ヒトラーの毒見役のレビュー・感想・評価
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ヒトラーの横暴を新たな側面から描いたフィクション
物語の看板である毒見の食卓の様子をつぶさに描くとともに、次第に敗戦の気配が濃厚になってゆく当時のドイツにおける国民やドイツ軍SSの間の雰囲気の変化を浮き彫りにする作品でもある。
「食べて死ぬか、撃たれて死ぬか」(公式キャッチフレーズ)の毒見というと地獄のような食卓の雰囲気を想像する。実際、ローザたちは狼の巣に強制的に連れてこられた当初は恐怖におののきながら食事を口にしていた。
ところが無事な日が重なるにつれ、料理人と雑談するなど、緊張が緩和される瞬間も見られるようになる。絶え間ない恐怖に晒されないための、心理的な防御反応なのだろうか。
毒見の食事が仕事として日常に根付くにつれ、同僚である彼女たちの間に交流も生まれてゆく。
中でも、ローザと最後まで行動を共にするエルフリードは魅力的なキャラクターだった。クールで涼しげな眼差しの彼女が、最初ローザに対してつっけんどんな感じだったのが、だんだん心を開いてゆく感じがいい。
終盤、ローザが彼女の本当の身の上を知っても離れられず、危険を犯してまで助けようとする気持ちがよくわかった。
一方、ローザがアルベルトと逢瀬を重ねるくだりは、ほとんど共感できなかった。夜中に彼女の義実家の庭先で2人が初めて抱擁を交わす時、正直暗くて相手が誰だかわからなくて、誰だよと思っているうちにものの数秒でことを致していたので、あれ? もしや行方不明だった旦那さんが戻ってきたの? などと頓珍漢なことを考えたりしていた(笑)。
これは、死を身近に感じて生への欲望が強まっている表現ということだろうか。理屈ではわかるが、義実家の納屋でW不倫という言葉にすれば身も蓋もないシチュエーションの方が、野暮な私は気になってしまった。とても親切な義父母なのに不義理だなあと……すみません。
原作では夫への罪悪感など、もっと細やかな心理描写がなされているらしいが、映画ではその辺が少し簡略化され過ぎたのではないだろうか。
元になった実話はどうだったのか調べたら、ローザのモデルであるマルゴット・ヴェルクのインタビュー記事が見つかった。
記事によると、映画の後半にもあった泊まりがけで毒見の仕事をするようになってから、彼女は宿舎に忍び込んできたSSにレイプされたのだという。その後ソ連軍が狼の巣に迫った時、ドイツ軍中尉が彼女たちを解放した。
彼女が自らの実家に戻ると、今度はソ連軍の兵士に捕まってレイプされ、子供が産めない体になってしまったとのこと。
終戦後、1946年に夫と再会し、30年以上幸せな夫婦生活を送ったそうだ。
SSからレイプ被害を受けたという女性の話が、フィクションの題材になった結果あのようにアレンジされていると考えると、ちょっと複雑な気分になった。
ラストで、ローザが守ろうとしたエルフリードはSSによって射殺される。マルゴットの証言には彼女に該当する人物は登場しないので、エルフリードにまつわるエピソードは原作者ロッセラ・ポストリノの創作と思われる。
マルゴットが戦後再会した中尉から聞いたところでは、彼女以外の毒見役は皆ソ連兵に撃ち殺されたそうだ。
そもそも素材となった実話自体、全てがマルゴット1人の証言頼みであることを念頭に置く必要があるが、ドイツ人の間でもヒトラーへの信心にばらつきがあるところや、命懸けの毒見とはいえ毎日のことで滅多に「当たり」もないとなると徐々に緊張感が薄れてゆく、言い換えればメンタルを守るための正常性バイアスのようなものが働き始める様子などは、まあ人間こういうものだよなと、妙にリアリティがあった。
一風変わった緊張感がある
2012年、当時95歳だったドイツ人女性がメディアに語った証言が元々あり、それを小説化したものがこの映画の原作にあたる。舞台はベルリンから遠く離れた東プロイセン。ここにヒトラーが滞在する「狼の巣」と呼ばれる司令部があり、総統に提供される豪勢なベジタリアン料理の毒見役として、複数人の女性たちが雇われていたという。証言者は既に亡くなり、歴史的な確証が得られているわけではないようなので注意が必要だが、少なくとも劇映画としては一風変わったロシアンルーレットにも似た緊張感がある。ここで日々、手狭な部屋で白い食卓を囲んで命がけの任務に従事させられた人々の姿には、戦場で飢えや爆撃にさらされる市民とは違った特殊なドラマ性を感じる。彼女たちの間で結ばれゆく絆や休憩中に交わされる会話も独特だ。戦争を生き抜こうとする女性たちの視点と状況、さらには本作がイタリア制作(言語はドイツ語)というところも興味深く観た。
脚本が弱いかな?
