黒牢城のレビュー・感想・評価
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好みが分かれる映画だが嫌いじゃない
歴史上、裏切り者で卑怯者で一族を見捨てて逃げた事で有名な荒木村重と秀吉の軍師で片腕の黒田官兵衛との歴史サスペンス推理映画。私自身、荒木村重は嫌いではない。実際には家臣にも領民にも慕われ、現在の伊丹の基礎を築いた人物だからだ。他の作品では卑怯な裏切り者的な扱いの村重が、この映画ではかっこいい人物として描かれていて嬉しい。伊丹で終電無くなるまで飲んで尼崎まで4時間かけて歩いた事あるので村重の尼崎城への行程と重なり感慨深い。そして、この映画の主人公は村重ではない!最後まで村重を騙していた官兵衛と、村重の嫁である!
贅沢言うと、もっと戦のシーンが欲しかったのと最後の有岡城陥落からの一族磔まではひとセットだと思うので見たかった。
戦国版 ミステリーと言う勿れ
ストーリー: ★★★★
俳優陣: ★★★☆
主演演技: ★★★
助演演技: ★★★★
大画面•音響:★★★
音楽: ★★
原作未読
歴史から大きくかけ離れることなく、うまくまとめられたストーリーは見応え十分
よかった
あの時代に信長と対立するとはとんでもない破滅的な行為でハラハラする。籠城戦を描いているので絵的に閉塞感がある。薄暗い部屋でのまったりしたテンポの会話が長くて眠くなる。その場にいない人物の固有名詞を出されても誰のことだかわからない。
黒田官兵衛って本当にあんなひどい目に会っていたのだろうか。
官兵衛の息子は生き延びて長政になった
時代考証や人物像へ突っ込みが戦国マニアから降り注ぎそうだが、まあ、ミステリーとして楽しめば良いのではないかな。
古き良き英国推理小説的トリック解明を期待すると全くの肩透かしで、手口ではなく動機の解明に焦点を当てている。その動機がサバイバーズ・ギルト(生存者の罪悪感)なのはなかなか面白いのだが、肝心の告白シーンでの千代保がいかにも軽量で、村重の貫禄とのバランスが悪いのが残念。
コレクターで茶人な人。
籠城中の有岡城内で起こる殺人と怪事件の謎解きをすることになる大将・荒木村重と、牢屋に捕らえられながら殺人と怪事件の謎解きのヒントをくれる黒田官兵衛の話。
城内で起こる、少年が矢で殺害される事件、寅申を託された者の死と寅申(壺)の行方、雷に打たれ死んだと思った者は実は銃で撃たれ…、その犯人捜しとトリックの謎解きとなるが。(原作未読)
ストーリーは何となく把握出来るけれど、ちゃんと観てても解りにくい。城内で起こる怪事件を謎解こうとするも解けず、牢に捕らえた黒田官兵衛にヒントをもらい謎解く…その繰り返し。
キャストは豪華で数多くの俳優さんは出てるけれど出番は少なく「あっ、そういえばこの人出てたんだ」で、本来であれば主人公になれる俳優さんも脇役も脇役な印象。
荒木村重を演じた本木雅弘の「茶を立てる」綺麗な所作は印象的で、そこを見せたかったのかなぁ~と一瞬思ちゃったのは私だけです(笑)
推理ものとして観る方が良い印象
歴史ものとして観るのではなく、
SHの冒険、ポワロのような、推理ものとして観ることをお薦めしたい。
時代劇 + 推理というのは、とても斬新。
全 5 話ぐらいのドラマ シリーズでやってくれても良いと思う。
歴史好き、大河好き、如水好きの私は、
物語よりも歴史や人物像に頭がいってしまい、
それが、ノイズになってしまった。
もっと、役者の演技、事件、推理、駆け引きに集中できたら、
印象が変わってたように思える。機会があれば、原作を読みたい。
俳優と音響は一流。だが脚本の「ご都合主義」に冷める映画
役者の重厚な演技と、BGMを排したリアルな音響は一級品。しかし、あまりにも強引な「ご都合主義」の連続に、終盤のカタルシスを得る前に心が離れてしまいました。観客を置いてけぼりにする作品です。
良かった点
