君と僕の5分のレビュー・感想・評価
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牛乳と吸い殻
予告でglobeの楽曲がキーとなる映画だとは分かっていたが、彼らが「猟奇的な彼女」を観に行くシーンにハッとした。学校生活になじめず、日本のサブカルにのめり込んでいる主人公、ギョンハン。転校先で隣の席になった学級委員◦ジェミンが同じ趣味であったことから、急速に距離を縮めていく。彼らにとって、J-POPは特別なきらめきを持っていたのだ。一方その頃、日本のわたしは、「猟奇的な彼女」をはじめとする韓国映画に浴びるように触れ、自国ともハリウッドとも香港とも違う、これまで出会ってこなかった、近くて遠い世界に衝撃を受けていた。
はじまりは「シュリ」。タイトルやポスタービジュアルからは想像がつかない、息もつかせぬ壮大な物語が、驚きと熱狂を持って受け入れられて大ヒットした。その後はコメディ、アクション、ラブストーリーと様々な作品が上映され、たくさんの俳優さんたちが(文字どおり)崇められた。こんなに多彩で面白い映画を作り出すなんて、韓国はすごい、なんて自由なところなんだと、当時のわたしは安易に感じていた。けれども実際は、日本のサブカルは規制され、はみ出している者への目は厳しかった(彼らの住む街は、特に保守的なようだが)。わたしが淡く羨望していた海の向こうでも、居場所が見出せず、鬱々とした日々を過ごしていた10代がいたのだ。憧れは、いかに目を曇らせるものなのかと思うし、そんな状況下で良作を続々と生み出していた作り手たちに、改めて感嘆した。
生身の特別な存在に出会い、周りからも一目置かれるポジションを手にしたギョンハン。しかし、思い切って踏み出した一歩から、得たものはガラガラともろく崩れ去り、窮地に追い込まれてしまう。そんな彼の、牛乳の飛沫が飛び散った制服が痛々しかった。紺色の布地は白い液体をなかなか吸い込まないくせに、最後はしつこいシミとなる。一方、ジェミンもまた、タバコの吸い殻を屋上に撒き散らし、荒れた心情をさらす。彼は、なぜギョンハンを突き放したのか。ギョンハンや自分自身の感情への戸惑いか、クラスや家族から排除されることへのおそれだったのか…。謎めいた彼目線のパートが少しでも挿入されていたら、物語の深みがより増しただろうと惜しまれる。また、地下商店街のCDショップ店主も、出番少なめながら忘れ難い。彼女たちのような存在が、サブカルの作り手たちに、大きな糧になったのだと改めて感じた。
「彼」の思いが届くまでの長い時間が、降り積もる雪に重なっていくラスト。たどり着いたその場所は、いつだってどこか物足りない。だからこそ、傷を恐れず進むのかもしれない。彼らの道の先には、きっと淡い光が差している。
あまりにあまりに
BOY MEETS BOY
懐かしさを感じる青春ストーリー
内気な転校生と人気者の学級委員がJ-POPを通じて心を寄せ合っていく韓国発の青春ストーリーで少年の喜びや悲しみを上手く表現している。映画館のシーンも韓国ならではの映像で「猟奇的な彼女」のシーンが流れるたびに引き込まれた。globeの楽器も懐かしく名曲はいつの時代でも心に響きます。
2026-100
青春だねぇ、はオハルだねぇ、globeだねぇ。
四半世紀前のK国🇰🇷、大邱市が舞台のBL風味?な青春劇。
つか、globeのDeparturesは卑怯やて😭まんま世代ド真ん中だもん。
2001年当時、日本のエンタメコンテンツが正規ルートでは輸入禁止だった時代。
日本の漫画や歌、映画などを好む若者は、オタクと蔑まれ、親日派は敵視の対象だった時代…
それに、、あちらさんは東アジアん中では一番のキリ◯ト教圏故に、同性愛にも結構な嫌悪を示す国…
そんな中でも、トランスジェンダー🌈タレントが爆誕した年でもあるんですね。
21世紀の初めに。
