名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)

劇場公開日:2007年4月21日

解説・あらすじ

青山剛昌による原作コミックが少年サンデー史上最長の連載600回を突破し、テレビアニメも大人気の「名探偵コナン」劇場版第11弾。古代遺跡“海底宮殿”と女海賊が残した財宝の伝説が語り継がれる神海島へバカンスに訪れたコナンたち。彼らは宝を狙うトレジャーハンターの一行と遭遇するが、そのうちの1人が突然サメの群れに襲われて死亡してしまう。ハンターの死に事件性を感じたコナンは、灰原と共に捜査を開始する。

2007年製作/107分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2007年4月21日

スタッフ・声優・キャスト

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受賞歴

第31回 日本アカデミー賞(2008年)

受賞

優秀アニメーション作品賞  
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(C) 2007 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS

映画レビュー

3.5 【71.5】名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー) 映画レビュー

2026年5月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

本作は、劇場版コナンシリーズの中核をなす要素、すなわち謎解き、アクション、キャラクタードラマを高い水準で融合しつつ、海洋冒険という新たな舞台設定を巧みに取り込んだ意欲作である。しかし、その意欲が必ずしも盤石な完成度へと結実しているとは言い難い。特に、主要キャラクターである蘭と園子の関係性、そしてそれを取り巻く心理描写に深く踏み込もうとする試みは評価できるものの、物語全体のプロットと完全に調和しているとは言い難い部分が見受けられる。
蘭と園子の友情の深化は、これまでの劇場版ではあまり深く掘り下げられなかったテーマであり、その点では新鮮味がある。宝を探すというメインプロットに、二人の心の葛藤や絆の再確認というサブプロットを絡ませることで、単なる謎解きアクション映画に終わらない深みを与えようとした点は評価に値する。しかし、その描写が時に冗長に感じられ、物語のテンポを阻害する場面も散見される。特に、劇中での特定の行動や感情の起伏が、その後の展開に必然的に結びついているかというと、やや疑問符がつく箇所も存在する。最終的な結末におけるカタルシスも、二人の関係性の問題解決に起因するものではなく、あくまで事件の解決に主眼が置かれているため、テーマ性が十分に昇華されたとは言えない。結果として、二つのプロットラインが互いに高め合うというよりは、並行して進行し、最終的には別々に着地したような印象を受ける。全体の構成としては、エンターテインメント性とドラマ性の両立を試みながらも、そのバランスにおいて課題を残したと言えよう。
山本泰一郎監督の手腕は、本作においてもその真骨頂を発揮している。特にアクションシークエンスにおける演出は卓越しており、海中でのダイナミックな動きや、閉鎖空間における緊迫感の創出は流石の一言。水中でのアクションは、これまでのコナン映画にはなかった新たな挑戦であり、その描写は見事に成功している。カットの繋ぎやカメラワークも洗練されており、観客を飽きさせない工夫が随所に凝らされている。しかし、ドラマパート、特に蘭と園子の心理描写においては、その繊細さがアクション描写ほどのインパクトを持たず、やや平坦な印象を与える場面も存在した。演出の強弱がアクションに偏り、人間ドラマの部分で一歩踏み込みきれなかった感が否めない。
柏原寛司による脚本は、海洋冒険という舞台設定を活かし、財宝伝説と現代の犯罪を結びつける巧みなプロット構築が見られる。ユニークな設定と予測不能な展開は、観客の好奇心を刺激し、物語に引き込む力がある。しかし、前述の通り、蘭と園子の友情というテーマが物語の核に据えられながらも、その描写がやや表層的であった点は惜しい。彼女たちの内面の葛藤や成長が、事件の進行と密接に絡み合い、相互に影響し合うような構造であれば、より深い感動を呼び起こせたであろう。また、犯人の動機やトリックの構築においても、過去の劇場版と比較してやや既視感を覚える部分があり、新鮮味に欠ける印象を与えた。全体として、魅力的なアイデアを内包しつつも、それらを最大限に活かしきれなかった、あるいは消化しきれなかった点が課題として残る。
本作の映像は、その舞台設定を存分に活かした鮮やかな描写が特徴である。広大な海、神秘的な海底遺跡、そして古びた海賊船の内部など、多様なロケーションが緻密に描かれ、視覚的な魅力を高めている。特に、水中シーンの描写は秀逸で、光の差し込み方や魚たちの動きなど、細部にまでこだわりが見られる。色彩設計も適切で、物語のムードに合わせて暖色と寒色が巧みに使い分けられている。美術設定との連携もとれており、視覚的な情報が物語の世界観を構築する上で大きな役割を果たしている。
美術においては、物語の舞台となる神海島や海底宮殿のデザインが特に印象的である。海賊が残したとされる財宝の数々や、歴史を感じさせる遺物の描写は、ファンタジーとリアリティの境界線を行き来し、観客の想像力を掻き立てる。特に、沈没船や海底洞窟の描写は、そのディテールにおいて深いこだわりが感じられ、海洋冒険の雰囲気を十二分に醸し出している。衣装に関しては、キャラクターたちの日常着はこれまでと同様の安定したクオリティを保ちつつ、海を舞台とした物語に合わせて、コナンたちのダイビングスーツや海賊を思わせる装束など、テーマ性を反映したデザインが取り入れられている。全体的に、物語の世界観を補強する上で重要な役割を果たしている。
編集は、アクションシーンと日常シーンの緩急を巧みにつけ、観客を飽きさせないリズムを生み出している。特に、危機的状況におけるカットの切り替えはスピーディーで、緊迫感を高める効果を上げている。また、謎解きのヒントや伏線を効果的に提示するよう、情報提示のタイミングがよく計算されている。一方で、ドラマパートにおける一部のシーンでは、もう少し間合いを置いたり、感情の機微をより丁寧に描写するために、長めのカットを用いても良かったのではないかという印象も受ける。全体的には、劇場版コナンに求められるエンターテインメント性を確保するためのテンポの良い編集である。
大野克夫による音楽は、本作においてもその安定したクオリティを維持している。お馴染みのメインテーマは、物語の導入からクライマックスまで効果的に配置され、観客の期待感を高める。また、海洋冒険というテーマに合わせて、壮大で神秘的なオーケストラ曲が多数使用されており、海中の美しさや危険性を音楽的に表現している。アクションシーンでは、疾走感あふれる楽曲が映像とシンクロし、緊張感を盛り上げる。蘭と園子のドラマシーンにおいては、情感豊かなメロディが二人の心情に寄り添い、物語に深みを与えようと試みている。しかし、その音楽が物語全体を牽引するほどの強い個性や、記憶に残る新しいメロディを生み出したかというと、やや物足りなさを感じる部分もあった。既存のフォーマットの中で、安定した仕事を果たしたという評価に留まる。
作品
監督 (作品の完成度) 山本泰一郎 100×0.715 71.5
①脚本、脚色 原作 青山剛昌 脚本 柏原寛司 B6×7
②主演 B8×3
③助演(主演以外) B8×1
④撮影、視覚効果 A9×1
⑤ 美術、衣装デザイン B8×1
⑥編集 岡田輝満
⑦作曲、歌曲 音楽 大野克夫 主題歌
愛内里菜 三枝夕夏A9×1