豪華キャストの渋い演技: 所作の一つひとつに重みがあり、戦国時代の人物画から抜け出してきたようなリアルな造形が見事。
臨場感のある「音」: 鎖の擦れ合う音や息遣いなど、あえてBGMを排した生音の演出が脳髄に響く。
好奇心を引く謎: 次々と難解な謎が提示され、城主・村重のもくろみや官兵衛の真意など、後半まで物語を引っ張る力はあった。
気になった点(ツッコミ所)
とにかく脚本の「嘘」とご都合主義が多すぎて、感情移入が阻害されます。
お粗末な隠密行動: 村重軍がガシャガシャ音を立てているのに敵に気づかれず、なぜか敵の大将は兜もつけずに先頭で見張りをしている。
ギャグのような急展開: スパイが真相を話そうとした瞬間、銃で撃たれ、その数秒後に雷に打たれる
官兵衛が超能力者すぎる: 現場を見ていないのに紙ペラ数枚で事件を解決。村重の事情も察しが良すぎて、物語を都合よく動かすためだけにしか見えない。
ブレブレな村重のキャラ: 残忍な信長との対比として血を流さない天下を語る割に、茶壺ひとつを出し渋り、家臣にキレ散らかす「小物」にしか見えない。
(茶壺に関しては史実ベースとは言えど、現代感覚と違いすぎて共感性はない)
不完全燃焼なオチ: ラスト、村重は捕まらずに茶人になったというモノローグで終わり、「結局何を見せたかったの?」と呆然。
長くなるので省略しますが、他にもツッコミどころが多々あり、常に「?」が浮かぶ作品でした。
結論
「観客の視点を無視し、都合のいい嘘を連発した作品」という印象です。
役者の演技と音、奇怪な謎の雰囲気を楽しむためだけの映画です。
安楽椅子探偵・黒田官兵衛
黒沢清作品は、途中で話が破綻してしまい観ているそばから頭に???がいくつも浮かんでしまう印象があって、積極的に観に行かないんですが、今回は出演者がなかなかだし原作モノなので少なくとも破綻はしないだろうと思い、観に行きました。個人的に歴史ミステリー好きだし。
信長に突然反旗を翻した荒木村重が有岡城に籠城した約1年の間に、籠城という密室で起きた事件を、翻意を促しに来て幽閉された黒田官兵衛が牢の中にいながら事件を解明する「安楽椅子探偵」モノ。安楽どころじゃない環境ですが。
嫡男 松寿丸を人質として信長に差し出しており、自身が解放されるか死ぬかでなければ松寿丸の命が危うい官兵衛が、謎解きに村重への策略を仕込むのではないかという期待もある。
もっくんと菅田将暉の二人、シビアな環境なのに何となくユーモラスな感じを漂わせて、今までのノーマル時代劇にないユニークな空気がある。
話し言葉が小難しく重々しい武士の言語だったり、建物、室内、調度品、人物の動きに様式美を感じさせる、画の撮り方が素晴らしい。一字違いの黒澤明風?
重厚な雰囲気ながら、村重殿、フットワークが軽い。殿自らあちこち、ひょいひょい出向いて関係者に尋問したり実証実験してみたり。
奇妙な事件に直面して眉間にしわ寄せてううむ、と考えるが、すぐ官兵衛に聞きに行っちゃう。捕虜として鎖で繋いで牢に監禁してるのに。そのせいで長男の命が危うくて官兵衛気が気じゃないのに。3件目にもなったら「ううむ」と眉間にしわ寄せた次のシーンで牢でふたりで事件の報告書(?)を読んでいて、笑ってしまった。
だが、ミステリーのひとつひとつがしょぼい。わざわざ知恵者の頭脳を借りるほどのものでもないような。官兵衛の解答がさらに手が込んだミステリーで、事件よりこっちを読み解く方が頭使う。
「春」のなんて、「油断していたから」て。整くんが解明したミステリーはこの100倍込み入っていて面白かったんですが。
しょぼいミステリーだが、3件続いたところで絶妙にサポートがなければ起きえなかったのに気づく。村重もバカじゃない。影のサポーターを特定して詰問するが、サポートした理由が今一つよくわからない。このあたりいつもの黒沢清が少しだけ滲み出たかと思ったが原作はどうなんだろうか。(原作未読です。)
