アダムの原罪

劇場公開日:2026年6月5日

解説・あらすじ

2021年の長編デビュー作「Playground 校庭」で注目されたベルギーのローラ・ワンデル監督の長編第2作で、小児科病棟に入院した4歳児とその母親の処遇をめぐって繰り広げられる一夜のドラマを、彼らに寄り添おうとする看護師の視点から描いたヒューマンサスペンス。

とある病院の小児科センターに、左腕を骨折した4歳の男の子アダムが入院する。栄養失調で痩せこけた彼は発育が遅れており、骨がもろくなっている。裁判所は移民でシングルマザーのレベッカがアダムに適切な食事を与えていないと判断し、彼女の面会を制限する命令を下す。自身もシングルマザーである看護師長ルシーは、息子と引き離され親権を失うことを恐れるレベッカに寄り添おうとするが、レベッカの軽率な行動と、上司や同僚からのプレッシャーにより追い詰められていく。

母子を救いたい気持ちと病院が従うべき司法制度との間で板挟みになり葛藤する看護師ルシーを「CLOSE クロース」のレア・ドリュッケール、孤立したシングルマザーのレベッカを「あのこと」のアナマリア・バルトロメイが演じる。製作にはベルギーの名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が名を連ねた。2025年・第78回カンヌ国際映画祭批評家週間のオープニング作品として上映された。

2025年製作/79分/G/ベルギー・フランス合作
原題または英題:L'Intérêt d'Adam
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
劇場公開日:2026年6月5日

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ⓒDRAGONS FILMS – LES FILMS DU FLEUVE – LES FILMS DE PIERRE - LUNANIME – FRANCE 3 CINÉMA – BE TV & ORANGE – PROXIMUS – RTBF(TÉLÉVISION BELGE) – SHELTER PROD

映画レビュー

5.0 ベルギーの病院にて. 小児病棟のナースさんと, 患者のお子さん・そ...

2026年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

驚く

ドキドキ

ベルギーの病院にて.
小児病棟のナースさんと, 患者のお子さん・その母親の物語.

子供が衰弱して, シングルマザーが虐待?と疑いがかかり.
子は母を溺愛している様子.
母子を離さないように, ナースが奮闘する様子.

このナースの奮闘ぶりをずっと追跡する79分間
このナースも, シングルマザーで娘を育て上げたとか.
同僚らは, 患者によりドライに接しようとし.

小児病棟, 患者がそもそも大勢いて満床の様子.
他の患者と接する時間も勿論ありつつですが,
どこまでこの母子につきっきりになれるか,信じるか, 関係に踏み込むか?
一括りに結論付けられるものではない, 難しい, ヒリヒリする感覚でした.

ひとつだけ違和感がぬぐえなかったこと
邦題から,聖書のような話かと思っていましたが (最初の罪 = アダムが林檎を食べて…)
物語からは伝わらなかったです.
英語題も仏語題も, 聖書とは関係ないように見えますし. ( L'Intérêt d'Adam / Adam's Sake )
邦題の名づけ主の真意が, まだ見えていません.

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woodstock

2.5 このラストはいただけない!

2026年6月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

映画は看護士長ルシーの背中をひたすら追っていくドキュメンタリースタイルで、緊迫感がある。
観客はこのルシーの視点で物語を追うことになる。

移民のシングルマザーである母親、レベッカは孤立し、息子だけが生きるよすがだ。しかし、溺愛する息子は栄養失調で入院する。行政側からは虐待を疑われている。
病院で栄養価の高い食事を提供されるが、息子はガンとして食べることを拒否する。母親が自分の作る料理以外は毒だと教え込んでいるからである。母の愛は虐待の様相を見せる。が、母親はそのことに微塵も気づかない。ただ、息子をこんなにも愛しているのに何故、引き裂くのかとエキセントリックに喚き、無断で息子を病院から連れ出し、事故に遭う。
ルシーは、母親に同情し、何とか親子が引き離されないように奔走するが、若い母親の無知、自分勝手な行動で収拾がつかなくなり、疲弊していく。ルシーは気づいている。真に救済が必要なのは子供ではなく、母親の方だ。しかし、人手も足りない病院には限界がある。踏み込みすぎてはいけない、と注意されてもルシーは母親を救おうと手を尽くす。
映画の転機となるのは、4歳の息子の言葉「ママといたい、でも死ぬのは嫌だ」。
ここで初めて母親は自分が愛だと信じていたものに疑念を抱く。だからといって、解決策は見当たらない。
映画のラストは、えっ、ここで終わるんかい、というようなプッツリ。マジですかぁ(゚∀゚)
確かに、現代社会はこの問題に解決策を提示できないだろう。しかし、だからといってこの映画のラストはいただけない。物語を放棄したとしか思えない。したがって、採点は厳しくしました。

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どーも

3.5 そこで終わるかなあ

2026年6月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

皆さんの素晴らしいレビューから不可解なモヤモヤがいくぶん晴れたような気がするが、しかしどうなん。安易な解決などないって、そんなことは自明なんであって、物語としてここまで引っ張ってきて、道の途中でおっぽり出すというのはさ。もうちょっとわかりやすい結論を示してくれてもよかったんじゃないか。繰り返すけど、結論のない物語って、やっぱり不完全じゃないのか。

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共感した! 3件)
くーにー62

3.0 不適切な判断を繰り返すシングルマザーの姿を通じて孤立した育児の現実を浮き彫りにする

2026年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

驚く

とにかく「なんで!?」という判断を繰り返す母親の行動に序盤はイライラしましたが、次第にその姿が痛々しく見えてきました。
もともと知性が欠如していて養育能力が無いのか、それともワンオペ育児に疲弊して判断力を失い、思い込みに囚われてしまっているのか。
いずれにせよ深刻で残酷な現実だと気づきました。
神に背いて知恵を持ってしまった人間はもはや何事も神のせいにはできず、全てを自らで抱え込まなければいけないのか…

舞台となる小児病棟での看護師長の殺人的な忙しさは、先日公開されたドイツ映画「ナースコール」を彷彿とさせます。
しかし本作は特定の親子に焦点を絞り、「ナースコール」同様に様々な事情を抱える他の入院患者たちは背景として描かれているに過ぎない点、そして子供の人権保護に関わる法的な取扱いに触れている点などの、視点の違いによって鑑賞後の印象は全然違ったものとなりました。

社会の隙間に落ちた親子の状況を描いた作品です。
多様化した現代社会の家族の在り方が内包している一つの問題点を児童福祉の観点から世に知らしめるという意図を感じました。

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さとうきび