たぁだぁ、、やはりと云うか…無性に忌み嫌う層もまだまだ多かった様で、同性愛への寛容は疎か、、無関心すら行えない連中に、主人公は精神的にズタボロにされてしまって😫
そんな時にも主人公の心の支えになったのは、日本のエンタメと、、『猟奇的な彼女』
🇰🇷エンタメも新たな潮流…新風が風穴を空け始めた時代だったんすね。
何にせよ…アラフォー世代には、かなり刺さる作品でしたよ。
最近思うトコロ有って、韓流作品から距離を置いてましたが、、
やっぱ面白いモンは面白いんだよなぁ😢
観た後でわかりました
CDショップの店員さんのセリフを思い出し、ああ2枚ってそういうことだったかと。ジェミンの頑な表情は向き合わないよう懸命に自分を抑えていたのだと、これも後から気づきました。日本文化にも同性愛への認識にも距離があった今世紀の初めから、もう25年を過ぎたけれど、少しでも希望の持てる方へ近づいていきたいと、大人になったギョンファンの姿に思いました。監督の故郷だという大邱の変わりゆく街や古い映画館、小さなデモなど、当時の風情にリアルな物語感をおぼえます。
韓国KPOPの勃興前の時代
小室哲哉は日本の音楽史に多大な足跡を残したミュージシャンであり音楽プロデューサーである。そのピークはTM NET WORKを終え、trf、安室奈美恵、globe、篠原涼子、華原朋美らのいわゆる小室ファミリーを形成していた1994年から1999年にミリオンセラーを連発していた頃である。映画内のモチーフになったglobeの「DEPARTURES」も 1996年の作品である。2001年頃は日本では小室人気に翳りが見えていた。だが、KPOPの今日の素晴らしさを考えると、明らかに小室哲哉が作り出した楽曲形成、高度なダンスパフォーマンス、メディアミックス等の音楽プロデュース手法を学んでいるので、おそらくKPOPのムーブメントを作った第一世代のミュージシャンやプロデューサーは映画のギョンファンのようにせっせと日本の小室サウンドを違法ダウンロードして聴いていたんではないかと思う。てなことを考えて観ていたが、映画の内容そのものは韓国映画にしてはソフトタッチで衝撃度は薄い。韓国の色んな意味での夜明け前ってことかなぁ、。佳作です。
globeの無駄遣い
わたしはglobe、世代ど真ん中だし、クィアもの映画も好きなのですが。
レビューが賛否両論あったので当たりだといいな〜思いながら観ましたが、残念ながらダメでした。
雑な脚本に稚拙な演出が目立ち、シリアス系韓国映画のノリを期待してはいけなかった。
最初の30分でだいたいの展開が読めてしまい、途中退室しようかと何度も思いましたが耐えました。
2000年初期の韓国の社会問題、ジャパンカルチャーと反日、受験戦争、校内暴力、などなど、掘り下げたら面白そうなネタがチラッと顔を出すものの、全スルー。
幼稚な学園ものみたいなシーンに尺を費やす必然性は?
いじめ描写がきつかったり、怒ってワーワーわめかれるのも一昔前の韓ドラ風。
globeの楽曲も意味のないシーンでバンバン流れてしまい、ここぞ、てところで使えばよかったのに…と。
(それこそ、departuresはラストだけ流せば良かったような)
なんだかんだで彼はゲイフォビアを装ったゲイだったてことでいいんですよね。
主人公がPCで観てた日本のBLアニメ、吹き替えが韓国語訛りの奇妙な日本語で、陳腐すぎてびっくり。
あれでボロ泣きしてる主人公に至ってはギャグ??と思ってしまいました
どういうこと?なラスト
最近YouTubeでglobeを聴いてたのでその流れで観ることに。
陰キャオタクの肩身の狭さには共感する。
が、頭ポンポンとか過剰なボディタッチとかイヤホン半分ことか、さすがに古(いにしえ)のメロすぎるのでは。チョロすぎ感を感じつつ見ていたがギョンファンは基本ポカン顔で誰に話しかけられても「え?」か「何?」から話が始まるのが観てて「コイツと話すの面倒くさそう」って思う。
で、ラストのジェミン視点のやつは?まさか好きだったとかじゃないよな?