戦況など対等に語り合える相手を切望した、それが村重が官兵衛を殺さなかった理由というのは拍子抜けだけどこの二人なので妙にリアリティーがありました。そりゃそうですね、人間だもの、と思えて時代劇ドラマとして新鮮でした。
最終的に村重は、自ら毛利に援軍要請に行ったわけです(史実もそのようです)。それまでのフットワークの軽さから、さもありなん。失敗したら怖気づいて自分だけ逃げた卑怯者と言われるリスクを承知の上。もはや道はそれしかなく、にっちもさっちも行かない状況。官兵衛にしてやられた。牢番に遠隔で復讐したところで、すでに官兵衛のレクター教授ばりの恐ろしさが示されていましたね。嫡子をむざむざ殺された(と思っている)わけだから、恨みは凄まじいはず。
結果的に村重は失敗、女子も子供も含めた関係者しらみつぶしで処刑された上、後世まで語られる不名誉な人物像ができあがった。武士にとって死ぬよりツライことだっただろう。官兵衛は考え得る、最恐の復讐を遂げた訳です。
原作者は、荒木村重の、後々まで語られている不名誉な通説に目をつけ、これを生かしたドラマを作ってみようと思ったのかも。知らんけど。
村重が「殺さず」なのは、昔信長に強いられて女性たちを斬ったトラウマからだろうが、こっそりクリスチャンに改宗していたのかと思った。史実では奥方はクリスチャンだったという噂もあるし、裏切られたが盟友に高山右近はいるし。
撮影にセットではない実際の城や建物を使ったロケなのが生きていた。画にリアリティが出ました。
籠城の閉塞感が感じられないのは、有岡城が城下町を含む比較的広い範囲が城内だったからですかね。食料も城内である程度調達できたようです。
そして期待通り、俳優さん方ひとりひとりが良かった。
たくさん出演者がいながらみなさんキャラが立っていて見ごたえありました。オダギリジョーの年齢を感じさせない軽みは不思議。
小さいことだが、皆さん畳の縁を平気で踏んでいたのが気になった。特に村重は、結構な茶人なのに。
今まで観た時代劇では、人々は意識せずとも流れるように畳の縁は踏まない所作が普通でしたが。
戦国時代には畳の縁踏む「タブー」がなかったのならすみません。
荒木村重は無理ですが、(私的に)黒沢清監督の汚名は雪げたようです。
黒沢清の新境地
原作既読。近年の黒沢清は「蛇の道」「Chime」「Cloud」と過去作品の縮小再生産的な傾向が目立ち、ファンだからこそ期待度低めだったが、本作は出色の出来。序盤の謎解きこそ原作小説ママで映像的な見所が少なめだったが、後半は得意のホラー的な画面構成が冴えわたり、戦国の世にまつわる大きな「謎」解き、観念の闘争ともいうべき展開を見事に成立させている。大河主役級の俳優陣に負う部分も大きいが、吉高由里子の長尺の芝居などはほとんどこの世のものとも思えぬ凄み。地下牢での独特のライティング下での菅田将暉との対決も素晴らしいし、信長の登場シーンは豪華絢爛にして暴虐の極みたる「白昼の恐怖」を現出させていて、ほんの一瞬ながら忘れがたい。ただ、この内容でほとんど字幕による地名・人名の注釈がないのはなかなか不親切ではある。
本当は病死らしい大津長昌
もうちょっと官兵衛の推理シーン的なのは欲しかったけど、入道まではそこそこ楽しかった。
が、その後のクライマックスのはずの天罰、一番の謎解きのはずの千代保のところが一番退屈。
色々と余計なシーンが入っていてテンポが悪くなってると思う。
147分は長い。
登場人物も多すぎ。
家臣がスカスカだと寂しいので画面に出す人は多くていいけど、中心人物はもうちょっと整理して、見てる人に個々の名前と顔を覚えさせた方がいいんじゃないかな。
公式サイトのキャラ見ても、犯人と被害者は分かるけど、それ以外、顔と名前が一致しない人が多い。
後、官兵衛がどうなったかを描写しないのは、いかがなものか。
ちゃんと救出されて、実は殺されてなかった息子と生きて再会できたって重要じゃない?