1943年11月ヒロイン・ローザが空腹による困憊状態で、東プロイセン(今はポーランドに併合されてる辺り)夫の実家に疎開してくる。戦地にいる夫・グレゴールの帰りを共にを待つために
田舎なのでベルリンより食物はあるが、食糧の殆どを軍に供出したせいで、義理の両親と粗末な食卓を囲む日々…
突然軍隊が訪ねてきて、ローザは問答無用でトラックに乗せられる。既に同じような年代の女性たちが、誰もが怯えた顔で乗せられている
健康診断を受けた後、女性たちはヒトラーに供せられる昼と夜のコース料理のパートごとを、毒見役として食べることを月200マルクで強制される
はじめは一匙一匙を怯えて食べていた女性たちも、次第に慣れてくるが、例えばヒトラーの食事の豪華ぶりを描写するようなシーンもない
次第に彼女たちは打ち解けてくる。未婚女性か未亡人が多い中、既婚者でベルリン出身で服のセンスも垢抜けているローザへの憧れを語る女性もいる
カードで占いに興じたり、早く帰れる日は互いの家に遊びに行ったりして、戦時下でのシスターフッドが描かれる
妊娠中絶が重罪だった時代、未亡人のひとりに中絶処置するシーンもある
押し出しのいい特殊部隊(ゾンダーコマンド)の中尉が赴任、その男性に無理に言い寄られるのかと思ったら、ヒロイン自ら望んで不倫関係に陥る(笑)
(馬小屋で二人で過ごした翌朝、朝の食卓で義母に思いのほか優しくされて、ドギマギしてるヒロインの表情が良かった)
ローザたちが(毒で?)倒れたのに、何の手当てもされずに放置されたことで、中尉とローザの関係が絶たれるのかと思いきや、意外と長続きしたり
終盤、女学生のように一気に親密になった、女性が実はユダヤ人で、ラストで彼女を逃がすために一騒動ある
このユダヤ人エピソードは唐突に出現して、ナチス・ドイツがテーマの映画に於いては鉄板エピソードだが、何だかなぁという感じ
そもそも2012年に95歳で亡くなった女性が、そういう仕事をさせられたと語ったことから発想して書かれた小説がベースなので、フィクションとノンフィクションが曖昧で、また何を主眼にしたいのか映画も軸がブレているように感じる
戦時下でも豪華な料理をヒトラーは食していたことを描きたかったのか
(女性たちが食べるメニューについてシェフが解説する場面がしばしばあるが、もうちょっと料理の描写を見たかった)
それなりに仲良くしてるようでも、緊急事態になると人に銃を突きつけてくるような軍人の非情さを描きたかったのか
銃後の暮らしでも、女性たちが交流したことを描きたかったのか
身分を偽って、ユダヤ人がその中に潜伏していたことを描きたかったのか
ヒトラーに心酔する者、夫を兵隊に取られて子沢山で生活に労する者など、もう少しキャラクターを書き分けて、群像劇として成立させるとか色々アプローチはあると思うが…
ラスト、ローザはベルリン行きの最終列車に乗せられるが、たどり着いたところで、ベルリンはソ連軍の攻撃を受けて市民を巻き添えにした最終決戦が繰り広げられるので、決して未来は明るくない
こういう市民の暮らしが、いつの世も続くんだなと鑑賞
【スタッフロール後に特段の映像無し】
緊張感が伝わってこない
さすがに食事のシーンには緊張感がありましたが、それ以外の場面では、ほとんど緊張感が伝わってきませんでした。食事を監視する兵士も毒見役も同じドイツ人だからなのかもしれませんが、食事以外では兵士と毒見役が煙草を吸いながら雑談をしたり、男女の関係になったり、妊娠したりと、とても戦時中、それもヒトラーのお膝元とは思えないほど、全体的に緩い雰囲気の作品でした。
また、本作を観る限り毒見役が死んでしまうような事はなく、毒見役とはいっても、ヒトラーの毒殺を防ぐことよりも、食中毒を防ぐことに重点が置かれているように見えました。さらに、似たような場面が何度も繰り返されるため、正直なところ退屈な作品です。
