免許返納!? : インタビュー
舘ひろし×西野七瀬「免許返納!?」で再共演 舘のアイデアで西野が投げ飛ばされた?

70歳の映画スターが免許返納をめぐる大騒動に巻き込まれていくコメディ「免許返納!?」で主演を務める舘ひろし、共演する西野七瀬が取材に応じた。共演は「帰ってきた あぶない刑事」(2024)以来。本作では、わがままな俳優と、冷静沈着で時に厳しく支えるマネージャーという関係性を絶妙なバランスで表現してみせる。(取材・文/内田涼、撮影/間庭裕基)

(C)2026「免許返納!?」製作委員会
舘が「私にとって西野くんはこの映画の生命線だと思っていたので、『とにかく冷たく突き放してください』とお願いしました」と振り返ると、西野は「舘さんがそうおっしゃってくださったので『この役じゃなければ、舘さんにこんなこと言えないよ!』というセリフの数々も、全力で楽しませていただきました」と確かな手応え。取材の席でも、コンビネーションは抜群だ。

舘が演じる主人公の南条弘はある日、何気ない発言をきっかけに、世間やマスコミから“免許返納”を期待されてしまう。昭和世代の映画ファンならば、“南条弘”という名前が「免許がない!」(1994)で舘が演じた主人公と同じだと気づくはず。時代は令和に移り変わり、「免許がない!」にオマージュを捧げる形で「免許返納!?」の企画は動き出した。

舘「そうですね。だから続編ではないんですけど、南条弘が約30年ぶりにスクリーンに帰って来まして。南条の人物像は、あんまり変わらなくても、まあいいやって(笑)。ただ、『免許がない!』は免許を取るまでの関門がいくつもあって、それを乗り越える話だった。今回は返納するだけなので(笑)、南条に何かしらのハードルを与えないといけない。そこが大きな違いで、ちょっと苦労したかな」

(C)2026「免許返納!?」製作委員会
西野が演じるのは、そんな南条に振り回されるマネージャーの川奈舞。「いままで演じたことのないキャラクターですね。南条さんに対してもガンガン言うし、ときにはスカしたり、受け流すことも(笑)。相手が舘さんということもあって、本読みでは、さすがに遠慮してしまって」と振り返ると、舘は「最初は抵抗があったと思うけど、西野くんは本当に真面目な女優さんだから、ちゃんと川奈を演じられると思った」と全幅の信頼を寄せた。

西野「前回共演させていただいた『あぶ刑事』もそうでしたが、舘さんは常に作品のことを考えていらっしゃって、必ず現場でアイデアを提案してくださる。台本がガラッと変わることもあって、私にとっては、それに応えられるか挑戦し続ける現場でもありました。舘さんはこれまでも、そうされてきたんですか?」
舘「そうです。台本は現場でどんどん変えていいものだと。若い頃は、セリフなんて覚えてこなくていいって言われていたから(笑)。例外は倉本聰先生の『玩具(おもちゃ)の神様』というドラマくらいかな。倉本先生の台本は“てにをは”も変えちゃいけないと言われてたんですけど、当時、倉本先生から『舘くんは、セリフ変えていいよ』と言われて。それが悔しくてさ(笑)、セリフを変えずに演じた記憶があります」

(C)2026「免許返納!?」製作委員会
現場では舘のアイデアによって、西野が急きょアクションシーンに挑むことに。当初、南条が乱闘に巻き込まれるシーンでは、川奈はただ茫然と見守るという台本だったが、「それじゃあ、川奈の立つ瀬がない。そこは川奈が“参戦”しないといけないなと。悪党にぶっ飛ばされるアクションも頑張ってもらった」(舘)、「投げ飛ばされるときは、足を伸ばすとカッコ良く見えるって、舘さんがアドバイスをくださった」(西野)と想定外の名シーンも誕生しているので、お見逃しなく。

さて、2021年に舘が設立した芸能プロダクション「舘プロ」は現在、映画製作に積極的に参画している。本作では企画を、昨年公開された主演作「港のひかり」(藤井道人監督)では製作委員会に名を連ねている。やり遂げられていない約束のために奔走する南条と同じく、舘は映画製作に熱き情熱を注いているのだ。

舘「映画製作に関しては、亡くなった石原裕次郎さん、渡哲也さん、石原プロの小林正彦元専務、みんなの夢でしたし、いまはそれを僕が背負っているんだと思うんです。その夢を実現させるために、いろんなことに挑戦していかないと。昔の映画作りは、それぞれの個性がぶつかり合って、もっと自由だった気がするなぁ。それがすごく楽しかったですし。キャメラ1台なんてザラが普通だし、フィルム撮影だったからかもしれない。でもね、今回はそんなオールドスタイルの映画作りができたと思っているんです。西野くんをはじめ、素晴らしいキャストが個性の強いお芝居をしてくれて、僕としては感謝です」