官兵衛のその後を知らない人は「どうなったの?」って気になるんじゃないかなぁ。
たすけて、官兵えもん
いや、自分が悪いのは分かってる。
歴史が苦手な上に本日3本目の鑑賞ということもあり、最初の事件からだいぶ眠かった…
物語は、冬春夏秋を巡る中で起こる事件を村重が官兵衛に相談し、解決していくもの。
一つの季節に一つの事件という不自然さは目を瞑るが、構成としては単調だ。
手掛かり(ヒント)を集めたりもなくすぐに官兵衛が見抜くのも、真相に迫る楽しさがない。
そして、画的にとても地味。
真相に関しても、ほとんど映像で見せずに台詞で済ませるので、余計に退屈に感じた。
また、その台詞についても滑舌なのか録音なのか聞き取りづらいところが多かった。
ただでさえ昔言葉など特殊な内容が多い中でこれはキツい。
衣装などで工夫は見られるが、人物もやや見分けづらく、キャラ名の把握も難しかった。
まぁこの辺は自分の不慣れも大きいが。
「「心」を読め」のコピー通り、驚愕のトリックなどではなく心理面での推察が中心でもある。
これには時代的な価値観も絡んでくるため、自分が楽しめなかった理由でもあるか。
歴史ものや人間ドラマを期待した人は別として、ミステリ目当ての自分には最後もかなり冗長。
官兵衛の真の狙いが明かされて終わりでよかった。
村重のアタマがキレれば官兵衛が必要ないというところも含めて、設定もイマイチかなぁ。
進めば極楽の反転
演劇のようにセリフがとても多い映画だった。閉ざされた空間でのトリックを少しずつ解いて、大きな謎を解くという、どちらかというと込み入った設定なのだが、セリフと映像の流れでストーリーはつかみやすかった。
セリフや演技もいいのだが、衣装もまたよかった。
千代保はぞろりと羽織る打掛ではなく、打掛のようなものに帯を締めていた。夏のシーンでは帯は方流し。このアシンメトリーの帯結びは彼女の不安定さと、運命に流されながらも美しく保っている姿を現しているようにも見えた。
村重は孤独な城主で実は本当に信頼できる臣下はいないのだが、それでも個々の臣下がその人格ゆえに村重個人につく、城につく、仏につくという選択をしていた。
その姿はそれぞれの個々の意思とともにとても美しく気高い。
一時は心を通わせたかに思えた官兵衛さえも、村重ではなく、織田のことを深く考えていたというシーンは確かに衝撃的だが、村重自身はそこまで衝撃を受けているようにも見えなかった。ただ自分の孤独を改めて感じただけ、と思えた。
千代保の信心も理解しがたいようだったが、理解してしまう。
荒木村重の孤独とその孤独ゆえに他者を理解してしまう姿は荒々しい姿ではなく、ただ悲しい。
進んで城を出て、宇喜多に援軍を要請するという決心は、「進めば極楽」を担う姿なのではないだろうか。そして「退いても地獄とはならない」と信じる千代保が、城を守るべき象徴となっていた。
進軍ではなく城を抜ける、という決断をした村重は「進めば極楽」の一義的な意味を超えた行為を成し遂げたのではないだろうか。
ラストがとても良かった
荒木村重のことはこの映画で知ったくらいに歴史は詳しくないのだけど、
だからこそ村重の心の動きが薄暗い映像や黒田官兵衛との関わり方で感じとれていくのが面白かった。
時代劇やミステリーを見たことのない自分でも、1人の男がこの城という牢屋の中でどう考え、どう変化し、何を知り、どういった結末を迎えるのか…というところに焦点を当てて見るととても興味深く、心惹かれる映画だった。
俳優陣の演技も素晴らしく、それを見れただけで2000円払う価値は十分にある。
メインキャラクター3人はもちろん家臣の中でも宮舘涼太、オダギリジョーの村重への忠義がよく見える2人が特に良かった。
そして終盤にある長回しのカットは本当に恐ろしい。確かに長い映画ではあるが、他のレビューを見て映画を見るのをやめて、このカットを見れないなんて絶対にもったいない。
何よりあのラストが好きだ。
原作だとこの後も少し続きがあるようだが、私はこのラストのおかげでとても満足というか…心地いい気持ちで映画館を出ることができた。
ぜひこの感覚を味わってほしいと思う。
ぶった切って終わり
原作未読で舞台挨拶からの映画鑑賞、舞台挨拶も内容を明かせないからというのはわかりますが、誤魔化すためにずっとぐだぐだしてて全然上映への期待を増さなかった。
実際に観て思ったのが、これで終わり?