(Xの感想を漁った結果)好きだったぽいな?うーん。
最終的にギョンファンが暗闇を抜けて幸せになってたのは良かったな。
青春映画と呼ぶには痛くて切ない
転校する前に、ジェミンと親友に何があったのかは、具体的には明かされないけれど、せっかく自分に蓋をして転校してきたのに、こじ開けるなよって事なのかな。
とはいえその距離感で、思わせぶりな態度をしたのも如何なものかとも思うのだけど。
転校前の自分と今のギョンファンを重ね合わせ、高校生では抱えきれない感情が爆発して、ジェットコースターでの絶叫なのかな、と勝手に解釈。
ジェミンは、結局のところどっちなのかは分からないけれど、まあ普通に考えるとそうだよねぇ。
ジェミンはあそこに座るギョンファンを見て、ページを閉じちゃったのか?それとも既にページは閉じられていたけど、ギョンファンは直感であそこに行ったのか?
どっちにしてもせつない。
globeだと『Many Classic Moments』が一番好きなのだけど、改めて聞くとやっぱ『DEPARTURES』も良い曲だなぁ。
『FACES PLACES』は、友達がカラオケで血管切れそうになりながら歌ってた。懐かしい思い出。
シェアするって良い
日本のアニメや音楽が好きな高校生のギョンファンとジェミンの物語。日本文化の流入が規制されていた時代に大邱の高校に転校してきたギョンファンと隣の席のジェミンはglobeの曲をきっかけに仲良くなっていきます。
わざとバスの行き先をジェミンに合わせたり、イヤホンを2人で使って好きな曲をシェアしたり、すごく良い関係性だったのに、こんなにも切なくなるとは思いもしませんでした。
とにかく閉塞感のある空気で、性教育を担当する教師からも否定的な言葉が出ます。家族は何も知らず、いじめにも遭ってしまうギョンファンが切なく痛い。お母さんは味方でいるって言ってくれたけど、ジェミンの家族はどうだったのかな…
トドメのエンドロール。
心臓えぐりに来てるのかと思いましたよ。。
忘れられないほど素晴らしい。デモヤメテ–涙
どうかジェミンも良きパートナーと幸せに暮らしていますように。
【”2001年って韓国ではJ-POPってタブーだったの?”今作は様々なタブーに取り付かれつつ、密かに相手を想う男子高校生二人の関係性の変遷をglobeのキラーチューンの数々に乗せて描いた作品である。】
ー 日本の漫画、音楽が好きな高校生ギャンフンは、苛めがきっかけで保守的な街、大邱の学校に転校する。
そこでも、彼は孤立するが学級委員のジェミンがJ-POP好きと分かり、仲良くなるがギャンフンがゲイである事を告白すると、ジェミンの態度は一変するのである。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・舞台は日本の大衆文化開放が進んでいた2001年の大邱である。驚くのは保守的な街、大邱では日本のJ-POPは、アンダーグラウンドでしか聴けないし、CDも地下街の小さな店に行かないと買えないという事である。
・何よりも、先生の一部を始め、ゲイに対する無理解が蔓延している事に驚くのである。
■今作は、性的マイノリティーに悩む主人公ギャンフンに対する無理解や差別意識の描き方をどう捉えるかがポイントだと思う。
ジェミンは、最初彼と仲良くなるが、その背景にはギャンフンと同じく中学時代に苛められていた事、途中で分かる母が継母であり彼に対し、異様なまでに勉学を強いる存在であるという事が、ジェミンの頑なな態度に繋がっていたのだと思う。
ジェミンのジェンフンに対する想いと世間的の無理解への苛立ちが出たシーンとして、校舎のいつも二人で会っていた屋上に散乱するジェミンの煙草の吸殻と、それを目にしたジェンフンが、牛乳の箱にその吸殻をキチンと入れて掃除した痕跡を目にしたジェミンの表情・・。
故に、ジェミンはジェンフンを2001年から現代までずっと待っていたのである。
シーンが現代に移った際には、ジェンフンには似合いの彼氏がいる。
だが、ジェンフンがジェミンが2001年に残したリンクをクリックすると、それは何処にも繋がらないのである。
故に、このシーンはとても切ないのである。
<今作は様々なタブーに取り付かれつつ、密かに相手を想う男子高校生二人の関係性の変遷をglobeのキラーチューンの数々に乗せて描いた作品である。>