毒見役だった本人には失礼かもしれませんが、ヒトラーの毒見役の存在が戦後67年もの間、世の中に知られなかったのは、そもそも史実として広く語り継がれるほどの出来事ではなかったからではないかと思いました。
肩透かし
邦題や予告編から、いつ毒が混入されるかの恐怖と緊張感でドラマが作られるのかと思いきや、肩透かをし喰らったような気分に。
蜂蜜に混入した花粉からの食中毒と、毒に当たるかもとヒステリーを起こした女性をナチ兵が銃で脅すくらいしか、食事に関するピンチらしいピンチの場面がなかった。
幸薄そうな主婦である主人公女性が、人間関係と時代に振り回されながら、強(したた)かに生き延びようと足掻くのが話の軸なのかも、とは(最大限善意で接したら)類推するが……
とにかく、原作小説はモデルの女性亡くなる寸前に語ったいくつかの話を基にしたフィクションのようで、映画も断片的エピソードを繋げた構成だったため、何を伝えたいのかがわからなかった。
小ネタ(ミニエピソード)一つ一つは興味深いのだが、ドラマとして考えたらブレまくって繋がりがなく、あまり盛り上がりがないのが難。
史実に着想を得たメロドラマとして見たとしても、投げっぱなしと想像に委ねるシーンが多かったように感じた
2026.8.6 字幕 アップリンク京都
2025年のドイツ&ベルギー&スイス合作の映画(123分、PG 12)
原作はロッセラ・ポストリーノの小説『Le assaggiatrici』
ヒトラーの食事の毒見役をさせられた女性と親衛隊将校との関係を描いたスリラー映画
監督はシルヴィオ・ソルディーニ
脚本はドリアーナ・レオンデフ&シルヴィオ・ソルディーニ&ルチオ・リッカ&クリスチナ・コメンチーニ&イラリア・マッキア
原題は『Le assaggiatrici』で「毒見役の女性たち」、英題は『The Taster』で「味見をする人」という意味
物語の舞台は、1943年11月の東プロイセン・パルチュ
夫グレゴール(Niclas Handwerker)からの伝言により、ベルリンを離れて彼の実家に向かったローザ(エリーザ・シュロット)は、しばらくの間、義父ヨセフ(ヨルゲン・ウィンク)と義母ヘルタ(エスター・ジェメシュ)の世話になることになった
だが、到着の翌日にナチスの親衛隊が彼女の元を訪れ、有無を言わさずに、ある屋敷に連れてこられた
ローザの他には、おしゃべりなレニ(エマ・ファルク)、ローザを敵視するアウグスティーヌ(テア・ラッシュ)、ローザを気にかけるエルフリード(アルマ・ハスーン)、自由気ままな感じのウルラ(ベリット・バンダー)、ナチスを心酔しているサビーネ(クリームヒルト・ハーマン)、ローザと夫同士が同じ隊にいるハイケ(オルガ・フォン・ラックバルト)の6人の若い女性が集められていた
そして、彼女たちは指定された椅子に座り、指定された食事を摂るように言われる
食糧難に陥っているパルチュではこのような豪華な食事をできる者はおらず、垂涎とともに食事をすることになった
だが、食事を終えても解放されず、そのまま1時間座っていろと言われてしまう
そして、料理人のクルメル(ボリス・アルジノヴィック)は「料理に毒が入っていないかを調べている」と言い、これらの食事はヒトラーに献上する食事だったことが告げられるのである
映画は、毒見役に関するドキュメンタリーっぽい内容のように思えるのだが、実質的にはメロドラマの様相を呈していて、夫がロシアで行方不明になったと知ったローザが、その場所に赴任してきたツィーグラー中尉(マックス・リーメルト)とW不倫関係に陥る様子が描かれていく
ツィーグラーは気の強いローザを気に入った様子で、彼女の家にまで出向いて、ライトで合図をしたりしてくる
ローザもまんざらではない感じになっていき、おめかしをして「納屋で情事に耽る」という関係性になっていく
