市の妻であるロシア人女性の遺体が、大事そうに52番目のエッグを抱いて安置されていた。コナンは、そのエッグを側にあつらえてあった台座に設置。すると、天井一杯にロシア皇帝一家の仲睦まじい想い出の写真の数々が展開された。その仕掛けと言ったら、まるで魔術でも見ているかのようであった。ところがそこへ、エッグを狙ってスコーピオンが出現した。乾を殺害したスコーピオンは、エッグを奪うとコナンたちを地下室に閉じ込めたまま城に火を放つ。しかし、コナンはその正体が青蘭であることを既に見抜いていた。実は、青蘭はロマノフ王朝を破滅に導いたとされる怪僧ラスプーチンの末裔だったのである。非業の死を遂げた先祖の復讐の為に、世界に散らばったロマノフ王朝の財宝を盗んでいた青蘭。彼女が寒川と乾を殺害した動機は、ふたりが彼女の正体を知りそうになったからだ。青蘭と対峙するコナンに、突如現れ助太刀するキッド。キッドは白鳥刑事に化けて、ずっとコナンの側にいたのである。キッドのお陰で、コナンは青蘭を逮捕することに成功。更に、地下室に閉じ込められていた人たちも助かる。さて、キッドが今回の事件に一枚噛んだのには訳があった。それは、・19世紀末の魔術師・と呼ばれた細工師・喜市への想いからであった。喜市は、日本へ渡ってきたロシア人の妻、実は彼女はロシア皇帝一家のたったひとりの生き残りである三女のマリアだったのであるが、その生い立ち故に正式に日本の墓に埋葬されることのなかった彼女の遺体を子孫が見つけて弔ってくれることを祈ってエッグを手がかりに残したのだ。そして、キッドはその手助けをしたのだった。さて、事件も一件落着して事務所に戻ったコナンと蘭。ところが、蘭は今回の事件を通してコナンに新一の面影を見ていた。コナンが新一でないかと疑う蘭に、真実を伝えなければと思うコナン。その時、ふたりの目の前に新一が現れたのである!だが、実はそれはキッドが化けていた偽の新一であった。お陰で窮地を切り抜けることが出来たコナン。その後、新一に化けたキッドは姿をくらましてしまうが、コナンはそれがキッドが狙撃された時に怪我をしたクジャクバトをコナンが手当したことへの、キッドなりの礼だということに気づいていた。

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スタッフ・キャスト

監督
こだま兼嗣
演出
佐藤真人
脚本
古内一成
ストーリー・エディター
飯岡順一
原作
青山剛昌
原案協力
奥山豊彦
浅井認
企画
諏訪道彦
プロデューサー
諏訪道彦
吉岡昌仁
絵コンテ
こだま兼嗣
キャラクター・デザイン
須藤昌朋
総作画監督
須藤昌朋
作画監督
清水義治
兵藤敬
山中純子
エフェクト作画監督
糸島雅彦
デザインワークス
光元博行
糸島雅彦
撮影監督
野村隆
撮影
トムス・フォト
デジタル撮影
トムス・フォト
美術監督
渋谷幸弘
美術設定
光元博行
六本木和成
音楽監督
小林克良
音楽
大野克夫
音楽プロデューサー
堀尾裕樹
主題歌
B’z
伊織
音響効果
横山正和
編集
岡田輝満
アシスタント・プロデューサー
横山敬
制作デスク
大塚峰子
特殊効果
林好美
3D・CGアニメーション
西山仁
大西博
中小原明典
色彩設計
笠森美代子
色指定
菊地和子
長尾朱美
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映画レビュー