息子が殺されるきっかけになった相手に官兵衛が無条件で知恵を貸すとでも?
困ったときの官兵衛頼みで知恵を借り、さも自分が謎を解いたかのように
臣下を裁いていく姿も見ていて尊敬できるような部分は皆無で、むしろ滑稽でした。
最後には官兵衛の甘言だと見破るも、結局それに乗って城と民を見捨てる。
殺さない自分を演出したかったただのかまってちゃんにしか見えなかった。
自分の意志で殺す信長と、自分は殺さないアピールをしたが、
結局賛同を得られず最後には逃げ出して残った部下と民は見殺し。
ラストにはその後間もなく落城、村重は数年後に茶人として天寿を全うみたいな文章が表示されてEND。
あまりにもその後が気になり、原作を読みました。
すると落城の際に手引きした者は生き延びるも、それ以外の人々は磔や吊るされたりと
散々な最期を迎えている様子。ここが一番大事な部分じゃないの?
尻切れトンボでぶった切られて、面白かったなんて嘘でも言いたくない。
人選ミス
原作既読。
戦国時代のミステリーというユニークな題材をどう映像化したか楽しみに観た。
結果は、がっかり。
引きの画面ばかりで、俳優の表情が見えない。
長回し、しかも芸のない長回しが多く、カット割りのモンタージュを生かせず。
謎解きもセリフでやって、映像という雄弁な手法を放棄。
その結果、4つの謎が平板に並ぶだけで、人物の心理も読めない、空疎な話となった。
おびただしい固有名詞が出て来るが、一切の説明はなく、
当方は原作を読んでいたから大丈夫だったが、
大方の観客は、今何が起こっているのか、分からない。
まして、カンヌの観客には、全く理解不能だったろう。
ミステリー映画の手法を習得していない監督の作品。
今までの黒沢清の作風を知っていれば予想できたはずで、
この監督に依頼した製作陣の人選ミスだと言えよう。
モヤモヤする歴史ミステリー心理戦あり。
今年の大河、豊臣兄弟!が面白かったので、時代背景が似ているので面白いかなと見てみました。
菅田将暉は豊臣兄弟!の竹中半兵衛、黒牢城では黒田官兵衛役でたまになんの話しか分かんなくなりました、歳が悲しい..
今日、ちょうど豊臣兄弟!村木荒重裏切りシーンや籠城シーンが出ましたが、豊臣兄弟!の村木荒重は脳筋っぽい豪傑?で、黒牢城の村木氏は、人をなるべく殺さない主義で、有能だけど籠城戦で疑心暗鬼になり、色々な裏切りにもあい、最後に毛利の元へ行くために付き従ってくれた家臣は1人だけ..とちょっと悲しくなりました。
籠城戦もあるだろうけれど、戦国に疲れたという感じもでていて、最後に官兵衛の謀りをわかっていながら、その手段しか取れなかったのかな、という諦めが感じられました。籠城戦で起こる不可解な事件は官兵衛の知恵で解決したものの、結局いちばん身近な妻が手を入れて、事件を怪事件化してややこしくしていた。最後、妻は殺さなかったようだが、鑑賞しているとどこまで妻が関わったのか?なこともあった。
導入まで、4行分くらいのナレーションくらいしか無かったので、もう少し背景や登場人物の立場、映画の終わりのその後を説明して欲しかったと思う。
本作の村木氏は、切れ者で剣も強く、頭もいいし、民や家臣のことを思っていて、無駄な殺生はしないという聖人君主みたいな人だと思う。ただ、官兵衛の知恵を借りる割に、牢屋での扱いが粗末なままだし、扇動者だった妻も多分処罰していないしとなんかモヤモヤした結末に。
後日、大河の方で村木荒重が毛利のとこ行く寸前で織田から使者が来て降伏を伝えたのに、毛利の元へと逃げ出したので、妻と家臣一同処刑になったことを知りました。本作の村木氏は、自分が不在の間に織田軍が来たら降伏せよ、と指示を出していたので、解釈や人物像の違いでエピソードひとつとっても実際はどうだったのかなと難しいですね。特に官兵衛の子とか結局本作では殺され、大河だと生かされていたので、大河と違うと若干どっちだったのかな気になります。
鉄砲のたまが当たって雷に打たれたというセリフがあり、その時代だとその知識はまだないのではときになった。
大河の方の村木氏とは全然印象が違いますね。
ミステリーではあるものの、最後は人間関係とかで気持ちが悲しくなります。。もうちょっと明るい映画を見ればよかった。
生首も出てくるので苦手な人は注意です。
戦国時代のミステリー?
