劇場公開日 2026年9月25日

「深みを増したブラッド・ピットの境地を浴びる」ハート・オブ・ビースト 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 深みを増したブラッド・ピットの境地を浴びる

2026年9月28日
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鑑賞方法:映画館

どんな名優も子供と動物には勝てないと言われるが、本作は主演の二者が見事な化学反応を見せる。いやむしろオーディンの助けを借りてブラピの演技が別次元に達していると言うべきか。思えば、同世代のトム・クルーズがどんな役でも自分に引き寄せて体現するのに比べ、ブラピはどんな役でも自分の間合いで飄々と入り込んでいくタイプ。ならば今回の大自然に身を晒す映画はうってつけに思えるが、本作は単なるサバイバル映画の範疇にとどまらない。戦場の地獄を味わったバディが回復の途上でさらなる試練に晒されるのと同時に、これは一人の男の生き様を一週間に集約させた作品。その意味では、ブラピの師ともいうべきロバート・レッドフォードが過酷な状況と相まみえた『オール・イズ・ロスト』をも彷彿とさせる。レッドフォードが亡くなって丸一年。ブラピがこれほど雑味を削ぎ落とし、魂をむき出しにした映画を世に放つことそのものが興味深く思えてならない。

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牛津厚信