ハワの手習い

劇場公開日:2026年8月1日

解説・あらすじ

アフガニスタン出身の女性ジャーナリスト、ナジーバ・ヌーリが監督を務め、幼少時に教育の機会を奪われ13歳で結婚させられた母ハワにカメラを向けたドキュメンタリー。

アフガニスタンの首都カーブルで、30歳上の認知症の夫を世話しながら暮らすハワ。結婚を強いられたときハワはまだ13歳で、父は幼い彼女を教育から遠ざけ、母は出産について何も助言してくれなかった。6人の子を産んだ彼女は、娘たちが同じ道に進まぬよう教育の機会を与え、次女ナジーバはジャーナリストとして自立した生活を送っている。母の味方になることを決意したナジーバは彼女にカメラを向け、夫の愚痴や秘密の恋、そして“やってみたかったこと”について話を聞く。ハワは民族手芸の商売と読み書きの学習を始めるが、ささやかな夢が動き出した矢先、長女の元夫と暮らす孫娘ザハラーが支配的な父のもとから逃れてくる。孫娘を引き取り一緒に読み書きを学ぶハワだったが、タリバンによる襲撃と占領は日ごとに進み、ザハラーと彼女を匿う家族にも命の危険が迫る。2021年8月にタリバンが復権すると、報道の自由を封殺する動きが強まり、ナジーバは兄アリーにカメラを託して母国を後にする。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2025にて市民賞を受賞したほか、世界各地の映画祭で多数の賞を受賞した。

2024年製作/85分/G/フランス・オランダ・カタール・アフガニスタン合作
原題または英題:Writing Hawa
配給:東風
劇場公開日:2026年8月1日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

映画レビュー

4.0 10代前半での強制的な結婚と理不尽な家父長制、教育へのアクセス制限...

2026年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

10代前半での強制的な結婚と理不尽な家父長制、教育へのアクセス制限など、従来より女性が被ってきた理不尽な制度や習慣に加え、2021年のタリバン政権による政権掌握以降はあっという間に残虐的な暴力がまん延し、変ってゆく社会とは対照的に、監督のお母さんである、もともとは無学だったハワが読み書きを習得し、刺繍製品を販売し収益を得ることで自立しようとする姿に心を打たれる。
同時に、ここ日本にいては想像もつかない抑圧的な社会が実際に存在することに愕然とし、苦しい気持ちにさせられる。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
シラモリジャバテ

4.0 ハワさんの存在感

2026年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

いろんな辛酸をなめてきた人生だからか、ちょっとしたことでは動じない感じが、肝っ玉母さんっぽいハワさん。旦那さんには不満があるものの、子どもたちはハワさんの教育が良かったのか、いい感じに育っています。
ハワさん自身も、仕事を立ち上げ、読み書きを改めて習おうと、新たな道を進もうとしたところ、アフガニスタンからアメリカ軍が撤退し、またタリバンによる政府が立ち上がり、そんなハワさんでさえ耐えられない状況に。せっかく落ち着いてきたのに、またちゃぶ台返しされた感じ。
ドキュメンタリー映画なんですが、あまりにもハワさんがドッシリした感じで自然なので、プロの俳優さんかと思う感じです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
豊島区のはずれ

5.0 やはりタリバンは…

2026年8月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

何の思想的背景も持たないごく市井のアフガニスタン市民の生活がタリバンによって破壊されていく様子をハワと言う女性(母親)を娘がドキュメンタリーとして描きながら、想像もしていなかったタリバンによりアフガニスタン社会が奈落の底に突き落とされる様子を描く作品になってしまった。そもそもは、13歳で30歳年上の男と結婚させられた母親を対象にしたドキュメンタリー作品が、図らずもタリバン支配の実態を描く作品になってしまった。なので、私も当初の期待とは全く異なる展開に目を奪われながら且つ目を離せなくなってしまった。全ての日本人が本作を観て何かを感じて欲しいと思います。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Cabe

4.5 中村哲先生の活躍を思い出しながらアフガニスタンに住む人を想う

2026年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最後は「難民」とはなんだろうと考えさせられた
彼らは普通に生きていたいだけだ
我々と大きく価値観が違うわけではない
年老いた親の問題、愚かな親や風習に悩み苦しむ女性たち
学びたいと願う純粋な心、夢をかなえたいと思う心を持っているだけだ
画面から伝わるリアルさは、それを静かにつきつける
「無知でバカな男たち」と吐き捨てる、バイタリティあるお母さんの言葉が
すべてを言い現わしている
2020年前後、アフガニスタンが再びタリバンの支配下に置かれるかもしれない
そんなニュースを当時見聞きしていたことを思い出しながら見た
当時の日本でも、タリバンが復権したら学校で学べなくなる
自由が失われるという懸念を国際ニュース越しで見ていた
大国の都合で、もうアフガニスタンを見捨てる決断をする過程は
詳しく状況を知らない私でも、暗い気持ちになったことを思い出す
アフガニスタンという国名は、ランボーの映画で最初に知ったかもしれないが
興味を持って意識したきっかけは、医師、中村哲先生の現地での
献身的な活動をニュースや本で読んだことだ
先生が、「国が貧しいから争いが起きるのだ、豊かな国にして
争いをなくしたい」、とおっしゃって医師としての救済と並行して
砂漠を森に、畑に変える事業を自費を投げうって何年も行っていたことを知る
そして、アフガニスタンの人々から「先生」と慕われていた彼は
ちょうど映画で記録されているあの時期に、タリバンの「無知でバカな男たち」に
殺害されてしまった
中村先生でさえ、あなた方のために生きた先生さえ殺してしまう無知でバカな男たちに
彼女たちが抗えるわけもなく、映画の中では重苦しいリアルに包まれていく
それ現実だ
日本国内でも難民、移民というキーワードをよく聞くようになった
これらの言葉は決してポジティブな意味を持たせられていない
日本のニュースでは彼らは「悪」であるという立ち位置で描かれがちだが
この映画を見た後も、ほんとうにそんな短絡的な答えでいいのだろうかと
考えずにはいられなかった

8月15日から公開の「撃たれた自由の声を撮れ」も見に行こう

コメントする (0件)
共感した! 0件)
椿六十郎