君のクイズ

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劇場公開日:2026年5月15日

解説・あらすじ

直木賞受賞作家・小川哲が2022年に発表しベストセラーとなったミステリー小説「君のクイズ」を映画化。

賞金1000万円をかけた生放送のクイズ番組「Q-1グランプリ」の決勝戦。お茶の間が注目するなか、「クイズ界の絶対王者」こと三島玲央と、「世界を頭の中に保存した男」といわれる本庄絆は、ともに優勝への王手をかける。そして迎えた最終問題の早押しクイズで、本庄はまだ問題が1文字も読まれていないにも関わらず回答ボタンを押す。どよめく会場をよそに、なんと本庄は正解を言い当て優勝を果たす。あり得ない出来事に、三島は困惑を隠しきれない。本庄はなぜ不可能とも思える「ゼロ文字正答」を成し得たのか。三島はその謎を解明すべく独自に調査するが……。

豊富なクイズ知識と論理的思考をあわせもつ主人公・三島玲央を中村倫也、三島と対峙する謎多き天才クイズプレイヤー・本庄絆を神木隆之介、番組の総合演出を手がけ、盛り上げるためなら手段を選ばない坂田泰彦をムロツヨシが演じる。「ハケンアニメ!」「沈黙の艦隊」シリーズの吉野耕平監督がメガホンをとり、クイズプレイヤーの脳内で繰り広げられる思考の迷宮を、VFXを駆使してスタイリッシュに表現する。

2026年製作/118分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2026年5月15日

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©2026映画『君のクイズ』製作委員会

映画レビュー

4.5 予想外

2026年5月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

なぜ?から始まるストーリーで、単純になぜ?だけでも2転3転して面白かった。さらに人間ドラマも良かった。
良い意味で予告詐欺かも。

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だるまん

3.0 盛り込みすぎ

2026年5月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

原作未読で言うのもどうかと思うけれど、たぶん映像向きではないんじゃないかな。
余白がなくて観てて苦しい。
クイズやテレビ番組以外のあれやこれやを盛り込んでしつこいんだと思う。
主人公の歩んできた人生について描くのはいいのだけど、なんか「みんなに関係する話なんだからしっかり考えなさい」と言われているようで…
そして前半はかなりつまらない。
キャスティングも阿部亮平さんと伊沢拓司さんは違うんじゃないかな。

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みかんのタネ

4.0 ワイルドスピード葵さんが

2026年5月20日
Androidアプリから投稿

よかったです。予告編がミスリードです。正統派のミステリーで役者さんが皆達者です。面白かったです。

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michi

3.5 「ゼロ文字解答」という美しい「日常の謎」に、クイズ王どうしのブロマンスを添えて……。

2026年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

会社の同僚に、早大クイズ研出身の女性がいる。
「アタック25」に出場して見事優勝を果たし、
その優勝者大会でまたも優勝したという猛者である。
話してみると、やはり知識の幅が甚だ広い。
あらゆる事象を網羅した上で掘り込んでいる。
しかも知識の更新を怠らない。
クイズガチ勢は、本当に凄い。

僕自身も学生時代、クイズはとても好きだった。
クイズ研のヤバイ人たちのようにはいかないけど、
ゲーセンの『クイズ殿様の野望』あたりで、
よく遊んでいた(10コインくらいで全国制覇していた)。
特に芸術と生物のジャンルは当時からほぼ無敵で、
クラスメイトに高校生クイズに一緒に出ようと
猛烈にスカウトされたが、頑なに拒絶したのは、
いまとなっては懐かしい思い出だ。
(そういえば、大学時代のサークル同期が
日テレで長年「高校生クイズ」の担当をしていたなあ。)

といった感じで、「クイズ」という題材には、人一倍、強く惹かれる部分がある。

小川哲の『君のクイズ』が出版されたときも、もちろん大いに気になったし、これは必ず読まないと、と思った。
だが近年、ミステリ新刊を実際に買って読むだけの気力が著しく減退していて、それをなかなか行動に移せない。
いつか読まなきゃ、いつか読まなきゃ……とか思っていたら、思いがけず映画になった。
じゃあ……まあ……映画でいいか。
最近の僕はとても諦めが早いのである。

