劇場公開日 2026年7月3日

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きれっぱしの愛のレビュー・感想・評価

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3.0美しい映像のモンタージュで時間の経過を感じる作品。

2026年6月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

「ゴッドランド」で重いインパクトを与えてきたパルマソン監督なので覚悟して鑑賞しましたが、真逆の作品で大変驚かされました。
亀裂の入った家族の姿をモンタージュで繋ぎ、年月を重ねて行く作品。
淡々とした描写に驚かされ、笑わされ、楽しまされる1時間49分でした。

監督の実の子供たちを役者として起用し、3年近くも費やして撮影された映像の数々。
それらを紡ぎ、美しい映像と共に家族の日常を浮き彫りにしてゆく。
一つ一つの映像がしっかりと目に焼き付く作品となっており、最後までしっかりと堪能してしまいました。

余白を残したラストも含めて何度も鑑賞して咀嚼したくなる作品。
公開されたらまた観に行きたいと思います。

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かもしだ

3.0愛は終わった後にも残り続ける

Kさん
2026年6月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

《試写会にて鑑賞》

別居した夫婦の「曖昧な距離感」を通して、
従来の家族観や夫婦観からの脱却を描いた作品。

冒頭のシーンから家族の関係性を
象徴していて一気に心を掴まれました。

アイスランドの静かな四季の移ろいも美しく、
ユーモアと切なさのバランスが絶妙。

時折ブラックなのに、
どこか温かい空気に包まれているのも魅力。

余白の美学が詰まった映画で、
愛犬パンダの存在も最高のアクセント!
可愛すぎました。

本日はありがとうございました。

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K

4.0性や暴力、力関係と密接に結びついた日常の中で、爆発するのを待っている愛

2026年6月8日
Androidアプリから投稿

知的

難しい

斬新

タイトル『きれっぱしの愛(英題:残された愛)』とは何か?それは、機雷みたいに戦争が終わっても在り続けて、何かの拍子や弾みで爆発するのを待っている「愛」のように思えた。アンナの転倒やマグヌスの投石と、衝突の瞬間で次のシーンにカット代わりする点からも、そうした「バンッ!」(=爆発、衝突)が本作を読み解くカギな気がした。そして、爆発できない最高すぎるラストカットへ。
キャンバスに形取った鉄を並べて野外に放置するという、作品制作に時間を要する錆アートや、子どもたちの甲冑兵制作。そんな脈絡のない断片的「きれっぱし」な映像がモンタージュされていく中で、時間経過や季節の流れ、四季を感じる。一見ブツ切りみたいな語り口でも温度がある。アートにしても、漁の様子にしても、過程を丁寧に見せるのが印象的で、この監督は『GODLAND』にしても生活者の暮らしぶりを丹念に切り取る。正直、脚本として読めばなんてことのない作品だろうけど、映画として映像で語られる意味が、価値があるなと思った。実家の成長を捉えた長期間の撮影は、『6才のボクが大人になるまで』を少し思い出した。
上から目線の画廊オジサン曰く「正しいことを言うと批判される」社会で、本作は性や暴力、差別意識(=立場の優劣、力関係・支配構造)と密接に結びついていた。淡々飄々と放り込まれる暴力には呆気にとられたり、思わず笑ってしまったりした。例えば、異型を笑いのタネにしたり、極悪犯のニュースを笑ったり(コレにはドン引き)、自分の中の差別意識を浮き彫りにさせられるような感覚もあった。主人公家族の子どもたちは、監督の実の子どもたちということで、「この年でこんな言葉遣いや話題は大丈夫だろうか?(別れた元夫マグナスakaマギーじゃないけど)まっすぐ成長するだろうか?」なんて要らぬ心配をしてしまったが、その辺りの不謹慎さも織り込み済みだろう。これまた監督の愛犬、パンダ(という名前のアイスランドシープドッグ、確かにパンダ柄)がかわいかった。という意味で、これが本当の家族(ファミリー集結)映画だ!
芸術家(=先進的?)のアンナと、男社会の漁船で働く(=前時代的?)マグヌスという、元夫婦で対照的な仕事も印象的だった。アンナとの電話シーンが本編中で2度ほどある男性キャラが露骨すぎてキモかったし、電話が終わって「やりたい」連呼するところで、本作で監督が描こうとしていることの一つの面を感じた。鶏ビッグバードの逆襲や、子どもたちが矢の的として作った甲冑姿の兵隊など、突如として地続きな夢描写が入ってくるマジックリアリズムも、困惑とともに不思議な余韻を残す。バードストライクか、クソ野郎突如の退場には一種のファンタジーとして一矢報いる感じがあって、不謹慎ながら笑ってしまった(あの瞬間、ウェス・アンダーソン味もあった)。ちなみに『GODLAND』の主人公であるデンマーク人牧師も、本作の画廊オジサンに負けじと、アイスランドの人々に上から目線だった。
「笑えない」――始まりは家族ビデオ(フィルム)の延長線上かもしれないけど、結果的には男女平等の中の男女差別や、機雷から他国に利用されてきたアイスランドの歴史まで網羅した、アイスランドという国自体を扱った作品のようでもあった。離婚に自虐的ユーモアも北欧らしさもいっぱいだ。性や暴力、差別意識もまた本作を構成する重要な要素だが、それらは決して社会問題として整理されるのではなく、家族や元夫婦の関係性の中で生々しく存在している。そして、その緊張関係の中にこそ、本作のいう「残された愛」が潜んでいるように思えた。