その逢瀬は秘匿のこととして続いていくのだが、ローザを含む3名がハチミツに入っていた毒に当たってしまったことで終局へと向かっていく
さらに、ヒトラーの暗殺未遂事件が起こり、アメリカがフランスに上陸したニュースなどが飛び込んでくる中、親衛隊たちは本営基地を畳んで逃げることになった
ローザはツィーグラーに迫り、逃げるために融通を効かせるように仕向け、ようやくベルリン行きの列車に乗ることが許された
だが、そこで悲劇が起こってしまうのである
毒見の話は序盤で中心視されるものの、中盤あたりから緊張感はほぼ無くなってきて、油断したところに「ハチミツ毒事件」が勃発する
緊張と弛緩をうまく使っている感じで、まったりしてきたところにいきなりドカン!と来る感じになっていた
だが、基本的はメロドラマの域を出ていないので、後半はローザとツィーグラーがどうなるのか、と言う流れになってしまう
ツィーグラーが彼女を優遇しようとしても、ユダヤ人で堕胎幇助のエルフリードを助けようとして危険な目に遭っていくローザの行動の起点がよくわからない感じになっていた
彼女自身はツィーグラーが行ってきたことの詳細は知らないままだと思うが、あの地を去ることになったきっかけと言うのも「ナチスやばい(負けそう)」なのか、「納屋で親衛隊とヤッたのがバレたから居づらくなった」のかもわかりにくい
義母には行為はバレていたようだが、どうしてバレたのかは描かれない
また、エルフリードがユダヤ人だったと言うことも察してねレベルの描写になっているし、ツィーグラーが関わってきた強制連行に関しても言葉を濁したまま終わっていく
歴史を知る人が見ればどのような立ち位置にいたのかはわかるのだが、強制連行で精神を病んだツィーグラーと、生き延びるために親衛隊と関係を持ったローザと言う組み合わせでは感情が動きようもない
結局のところ、毒では誰も死なないし、毒が盛られたこともなく、それ以外の要素で危険が差し迫っている感じになっている
エリフリードも同胞から情報を得てきたと思うのだが、彼女がどうして逮捕される身になったのかもどっちつかずだったりする
おそらくはサビーヌの告発(なぜ彼女が知っているのかは不明だが、おそらくスパイ的なことをしていたと思う)を受けてエルフリードを調べたらユダヤ人と分かったみたいな流れなのだが、このあたりもどうやってバレたのかはわからない
ある程度、想像で補完するしかないのだが、これらのエピソードも含めて、実際に毒見役として告発をしたマーゴットがこのようなことを行ってきたと言うのもフィクション度が増しているなあ、と思った
いずれにせよ、原作となる小説は「新聞のインタビュー記事に着想を得たフィクション」であり、原作者は告発者と会って話したこともないと言う
また、彼女たちのような毒見役がいたのかどうかを示す証拠のようなものはなく、懐疑的に見ている研究者も多い
ヒトラーの毒見役をしたと言う女性がどうやって「ただ1人生き残ったのか」と言う謎に迫る感じにも思えるのだが、この内容で「そうだったのか!」と納得する人も少ないように思える
結局のところ、ローザに一目惚れをしたツィーグラーが越権行為を行いまくって彼女を助けたと言う流れになるのだが、ここまでして彼女を救おうとした心情も理解不能だった
おそらくは、特殊作戦における精神の疲弊をローザの存在によって救われた的なものだと思うのだが、この秘匿が毒見役たちにバレなかったことの方がミステリーだったりする
そう言った意味において、物語のミステリー部分が曖昧なまま終わってしまったように思えたので、かなり不完全燃焼な内容だったなあ、と思った
毒味役はオマケ
極限状況に置かれた女性たちの人間模様