ゲイ中学生の「秒速5センチメートル」
エンドロール
良質な恋愛ドラマ
J-POPで繋がった切ないすれ違い青春映画
話としてはベタだけど、同じ頃に青春時代を過ごした人間として心がグッと掴まれてしまった。
当時、韓国に行った時に向こうの友達にたまたま荷物に入ってた宇多田ヒカルのCDがどうしても欲しいと言われてプレゼントしたのを思い出しました。めちゃくちゃ喜んでいた。PCのチャットとか、大流行した『猟奇的な彼女』とか懐かしかった。私の交流してた子達は皆ソウルの良い学校の子だったので映画のような偏見をあからさまに出すのは見たことはないですが(あっても日本人には出さないでしょう)確かに男の子は日本の子より思考がマッチョだったな。
そんな時代に保守的な地域で、日本アニメやJPOPが好きで自分のセクシャリティにも葛藤してたらしんどかっただろうなぁと想像します。
ジョンヒョン役のシム・ヒョンソさん(ちょっと青木柚くんに似てる)とジェミン役のヒョン・ウソクさんが好演。ジョンヒョンがジェミンに「何で僕に優しくしてくれるの?」と聞いてくるたびに、見てるこっちとしては“そんなの特別だからに決まってんでしょうが”と思うけど、映画の中の2人はすれ違い。
主人公が引っ越す直前にジェミンに渡したけど突き返されたと思ってたCDが実はジェミンからのプレゼントで、それに15年後に気づき歌詞カードに書かれたURLを入力すると、2人が両片思いだったことが分かる構成はベタだけどグッときました。(届かなかったラブレターが時を越えて不完全ながら届くこの感じ、岩井俊二の『love letter』っぽい。この辺の映画に影響受けてるのも同世代感を感じる)
映画が終わって考えると、好きなアニメや曲だけじゃなくて、お母さんとか(ジョンヒョンのお母さん、発想が斜め上すぎるけど最高)、いじめられた後の立ち直り方とか、色んなものが2人は反対に描かれていたことが分かります。ジョンヒョンがジェミンに秘密を打ち明けた後の彼の拒絶も、“自分が男が好きな人間であるはずない”という想いと葛藤していたんだよね。切ない。
現代世界にも通じる2001年の大邱のお話
2001年の韓国・大邱を舞台にした高校生のお話でした。主人公は内気なギョンファン(シム・ヒョンソ)で、(本作のセリフをそのまま使うなら)ホモである。現在でも同性愛者等の性的マイノリティに対する差別は日本も含めて世界中に存在するけれども、当時の韓国、特に政治的に「保守の牙城」と呼ばれている大邱においては、その傾向が一層強かったらしい。以前在籍した学校で、同性愛者であることをもって虐めを受けて転校してきたギョンファンは、その内向的な性格ゆえに再度虐めの対象になりかけるも、たまたま隣の席に座っていた学級委員のジェミン(ヒョン・ウソク)と日本オタクとの共通項から仲が良くなる。その後ギョンファン自身が秀才であることが明らかになり、一時はクラスの寵児になるものの、ジェミンに対して自分が同性愛者であることをカミングアウトした翌日から、クラスで苛烈な虐めを受ける羽目になるというお話でした。
翌年日韓ワールドカップが開催されることになる2001年当時でしたが、過去の植民地支配に対する日本への不信感もあって、日本の大衆文化は規制を受けていたようです。そんな中、違法ダウンロードでglobeの歌を入手したギョンファンは、懐かしのMP3プレーヤーでglobeの曲を聴いていましたが、その1本のイヤホンを共有してジェミンとともに「DEPARTURES」を繰り返し聴く2人の姿は、まるで恋人同士。ただ(心の底でどのように思っていたかは別として)ジェミンはストレートを自認しており、同性愛者であることを告白したギョンファンに対して嫌悪感を顕わにするところは悲しいシーンでした。
それにしても、「同性愛者」「エイズ」「共産主義」を十把一絡げにして、憎悪感情を掻き立てる教師の姿を見ていたら、現代日本にも似たらしき勢力がいることが想起されました。現代韓国の状況は詳らかではありませんが、世界を見渡すとこうした言説はあちこちで散見されており、四半世紀前の韓国ローカルのお話ではありましたが、実に現代的なテーマを取り扱った作品であると感じました。
