the moment ザ・モーメント

劇場公開日:2026年6月5日

解説・あらすじ

世界的ミュージシャンのチャーリー・XCXの発案で、本人が主演を務め、トップスターと業界人たちが巻き起こす波乱に満ちたショービジネスの裏側を描いた作品。

2024年、アルバム「brat(ブラット)」で世界を熱狂させ、「ブラット・サマー」と呼ばれる社会現象を巻き起こして一躍時代のアイコンとなったポップスターのチャーリー・XCX。大胆で媚びない彼女は、日々自分らしさを追い求めていた。しかし、音楽レーベルやマネージャー、SNS担当者は「ブラット・サマー・フォーエバー」を合言葉に、ムーブメントを無理やり延命させようとし、Amazonの出資も背景にライブ演出やプロモーションへ介入。チャーリーをベタベタなスター像へと押し込めていく。多忙を極めたチャーリーは、ライブまであと数日というタイミングでイビサ島へバカンスに出てしまい、現場は混乱を極めていく。

監督はビリー・アイリッシュなどのミュージックビデオを手がけるエイダン・ザミリ。共演にはアレクサンダー・スカルスガルド、ロザンナ・アークエット、カイリー・ジェンナーらが名を連ねる。

2026年製作/103分/G/アメリカ
原題または英題:The Moment
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2026年6月5日

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映画レビュー

3.5 モキュメンタリーとして解き放たれるもう一人のチャーリー・XCX

2026年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

『容疑者、ホアキン・フェニックス』(10)をはじめ、モキュメンタリーというジャンルには、現実と見まごうIFの世界を提示することである種の固定観念や偶像崇拝を打ち砕こうとする側面がある。本作『ザ・モーメント』の世界線でも、アルバム「Brat」を大ヒットさせた主人公が、その社会現象を少しでも長引かせての収益増を狙うレコード会社やそれに乗っかる関連企業、敏腕(?)監督との間で徹底的に翻弄され、窮地に陥る姿が面白い。スーパーアーティストが「演技」を通じて普段は見せない表情を垣間見せる趣向はファンにとってたまらないだろうし、虚構とはいえ、商業的な渦の中で己の芸術性や魂を貫こうとする姿には少なからず彼女の真実が刻まれている気もする。切実でコミカル。そして時に思い切り主人公のエゴをさらけ出しながら突き進むストーリー。彼女の前に立ちはだかる最大の宿敵として、映画界からあの俳優が参戦しているのがたまらない。

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牛津厚信