劇場公開日 2026年7月3日

「タイマン会話劇なのでとても舞台っぽい」死ねばいいのに windploofさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 タイマン会話劇なのでとても舞台っぽい

2026年7月8日
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鑑賞方法:映画館

難しい

原作履修済みで、京極夏彦さんのほかの著書も大好きです。
本作の原作との相違点は予め承知で鑑賞しました。

〇原作から大きく改変されているわけではなく、話の筋は概ね一緒です。
主人公の性別が男性→女性に変わっていますが、特に違和感はなかったですね。
奈緒さんの演技はとても素晴らしかったと思います。

〇原作はモノローグが非常に多いので、そこは映像化するにあたって会話にするほかなく、そうすると「亜佐美のことを聞いてるのに、自分のことばかり」という色がどんどん薄くなっていきます。
各パートの描き方として、「自分は不幸で大変なんだ」と「亜佐美は不幸だった」のせめぎあいをしている感じで、本作はどっちも伝えるためにどっちも中途半端…という感じを受けました。
なので、奈緒さん演じる主人公の映子も、個人的にはもっと強めに煽る感じのキャラ設定でもよかったんじゃないかな。

〇時系列をなんでいじってきたの?
種明かしの部分が原作では一つの大きな山でもあったと思うんですが、序盤からその辺の情報をぶち込んでくるあたり、観てて、え?もう?って感じでした。

〇母親パートがっつりカット…田畑智子さんがすごいちょっとだけしか出てません。
原作では結構なボリュームを割いていたパートなんですが、フル尺95分ならなぜここを厚くしなかったのか。
120分にしてもいいから、もうちょっときちんと描いて欲しかったなぁ。

〇基本的に1対1の会話劇なので、構成がとても舞台っぽいです。
草っ原セットがよりその辺を際立たせてるようにも思います。
(多分狙いは違うと思いますが)
映画を観ていて「舞台っぽい」って思っちゃうと、あれもこれも舞台っぽいって気になってしまうんで、できればこの辺の演出はもうちょっとうまくやってほしかったです。

〇ラストシーンの意味は何だろう?
憑き物が落ちた的なニュアンスかなと思いましたが、個人的にはちょっと蛇足だったかな…
主人公が亜佐美を理解するという点において、原作よりも映画の方が解像度高く設定したんじゃないかと思います。
なので、ラストシーンがあることで原作にはない意味(主人公の感情的な部分)が付いてしまうのが、少し気になりました。

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総じて、かなり重い作品です。
観た後色々考えさせられるし、あんまり触れられたくない部分をえぐられる様な無いようでもあるので、勢いとか気軽にとかでチョイスすると後悔するかもしれません。
デートにも向かない。
しかし、特にメインキャストのお二人(奈緒さん、伊東蒼さん)の熱演はとても素晴らしかったと思います。

windploof