「天下一の卑怯者」として後世の評価も悪い荒木村重をどう描くのか、モックンじゃイケメンすぎるんじゃないか、とかいろいろ気になる作品(笑)
荒木村重は信長の家臣団に身を置ける位に実力があって、戦国時代の梟雄としてはかなり魅力的な人でもありながら、今まで主役として描かれた事は無かったハズ。
そういった点からも楽しみでありました。
そして予告を観る限り良質なミステリー作品でもあるんじゃないかと期待。
だって、顔写真が沢山並んだポスター見たら「この中に犯人がいる!!」って金田一少年の事件簿みたいに思うじゃん?(笑)
てっきり黒田官兵衛が村重から与えられた情報だけで城内で起こる事件を論理的に解決し、村重を使ってあの中の犯人を追い詰めていく安楽椅子探偵なのかと思ってました。
なのに、村重との心理的な駆け引きもなく酒飲み話しで和気あいあいだし、
そもそも事件そのものはあまり深掘りされず、証拠もアリバイも(戦国時代なりの)科学的根拠も何も無いまま一言アドバイスするだけで解決されていってしまい肩透かし。
歴史物としてもミステリー物としてもどっち付かずでちょっと中途半端だったかなぁ。
村重は戦国時代であるがゆえに「(戦以外では)殺さず」の決意を周囲に悟らせないようにという言動の曖昧さが前面に出て、観客側も家臣団と同じように悶々としたまま話しが進みスッキリ感が無いまま。
人質や罪を犯した家臣でも殺さないという姿勢と、村重が城を出た後の有岡城で起きた大虐殺の対比まで描ききってくれた方がテーマとしては重層感が増したような気もしましたが。
原作は未読なのですが、そこまで描かれているのでしょうか?
モックンは流石の重厚感。
菅田将暉も狂気の奥の知性を感じさせて良かったけど、大河ドラマのように岡田准一を黒田官兵衛に据えて元ジャニーズ共演の方が盛り上がったかも?(笑)
吉高由里子は現代劇っぽさが消えずにモックンとの絡みはちょっと落差があったかな…。
あと、細かい場面を雑に繋ぎ過ぎて急に場面や出来事が切り替わって一瞬理解が遅れるなど、長編というより細切れな短編集を観てる感覚。
夜討ちも相手陣営アレで気付かないの?ってあたりが無造作な感じがちょっと残念。
まぁ、時代劇が少ない今の状況であれば貴重な作品である事は間違い無し。
何だかんだ言いましたが、あっという間に時間は過ぎて楽しめましたよ。
時代劇作品に於いて圧倒的な理論考察の中に真実心理を導き描いてる点が凄い!
早朝午前7時過ぎに家を出て 劇場へ向かう。そんな事は年に数回なんだけども
近年公開作品の劇場枠の回数と公開日が重なり一気に見ようと思うと朝の枠は8時台で早い時間開始日程と成るのだわ。今日は長丁場~ (;^ω^)
今日は 「黒牢城」の鑑賞です。
久し振りに 本格的推理物時代劇。
実は私は将来こんな時代劇が観たいなあと思っていた作品です。
原作:米澤穂信氏による 日本の時代劇を舞台にした推理小説です。
劇場内は朝早くから多くの方(老若男女)が来場で その熱気は凄かった。
かつ、本編始まって場内は 水を打ったような静けさで、
近年シネコンになってから この観たいと言うお客様の集中力は 素晴らしかったと感じました。 良いコンディションです。
総評から言うと★4.3としました。
多分 ここの評価が下がっている主な理由の一つは 時代劇独特なセリフに在りますね。 特にオリジナルな推理物ですし それの情景表現が入りますのでね。
誰が何をした? どう思った? 心理が正確に観ている人に伝わる必要が在るのですが、最近公開となった作品「木挽町のあだ討ち」と比べ 少し難解であったのでしょう。そう思います。かなり時代劇物を見慣れていないと その粋な台詞感情と深層心理の流れが掴みづらかったのであろうと思います。
その点の理解を受け入れられないと 所謂置いてけぼり ”寝てしまう” 現象に陥った方が多いのだと思います。
逆に 時代劇慣れしている方は この素晴らしい思惑展開流れ、
荒木村重役(本木雅弘さん)と黒田官兵衛役(菅田将暉[さん)そして
千代保役(吉高由里子さん)の想いが良く理解が出来たと思うのです。
昨年公開の「宝島」でも同じ様な事が起こりました。琉球語で語られて行く地元の方の哀しい現実が 字幕が付かなかったため 見に来た多くの方が理解を得られず
公開後失速した経緯が在るかと思います。
映画に於いて、情報伝達は 映像で在り音であり言葉なんですよ。
ここを丁寧にしておく事が 大切だったかなとは思いますね。
しかし、私が感じる限り 素晴らしい作品の出来と思います。
仕上がりはとても良かったですよ。
監督・脚本:黒沢清氏
-------素晴らしい見事な豪華俳優陣!!-------------
・荒木村重役:本木雅弘さん (最高です、素晴らしい演技!)