珍しく友人と連れ立って鑑賞。原作は未読。友人曰く「ナチス関連映画は年に数本はありそう」とのこと。確かにここ10年の記録を見ると、年に一度はナチス関連映画を観ている。大雑把にジャンル分けすれば、(1)戦争もの、(2)秘史・陰謀もの、(3)ヒューマンドラマ、といったところか。あらすじを読む限り、本作は(2)と(3)のハイブリッドだろうと予想していた。
鑑賞後に思ったのは、重厚なヒューマンドラマとは少し趣が違うということ。昔でいう「お昼の連続ドラマ」をギュッと圧縮したような内容。ヒトラーに毒見役がいたという知られざる歴史を掘り下げるというより、そこに関わった女性たちの人間模様を描くことに主眼を置いた物語だ。
少し退屈するかもしれないという予断に反して、123分という短くはない尺を中だるみさせることなく見せる手腕は良いと思った。独裁者の悪虐ぶりを声高に告発するのではなく、冷静かつ淡々とした視線で物語を進めていくからかもしれない。
ナチスの告発や、ドラマチックな展開を期待すると、少し肩透かしを食うかもしれない。極限状況に置かれた女性たちの人間模様に興味がある人向けの映画と言えるだろう。
私はダメ・・
Tarte
ヒトラー周りで毎年映画が作られるの、改めて凄すぎるなぁなんて思いながら鑑賞。
ヒトラーの食事前に毒味をしていた女性たちがいたというのを明かした女性の証言を元に作られた作品という事ですが、証言が僅かにしかないのでフィクションノンフィクション半々だろうなと思って観ましたが、一般人視点でヒトラーの恐ろしさを描くという点ではかなり珍しい1本になっていたなと思いました。
突然施設に連れて行かれて毒味しろって言われて、恫喝もされてととにかく女性たちが辛そうなのがヒシヒシと伝わってくるんですが、女性たちを入れ替えたりせずに7人に固執しすぎじゃない?と思いましたし、インフルエンザかかったかもーなら一回隔離すべきじゃない?とか時代によって色々変わるとは思いますが、かなりプライドの高さが感じられるシーンが多かったです。
地味に食事シーンで料理長が作ってるんだからそんな簡単に毒なんか入らんくない?と思っていたので色々と不思議でしたし、1回だけ嘔吐したのが食中毒なんかいというツッコミもありました。
結局毒が入っているシーンも無かったので、スリル満点のゴチを観ているかのようでした。
主人公と中尉とのセックスもあるんですが、お互い口寂しいところもあったんだろうなとは思ったんですが、なんかやたら多いのでもういいよ…と何度も思いました。
別にそこ目当てで観に来たわけではないですし…。
中絶が禁止されていたであろう時代を加味しても終盤の加速っぷりや、ヒトラーの行方なんかもありつつ、少しごちゃっとしてしまっていたなとも思いました。
終わり方もとてもビターな終わり方なのでスッキリはしませんが、当時生きていた人々だってスッキリはしていなかったと思いますし、まぁこの着地は無難だけど仕方ないよなと思いました。
映画としてはあまり楽しめませんでしたが、アンビリーバボーとかでやったら面白くなりそうだなと思いました。
鑑賞日 8/4
鑑賞時間 9:30〜11:34
ヒトラーvsマーベル
暗殺者は蜂
数あるヒトラー映画の中でも珍しい切り口に興味を惹かれ、鑑賞。
ベルリンから逃れてきた主人公のローザは、到着早々に毒見役として引き立てられる。
疑いなくニヤニヤしながらがっつくレニ。笑
食糧難の中、豪華な食事を得られる反面、それは命懸けで…というのは面白い。
でもこれ、毎回7人も要る?
事実と言われたら何も言えないが、半分に分けた方がリスクもコストも減らせると思うのだが。
これも言ったらキリがないけど、遅効性の対策は1時間だけで、じわじわ蝕む系は想定ナシ。
彼女たちによそった後の混入への対策は?
とはいえ、最初は沈黙しかなかった様子見の1時間の変化は興味深い。
毒見役同士の絆も生まれ、シェフとも雑談をするようになり、兵士とも懇ろになる。
そこから妊娠・中絶などよく分からない方向に転がり、ようやく毒が、と思ったら犯人は蜂?