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honey

2.0 備忘録ついで⑪/祭りの後の静寂

2026年4月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

世紀末の魔術師に次ぐ、現実の史実に基づいた作品。しかしアンが日本周辺に来た記録などはなく、宝の地図云々は完全にフィクション。
コナンではありがちな、孤島での密室事件。しかし映画では、全編孤島での密室事件は現在この作品のみ。
実在したアン・ボニー、メアリ・リードと言う二人の女海賊の秘宝が眠っているとされる神海島と言う架空の島で発生した殺人事件をめぐるミステリー。
後のコラボにおける、佐藤刑事の初恋の相手がルパンは、本作が元。
本作の作画監督を務めている須藤昌朋氏は、ルパン作品を数作手掛けている。
冒頭の新聞紹介シーンが無く、物語を背景に新一、コナンの一人語りで自己紹介、キャラ紹介を行っている。
またそのキャラ紹介の流れで、劇場作品では初めて園子が紹介された。

〜ここから感想〜
良かったポイント
実在した海賊の幻の秘宝と絡めたのは良い。実際ありそうかも?とみている側をワクワクさせる。

悪かったポイント
全体的な流れに無理がありすぎる。誰も解いていない謎…?
数字を英語にしただけのなぞなぞを?ってか宝の地図云々よりそもそも地下にメタンハイドレートがあるの分かっているなら船も見つかってるだろ。
3作目でも同じ事だったが、地下の扉の仕掛けはどう言う原理だったのか。

劇場版コナン史上、「これは酷い」と思った最初の作品
コンセプトありきの筋書きにしたせいか
二人の女海賊
海賊の宝
絶海の孤島と海底遺跡
みたいな、それぞれの素材の主張が激しく、事件を絡めた全体のお話しが成立しておらず、「美味いものを全部入れた闇鍋」状態になっている
そもそも論になるが、この映画からコナン要素を差っ引くと、1本のオリジナル映画としては成立したかも?

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だい

1.5 棺、お前がナンバーワンだ!

2026年4月19日
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俺のメロディ

2.5 この脚本家は、ルッキズム過剰すぎ

2025年7月1日
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単純

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りゅうとりあ

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