・黒田官兵衛役:菅田将暉さん (非常に独創的で良い役柄を演じてます)
・千代保(荒木奥方):吉高由里子さん (悲哀感をもうちょっと前面に出した方がいいかな、心に秘めた思いの表現は出ていたと思います)
・郡十右衛門役:オダギリジョーさん (非常に頼りになる側近を演じてて それを強く感じました。最後までとても良かったですよ)
・荒木久左衛門役:青木崇高さん (髭がカッコイイ)
・乾助三郎役:宮舘涼太さん (近年注目の方、お顔にいい味がしてますね)
・雑賀下針役:柄本佑さん (益々のご活躍に期待!)
・秋岡四郎介役:ユースケ・サンタマリアさん (意外な雰囲気感じます)
・中西新八郎役:近藤芳正さん (戦の話でまとめ役的な所 強さを感じた)
・伊丹一郎左衛門役:河内大和さん (益々のご活躍を!)
・雑賀孫六役:渋川清彦さん (益々のご活躍を応援)
・無辺役:荒川良々さん (虎申の場面、長台詞でチョイ詰まった所 可愛いい(;^ω^) )
・高山大慮役:渡辺いっけいさん
・栗山善助役:前田旺志郎さん (次作も期待)
・北河原与作役:坂東龍汰さん
・瓦林能登入道役:吉原光夫さん
・池田和泉役:矢柴俊博さん
・野村丹後役:木原勝利さん
・森可兵衛役:吉岡睦雄さん
・寺男役:上川周作さん
・織田信長役:坂東新悟さん
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まぁ兎に角、俳優陣はがっちり組まれているかと思います。
運命共同体 一体感が必要ですからね。
(簡易あらすじ)
織田信長に謀反を起こし、孤立無援の有岡城で籠城戦を挑んだ荒木村重。
外には圧倒的な織田の大軍。しかし本当の恐怖は、完全に閉ざされた城の内側であった。
突如として発生した若者の不審死を皮切りに、城内で次々と怪事件が連発。犯人は間違いなく、共に命を懸けて戦っているはずの家臣や身内の誰かの様だが。
誰も信じられなくなった村重が頼ったのは、土牢に幽閉していた囚われの軍師・黒田官兵衛だった。
・冬:大和田城を守る安部二右衛門が織田側に寝返ったが、村重は人質である二右衛門の子・自念(じねん)を生かしたが 誰かに殺されてしまう。この謎を解く。
春:有岡城では、鈴木率いる雑賀衆と、高山率いる高槻衆が大きな戦力である。そこへ織田方の大津伝十郎が有岡城の目と鼻の先に陣を敷いてきたため、夜襲をかけた。見た事のない敵の大将首を2つづつ上げたが 敵大将をどちらが獲ったか分からない。そして若武者の首が凶相帯びた首にすり替えられた。この謎を解く!
夏:村重は、開城の交渉をするために 僧侶無辺(むへん)に明智光秀宛ての密書と手土産(茶壷の名品”寅申”を持す。夜陰に乗じて無辺を城外に行かせるる手筈である。村重は城内庵に無辺を滞在させ、刀法名士の秋岡四郎介を警護にした。ところが無辺も秋岡も何者かに斬殺されてしまう。”寅申”も無くなり密書も読まれた形跡があった。 この謎を解く!