爆破事件も起こるが、終盤はあまり毒見が関係ない。
妙に恋愛脳な情けない中尉との不倫も、打算であればまだよかったんだけど…
最後は唐突なカミングアウトからエルフリードが兵士に追われる展開。
原因が身バレなのか中絶なのかよく分からん。
どうやって納屋で兵士をスルーしたのかも判然とせず、汽車のチェックはあまりにザル。
結局は毒見が主題ではなく、その役目を負った女性たちの話だったかな。
でも、序盤のキャラ付けが弱かったのもあり、最後まで顔と名前が一致しなかったのが残念。
中弛みも強かったし、最後もとりあえず悲劇で締めという感じで、全体的にボヤケた印象でした。
なんだかなあ
毒見役という、生死共同体になった戦時下のドイツ人女性たちの、平時の常識や倫理観を許さない世界の悲劇
「捕食者」と「草食獣」
2012年に当時95歳の女性が
衝撃の告白をしたことで初めて公になった事実。
ただ、どこまで信じればいいかは謎。
生きるために食べるはずの楽しい食事が
死ぬかもしれないという恐怖に変わる。
食卓という身近な場所を舞台にした
非常に緊迫感のあるヒューマンドラマ。
観る前は、毒味を繰り返すうちに
ひとり、またひとりと…っていう展開なのかな?と、
思っていたけど違いました。
この作品は食べるという日常的な行為を
通して戦争が人間の尊厳をどこまで
奪うのかを描いていて、男女関係もエグい。
飢えに苦しむ戦時下において
同じ地獄を共有する女性たちの間に、
美しい連帯だけが生まれるわけではないのがリアル。
明日は我が身という極限状態だからこそ
嫉妬、密告、保身が渦巻くという現実。
生き残るために誰もが小さな加害者に
なり得る人間のエゴが生々しかったです。
夜に戻ってくる列車の音から声には出さなくとも
彼女たちの恐怖心が痛いほど伝わってきました。
ドイツ
豪華な食卓に潜む死の恐怖。欲望と権力に揺れる「女性たちの戦争」を描いた異色作
「ヒトラーの毒見役」という強烈な実話に基づく本作。最高級の料理を口に運ぶたび「これが最後の食事になるかもしれない」という緊張感が漂い、極限状態に置かれた女性たちの心理がヒリヒリと伝わってきます。日本の戦時下を描いた作品のような食糧難とは対照的に、「豊かさと死が同じ皿に載っている」という強烈な皮肉が強く印象に残りました。
彩度を抑えたクラシカルな映像美や冷ややかな弦楽器の劇伴が見事に緊張感を高める一方、中盤以降は将校との関係や人間模様へと焦点を広げるため、純粋なサスペンスとしてのテンポ感にはやや好みが分かれるかもしれません。しかし、単なる被害者にとどまらず、権力や欲望の間で揺れ動く主人公ローザの複雑な人間らしさは実に味わい深いです。
日常の延長で命と身体を支配されていく不気味さ。歴史の陰に隠された「女性にとっての戦争」を静かに、しかし重厚に突きつけてくる一作です。
なんと申してよいやら
妻とみて、二人とも思ったことの一つに「毒見役がなぜ女性だけなの?ということ」がありました。何かあったら戦力が減るから、女性にということかな、と一応の結論は出ましたが。
トークショー付きの回でしたので、鑑賞後に色々分かって良かったこともあり、そもそもドイツでナチスに触れることがシビアな中、非独資本による制作された映画。多少の盛りはあるものの、女性側からの視点という意味ではよく描かれている、とコメンタリーの方は仰ってました。一見、戦争の犠牲者的な扱いだけど、実は彼女らも加担していた側である、という厳しいまとめをされていました。
知らないうちに、では済まされないことですよ、と。淡々と描かれた映像は、時間なのでという感じに終了しました。世の中から戦争をなくすには、どうしたら良いのでしょうか?
あと、男は単純、女は強かという場面もあり、戦争と繁殖?が並行して描かれてるとしたら、どちらにも終わりはないのですよ、人間だものと言われてるようで、笑って良いやら良くないやら。
コメンタリーの方のお勧め「白パンと独裁者」も観てみたくなりました。同館上映予定です。
ハチミツ二郎はお笑い芸人
東プロイセンのグロス・パルチュ近くのナチスの施設で、ヒトラーの毒見役をさせられることになった女性と仲間たちの話。
1943年11月、パルチュにある出征した夫の実家にベルリンから主人公がやって来て、仕事を探さなきゃ…なんて言っていたらナチスに連行されて、検診を受けさせられて食事を出されて…と始まって行く。
どこまでが事実に基づいているのかわからないけれど、7人の女性たちが送迎付きで朝、夕食の毒見をして月に200マルク、ヒトラーが、出かけてる間は仕事は休みという待遇で働く様子をみせて行く…のかと思ったら、中尉の登場あたりから、えっ?そういう話し?
一応毒見役の仕事の意義を見せる部分もあるにはあるけれどほぼどうでも良くて、夫が出征していたり、戦死していたり、男がいなくて恋愛相手が見つからなかったり、という様な状況で国に残っている女性たちをみせるお話しですか…。
中盤までの納屋でのグズグズはだるかったけれど、一応話しとしてムダ彈では無かったし、そこと繋げる?という終盤からオチへの展開の無理やりさはあったけれど、なかなか面白かった。
全42件中、1~20件目を表示
