5.0 伏線とKIDが素晴らしかった

2026年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

幸せ

斬新

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たかあき

3.5 【72.2】名探偵コナン 世紀末の魔術師 映画レビュー

2026年5月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

シリーズ第3作目として、歴史ミステリーとキャラクター劇の融合が際立つ完成度。ロマノフ王朝の財宝を軸に、怪盗キッド、服部平次、灰原哀といった人気キャラクターを巧みに配置。物語の舞台を大阪、船上、古城と移しながら、流麗かつ緻密な構成力で観客を引き込む。大規模な爆破やアクションを抑え、謎解きと人間ドラマに重心を置く姿勢。派手さよりも、細部まで作り込まれた静謐な緊張感が魅力。監督は、こだま兼嗣。前作から続投。キャラクターの心理描写とサスペンス演出に長け、シリーズ初期ならではの「コナン=新一」への疑惑や、探偵と怪盗の絶妙な距離感を丁寧に描写。アニメならではの映像マジックと現実味のバランス感覚。大人も子供も惹きつける演出手腕。脚本は、古内一成。歴史的事実とフィクションの融合。ロマノフ王朝、ニコライ二世、ラスプーチンといった実在の人物や未解明の史実を大胆に物語へ取り込む。エッグの謎に象徴される「解いてはいけない謎」というテーマ性。犯人や怪盗キッドの正体が比較的分かりやすい構成だが、子供から大人まで楽しめる難易度設定。伏線の配置と回収も巧妙で、クライマックスのエッグの仕掛けや写真スライドの演出は、歴史と人間の哀しみを重ねる脚本の妙味。また、コナンと蘭の関係性、蘭の鋭い疑念、怪盗キッドとの駆け引きなど、キャラクター同士の緊張感を物語の推進力とする構成。推理の過程はややスピード感に欠けるが、歴史的背景とキャラクター心理が絡み合うことで、単なるトリック以上の深みを獲得。シリーズ初の歴史ミステリーとしての挑戦と、アニメ映画としての娯楽性の両立。映像は、当時としては高水準の作画。エッグの美しさ、炎上シーンの光と影の描写、古城の重厚感。大阪の実在建築物を忠実に再現し、舞台のリアリティを強化。キャラクターデザインが原作に近づき、以降の劇場版の基調を決定づける。映像マジックとしてのアニメ的表現力。美術・衣装は、ロマノフ王朝のエッグ、古城内部の細工、ロシアの工芸美術へのリスペクト。衣装や小道具のディテールにこだわり、時代背景を感じさせる美術設計。舞台となる大阪、船上、古城の空間演出も秀逸。歴史的モチーフと現代日本の融合。編集は、100分という尺の中で、序盤の大阪、船上のサスペンス、古城でのクライマックスまで、テンポよく場面転換。後半は洞窟内の探索がやや冗長だが、伏線回収やクライマックスの盛り上げ方で帳消し。緩急のバランスに優れる。音楽は、大野克夫による劇伴。主題歌はB’z「ONE」。サスペンスと哀愁を織り交ぜた楽曲構成。エッグの謎やクライマックスの感動を盛り上げる音楽。キャラクターの心情や歴史の重みを音で補完。シリーズ初の歴史ミステリー。キャラクター劇と謎解き、史実とフィクションの融合。脚本の構成力と映像表現の高さ。細部に宿る美術的こだわり。アニメ映画としての娯楽性と深みの両立。派手さは控えめだが、緻密に作り込まれた名作。シリーズの中でも屈指の完成度。
作品
監督 (作品の完成度) 101×0.715 72.2
①脚本、脚色 B6×7
④撮影、視覚効果 B8×1
⑤ 美術、衣装デザイン B8×1
⑥編集 +2
⑦作曲、歌曲 A9×1

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honey

3.5 備忘録ついで③/歴史と創作の狭間で

2026年4月29日
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泣ける

知的

現実の史実を織り交ぜた、インペリアルイースターエッグを巡る歴史ミステリー作品。
灰原、高木刑事、平次、和葉、鈴木史郎、茶木警視、中森警部、キッドが初登場。
歩美の母も初登場だが、この時点では原作で一回のみ、アニメでも顔が明かされていない。
序盤の大阪でのキッド襲撃、船上の殺人事件、横須賀でのフィナーレと、殺人事件が繰り広げられる範囲が大きい。
平次初出演作品だが、キッドがメインとなってしまっているためか平次は序盤の怪我で退場。
毎年恒例の「青山剛昌原画」が歴代最も早い作品。
キッドがコナンの正体を知った作品であり、原作においても通天閣にキッドが…と語られた。
博士のダジャレクイズが初出題された作品。
軽く流されているが、高木刑事の右目上の絆創膏は、キッドが右目を撃たれた件と併せたミスリード。
本作でキッドが初めて新一に変装した。何気にキッドは、原作で新一に変装した事が数回しかなく、映画では本作含め5回新一になっている。
歴代作品でも珍しく、史実に基づいた設定が主軸だが、後にマリアの遺体がロシアで発見された為、完全なフィクションとなってしまった。
インペリアルイースターエッグは実在したが、現在確認されているのは50個まで。
2018年に田中紀夫氏が逝去されたため、劇場作品では田中氏が演じた最後の茶木警視となる。(ただしアニメにおいても未だに登場回数が数える程しかなく、後任は決まっていない)

〜ここから感想〜
良かったポイント
キッド初登場映画。エッグを取り巻く三つ巴の攻防を描いた分かりやすい縮図が、内容の複雑さに反して見やすい作品。

悪かったポイント
光度計に夢を見すぎな気がする。何かにつけてカラクリの種は光度計だったが、あの微弱な光であの大きさを動かすのは無理。

史実に忠実な背景を持ちながら、キッドやコナンと言う非現実をいい塩梅で織り交ぜた素晴らしい作品
ぶっちゃけコナンじゃなくても成立しそうなほど物語として確立していて、起承転結の収まり方も文句のつけようが無い

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だい

4.0 タイトルに感嘆

2026年4月8日
PCから投稿

楽しい

ドキドキ

怪盗キットや服部あたりはうっすらわかるかも状態でアニメを離脱してたけど、それでも楽しめた。
映画特有!?なのかわからないけど、蘭がいっつもコナンに新一味を感じてて不憫。

エッグの仕掛けがいいもん見た感が凄かった。
キッドの善行がかっこよ。

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AJメモ

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