因みに原題の「404 Still Remain」というのは、インターネット上のページが存在しないことを表す「404 Not Found」から来ているものらしく、ネット上には存在しなくなっているものの、心の中には思い出が残っているということを意味しているようです。一方邦題は約5分の「DEPARTURES」の演奏時間に寄せて「君と僕の5分」にしたものと思われます。どちらも正解のような気がしますが、いっそのこと「404 still remain~君と僕の5分」にしたら良かったんじゃないかなと思ったところです。
そんな訳で、本作の評価は★4.4とします。
友情と恋情の狭間で
■作品情報
日本の大衆文化流入がまだ厳しく規制されていた2001年の韓国を舞台に、J-POPや日本のアニメを介して心を通わせる2人の男子高校生のはかなくも残酷な青春を描いたヒューマンドラマ。監督・脚本:オム・ハヌル。主なキャスト:シム・ヒョンソ、ヒョン・ウソク、コン・ミンジョン、イ・ドンフィ。制作国:韓国。
■ストーリー
2001年、韓国で最も保守的とされる街、大邱(テグ)の高校に転校してきたギョンファン。彼は当時まだ世間的なタブーであった日本の音楽やアニメが大好きな少年だった。周囲からは「オタク」とからかわれ、昼休みも一人きりでMP3プレイヤーから流れる日本の楽曲に耳を傾ける日々。しかしある日、隣の席に座る学級委員の人気者、ジェミンも実は日本のカルチャーに深い関心を寄せていることを知る。学校帰りのバスの中で、1つのイヤホンを分け合ってJ-POPを聴くようになった2人は、放課後にCDショップや映画館へと足を運び、誰にも言えない秘密を共有するように急速に距離を縮めていく。どこか閉塞感の漂う日常の中で、お互いが唯一無二の特別な存在になっていくかと思われたが、ある日を境に彼らの関係性は思いもよらない方向へと揺らぎ始める。
■感想
今週公開の新作ということで、予備知識もないままとりあえず劇場に足を運んだのですが、先に観た「カーンターラ 神の降臨」に引き続き、自分の勘違い鑑賞第2弾となってしまいました。本作は、入場特典でポストカードをいただいたのですが、そこに写っていたのは男性二人? Why? 慌てて本サイトの作品情報やキービジュアルを確認したら、やはりBL!てっきり男女の青春ラブストーリーかと思ったら、まさかのBL!いや、しっかり確認しなかった自分が悪いんですけど、韓国人の名前だけ見ても、性別はわからなくないですか? 実はBLは好きではないのですが、テレビドラマ「きのう何食べた?」とかは大好きなので、あんな感じで互いを人としてリスペクトし合えるような関係性を期待して鑑賞してみました。
結果として、ガチホモ系の作品ではなくほっとしました。むしろ恋愛描写に終始するような作品ではなく、思春期特有の友情とも恋情ともつかない曖昧な関係性が、周囲の冷ややかな視線によって引き裂かれていく過程を描いた、極めて普遍的で切ないヒューマンドラマに仕上がっています。大切な相手を思いやる気持ちがありながらも、世間の偏見や同調圧力に抗いきれない若者たちの姿は、観ていて本当に胸が苦しくなります。
特に印象深いのは、ジェミンが見せる心の葛藤です。ギョンファンに対して抱く特別な感情と、同性愛に対する本能的な嫌悪、他者の視線からの防衛本能、それら複雑な感情の中で身動きが取れない自分への苛立ちが、彼の態度を攻撃的なものへと変えてしまったのではないでしょうか。彼を責めるのは簡単ですが、誰もが心の中にもっているかもしれない「未知のものへの恐怖」が、あのような冷ややかな態度を引き起こしてしまったのではないかと考えると、一概に彼を否定することはできません。
同性を好きになる気持ちも、そういった心情を嫌悪する気持ちもわからないではないです。どちらも人間としてリアルな感情だと思います。だからこそ、共感できなくても理解し合えないものかと思います。少なくとも排斥したり攻撃したりするのは絶対に違うと思います。もし、この2人が生きる時代があと20年ほど後ろにずれていたなら、周囲の受け止め方も彼ら自身の苦悩も、きっと違った形になっていたと思います。
本作は、単なる恋愛映画としてではなく、人が人を尊重し、誰もが自分らしく呼吸できる社会とは何かを問いかける一作です。派手な演出こそありませんが、静かに、そして確実に心へ波紋を広げていく力をもっています。多様性が叫ばれる現代だからこそ、この不器用な2人の5分間を見届けてみてはどうかと思います。
全28件中、1~20件目を表示













