チルド

劇場公開日:2026年7月17日

解説・あらすじ

染谷将太が主演を務め、コンビニを舞台に描くホラー作品。コンビニというルーティン化された社会の中で起こった小さな歪みをきっかけに、外の世界も終わりに向かっていく姿を描く。第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞した。

東京の片隅にあるコンビニ、エニーマート倉冨町7丁目店の副店長・堺は、学生時代に働き始めて以来、気づけば20代のほとんどをこの店で過ごしてきた。レジ打ちに品出し、廃棄処理。そしてスマホゲームにマッチングアプリ。毎日はただ同じことを繰り返して過ぎていく。オーナーはコンビニというシステムの中でわずかな乱れも許さず店を支配しているが、そこへ新人アルバイトの小河が現れたことで、店の均衡は静かに崩れ始めていく。

ショートフィルム集「NN4444」や中編ホラー「〇〇式」を手がけて注目を集める映画レーベル「NOTHING NEW」が初めて送り出した長編作品。監督は、「NN4444」にも収められた短編「VOID」を手がけ、これが初長編作品となった岩崎裕介。主人公のコンビニ副店長・堺を染谷が演じ、新人アルバイト・小河役を唐田えりか、オーナー役を西村まさ彦、コンビニ店員・室井役をお笑いコンビ「令和ロマン」のくるまが務めた。

2026年製作/88分/R15+/日本
配給:NOTHING NEW
劇場公開日:2026年7月17日

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©︎「チルド」製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

映画レビュー

4.5 私たちの社会は正に今、映像の世界と一緒

2026年8月14日
Androidアプリから投稿

■一言で表すと
・日本の当たり前な社会ルールを冷(チルド)笑するホラー

■ あらすじ
コンビニでなんとなく働いている堺、働いているコンビニで不思議なことが起きていく。

■ よかったところ
・伏線がしっかり回収されている。

■ いまいちなところ
・もう少しストーリーがあって、上映時間長くても良かったかもな。

■ 考察・思ったこと
・Any MartのBGMがいい。
・小河の努力が賞賛をされないのが、社会のルールそのままになっています。小河には人を動かす力があるが、それを控えている行動が多く見られる。理想はいいが、それが本当にウケるかはわからない。
・オーナの行動は謎のままでした。最後の行動を取るなら、今までの従業員への行動はなんだったのか。
・オーナーの面接の質問が深い、如何に雇用者の支指示を聞けるかのような設問でした。しかし、小河を見抜けなかった。
・堺の理想なコンビニ像の中にオーナーがいないのは笑
・店舗や商品への愛よりも工数やコストを大切にする。
・ゲームセンターのメダルコーナーにいたのは、堺の母?

■ 10項目評価(スコア)
ストーリー
★★★★★
構成・脚本
★★★
演技
★★★★★
演出
★★★★★
映像美
★★★★★
音楽・音響
★★★★★
テンポ
★★★★★
世界観
★★★★★
感情の揺さぶり
★★★★★
余韻
★★★★★

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やんやん

3.5 生きてることとそうでないことは変わりないのだろうか

2026年8月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

無気力な死んだような目でコンビニで働く青年・堺(染谷将太)が遭遇する様々な「ルール」に縛られた人々。
そんな中コンビニで新たに雇われた小河と出会い自分の夢を具現化して生きる意味を得る堺だったが...。

登場人物がほぼ全員なんらかの「自分にしか通用しないルール」で縛られていてそこに他人が触れることで齟齬や軋轢が生まれ最終的に悲劇を生む。
序盤はそれによる息苦しさに耐えるために堺は感情を敢えて切っているような印象を受けます。

マッチングアプリで会う女性も一緒に働く店長も同僚も自分の思うルールでしか行動しません。
堺が最初に会う明るい女性(元乃木坂46の笑顔千両、清宮レイ)は死んだ猫の話を笑顔で心底楽しそうにします。
店長は自分が勝手に決めたルールを守るように強い、最後は...。
同僚はウザ絡みと独特のノリを強要します(令和ロマンのくるまが演じているのでコミカルではあるのですが知らない人からするとかなり迷惑な人間に見えます)。

そんな中で堺はそういう理不尽を拒み自分夢を率直に語る小河(唐田えりか)に出会います。彼女は彼女で自分ルール強いですが前向きで間違ったことには意見ができる人間です。
堺はそんな彼女から出会うことで自分夢ややりたいことを正直に吐露します。全ては良い方向に向かうと思われ...ません。

(以下ネタバレ)
後半になると特に濃くなっていくのが黒沢清監督的理不尽。
2人が感動的な話をしている横では理不尽な殺人が起きますが気づくことはありません。
作中堺がマッチングで会う看護士の真実を突いた言葉が「生きているのとそうでないのは変わりない」という言葉が重く響きます。
辞めた人も亡くなった人も笑顔で堺を迎えるラストはすでに起こったことを知っている観客からすると悲痛です。
そしてラスト堺は再び虚ろな目でコンビニのレジに立つしかないのでした...。

やはり最後の理不尽な自分ルールを守らない人間を制裁していく西村まさ彦のテンションの低いサイコぶりはとても怖い。
〆の大殺戮として大きな見せ場となっています。
生きているのとそうでないのは変わりないとしてもこうはなりたくない結末だと思いました。

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おさかな

4.0 サラダチキン

2026年8月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

斬新

ネタバレ! クリックして本文を読む
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まこやん

4.0 人間が怖いホラー

2026年8月13日
iPhoneアプリから投稿

幽霊などの超常的な恐怖ではなく、人間そのものの怖さを描いたホラー映画。ジャンプスケアや派手な脅かしに頼るのではなく、日常の中にじわじわと侵食してくる不気味さで攻めてくるタイプの作品で、特に日本特有の気持ち悪さがいい意味でよく出ていたと思う。空気感や間の作り方に「これは日本でしか撮れない怖さだ」と感じさせるものがあった。

ラストはどうしてそこまでいくのか動機が薄い気がするが、それでも積み重ねてきた不穏な空気そのものに説得力があったため、細部の疑問を差し引いても全体としては満足度の高い一本だった。
any martのメロディが耳から離れない。

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