P.S. 最後に家族への感謝も出てくるが、家族の記録映像的な側面もある作り方や製作キッカケだから、そりゃそうだ。

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とぽとぽ

3.5アイスランドの光が美しい

2026年6月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

映画は最初の映像から引き込まれました!
大きな屋根が撤去されていく様はとても象徴的でこれから始まる物語を示唆しているかの様でした。
映像はアイスランドの四季を追いかけとても美しい映像がタイムラプスの様に変化していく。
主人公のアンナは現代美術家でその制作過程がとても興味深く監督の映像の作り方とリンクしているかの様だった。
作品は生と死ノ臭いが感じられる。
そしてそれを冷徹に見つめるクリエイターの目が感じることができた。
芸術は情熱だけでは生み出すことが出来ない。
アンナのクリエイターとしての生き方がそこにはあつた。彼女の目は未来をしっかりと捉えている様に思う。
それと対照的にアンナの別れた旦那は過去に向かって生きている様だ。
また子供達がカカシの様な物を作り出しそれを的に弓を放っていく。
象徴的な映像が物語の合間にインサートされそれも死の気配が漂っている。
全編通して光と映像が美しくまるで映像自体アートの様だった。

本作には、常に「生と死」の匂いが漂っています。
そして、それを冷徹に見つめるクリエイターの視線を感じずにはいられません。芸術は情熱だけでは生み出すことができない――そんなアンナのストイックな生き様がそこにあり、彼女の目はまっすぐに未来を捉えているように映りました。

それと対照的なのが、過去に囚われて生きているかのような元夫の姿です。
さらに、子供たちがカカシのようなものを作り、それを的に弓を放つ姿。物語の合間に挿入されるこれらの象徴的なカットからも、静かな死の気配が感じられます。

全編を通して光と影の捉え方が美しく、映画そのものがひとつの洗練されたアートピースのようでした。

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chai

4.0静謐な自然とざわめく人間の対比

2026年6月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

もう元には戻れない家族の生活をシニカルに冷ややかに、時折ユーモラスに見つめる映画。
予告も見ずに前情報を入れずに鑑賞したら、思いもよらない映像や展開が待っていて楽しめました。
時折挟まる幻覚のような映像は、元夫マグヌスの負い目なのか悪夢なのか。
作中に出てくる男たちはどこかみっともなく、監督の自虐的、自戒的な視点も感じられました。

オフビートで淡々としたテンポで変なことをやってくれる映画はやっぱり好きです。
北欧映画ならではの空気感なのでしょうか。

監督の愛犬のパンダさん、名演でした。
とても賢く愛らしくパルム・ドッグ賞受賞も納得!

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よもぎうどん