秋:毛利が来ず、毛利につくと決めた村重は周りから追い詰められていた。
一方、無辺殺しの犯人は落雷の時鉄砲で撃たれて死ぬ。撃った奴は織田方に通じていたと思われるが コイツを探し織田に差し出そうと考えるのだが・・・
この謎を解くのだが、
本当の真犯人が誰なのか、やがて運命の行く末が 哀しくも訪れる。
そして解決の為 総てが向かう所へ 荒木村重は突き進むのであった。
そして黒田官兵衛が 如何なる者なのか その思惑が明かされる。
~刀ではなく、言葉で斬り合う緊迫の心理戦が見どころ。~
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(感じた事)
・とにかく この話、 昨今の近代的な推理物とは比較するにはちょっとヤバい。
”羊たちの沈黙”の FBIクラリス捜査官と猟奇的殺人知能犯レクタ-博士とのやり取りを少し感じましたね。
・冬の一説、事件に関与したのか 最も疑わしき郡十右衛門(弓術)との会話。
村重の質問に丁寧に答える彼。信頼を得たが 最後裏切りと成るのかと思っていたが 最後まで信頼於ける側近で居た役所が良かった。
官兵衛は ちょっとままならん感じしたが、郡十右衛門はイイねと感じました。
・夏の一説、荒木村重と千代保の遣り取り。虎申のエピですね。
大切な物は手放してはダメ。 再び手渡すかどうか悩む村重の心情はとても深く
そこの想いは 涙しました。
この壺と、奥方と、一緒についてきた家臣家来達と、 この大切にする思い 大事な事が重なって心の奥底に在ったって事が感じられ とても良かったです。
この荒木村重が 終盤どうなって行くのか、
ご興味ある方は
是非 劇場でお確かめください!!
堂々たるB級映画
黒沢清監督の映画大好きです。毎回必ず、「なんでそうなるの!?」という笑っていいのかどうかわからない謎展開があってワクワクするからです。
その黒沢さんが初の時代劇を監督ということで(微妙というレビューの多さに少し不安を抱きつつ)期待して劇場へ出かけました。
結果、とっても楽しめました! 原作は未読ですが、戦国時代を背景としたミステリーで、安楽椅子探偵ものなんですね。
黒沢監督は『羊たちの沈黙』好きをたびたび公言していて、地下牢に囚われた官兵衛(菅田将暉)を見て、ああこれが撮りたかったのかと。レクター博士の地下牢に雰囲気がけっこう似てる。
敵か味方かわからない天才が牢屋の中から難事件を解決する。まあ菅田将暉はレクターみたいなサイコパスではないですが、牢屋番を心理的に操って城主を襲わせたりもします。
あと鎖に繋がれた男というのは黒沢監督『蛇の道』にも出てきて、こだわりを感じました。
光の影の使い方がふつうの時代劇とかなり違っていて(全体的に暗い)、面白いなあと思いました。
ストーリーとしては、城内で起こる事件を菅田将暉が解決していく小気味良さと、全体の暗い雰囲気がちょっとミスマッチな感じもしましたが、まあ『薔薇の名前』とかもそんな感じか。
侍が雷に撃たれて死ぬシーンとか、何なんだこれと思いましたね。
戦国時代の城主なのに人を殺すことが嫌いな荒木村重(本木雅弘)が忠臣に向かって言う「天下、そんなもの犬にでも食わせろ」みたいなセリフ(うろ覚え)にしびれました。
見る前に日本史のこの時代の基本はおさえておいた方が良さそう。北野武監督『首』とかなり登場人物(武将)がかぶってて、比較して見るのも面白い。個人的には『黒牢城』の方がずっと好みです。
幕切れで村重は争いごとからイチ抜けして良い感じになっているように見えるけど、有岡城に残された家来や家族は皆殺しになっているんだよなあ…そのあたりを加味して見るとなかなかせつない終わり方です。
時代と信念のズレが生む悲劇
黒牢城はミステリーがメインのように見えるけど、戦国時代には似合わない村重自身の価値観や生き方を掘り下げていくところがメインのような、時代が違えば賞賛されるはずの不殺の信念を貫いたがために全てを失うっていう悲劇的なお殿様のお話。
エンタメ時代劇を期待していくと退屈だと思う。
わたしは俳優達の演技、景色、ストーリー
全てに大満足。
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