― ― ― ―

『君のクイズ』は若干の変化球ではあるが、いわゆる「日常の謎」を扱う本格ミステリの王道を行く作品である。
「日常の謎」とは、人殺しが起きないタイプのミステリで、ふだんの生活のなかで遭遇する「魅力的な謎」を素人探偵が推理・解決することで、思いがけない近隣住人の秘密や突拍子もない行動の理由が明らかになるというものだ。
大昔からこの手の「日常の謎」物はあったにはあったのだが、日本では北村薫の『空飛ぶ馬』(円紫さんシリーズ)や若竹七海出題の『五十円玉二十枚の謎』あたりが出版されて、なんとなくジャンルとして確立したような記憶がある。その後は学園もののライトミステリ(米澤穂信の「古典部」シリーズとか)などで幅を利かせつつ、雨穴みたいな変種も生み出しながら拡大してきたジャンルだといえる。

本作の謎は、強烈だ。

「クイズ番組の優勝者は、なぜ問題を1文字も聞かずに正解できたのか?」

いやあ、すばらしい。
ね、すばらしくないすか?
なんて魅力的な謎の設定!!!
だって、これって密室トリックや
アリバイトリックと同じ、究極の
「不可能興味」じゃないですか!!

しかも強烈な「違和感」をまとっている。
ありそうでないギリギリのライン。
「競技かるた」と同じで、
1文字ならまだわかるけど、
0文字じゃさすがに無理じゃね?
というラインどりが絶妙だ。

古株のミステリマニアの立場から言わせてもらうと、「魅力的な謎」には必ず「それに見合った凄い解答」がセットでないとダメ、というわけでは必ずしもない。
「魅力的な謎」には、それだけで価値がある。
これだけそそる「謎」を思いついたというだけで、もう凄いのだ。
探求心がくすぐられる。わくわくが止まらない。
こういう吸引力抜群の「謎」を提示し得ただけで、小川哲は天才だと本気で思う。

― ― ― ―

で、最後まで観てどうだったかというと、率直にいって存外面白かった。
2時間、全く飽きることなく最後まで観られたのだから、僕としては十分に楽しめたといっていい。
観終わってから映画.comを覗いて「なんだ、意外と叩かれてるんだなw」と苦笑させられたくらいでして。まあ先にも言ったとおり、僕は原作を読んでいないから「劣化してる」とか「なんであそこをああしたんだ?」といった要らないことを考えないで済むし、とにかく中村倫也が思いのほかかっこよくて、彼の一挙手一投足を追っているだけで充分目の保養になった。
今まで彼の魅力にあまり気づいていなかったんだけど(ちなみに僕の妻は昔から追っかけをしているw)、中村倫也ってきびきびと歩いてるだけで色気がもわっとにじみ出てくるような俳優だったんだな……。

たしかに、画面作りは全般的にテレビっぽくチープな感じがするし、CGを使った文字演出も個人的な意見だが、かなり「ダサい」感じがする。
でも、テレビ局が舞台で、テレビが主役の話だから、敢えて「テレビっぽさ」をカメラと演出の双方で強調するというのは、あっておかしくない考え方だと思う。

ムロツヨシの番組プロデューサーも、ユースケ・サンタマリアのブンヤも、妙にクセが強いというか、あまりにステロタイプすぎる「世間が考える業界人」をコテコテに演じさせられている感はある。でも、この映画は基本的に「漫画的」というか、クセの強いキャラクターを揃えた「キャラクター映画」としてもともと企図されているっぽいので、そこも観ていてあまり気にならなかった。演技合戦としてはむしろ面白い部類の映画だった印象。

何より、原作はどうやら主人公がひたすら推理しつづける「論理ミステリ」として成立しているらしいが、それを映像化するにあたって「テレビ局のギミックとクイズ王」という「プロとアマチュア」の協業・軋轢・対立の部分に焦点を絞り、テレビスタジオを舞台としたある種の「密室法廷ミステリ」に仕立て直したアイディアは、悪くないのではないか。

●密室劇としての「君のクイズ」
ちょうど、舞台をドラマ化したようなスタイルで、出演者もカメラも(回想シーン以外は)ほぼスタジオの中から出ない。たまに出ても、テレビ局のなかにとどまる。登場人物の一人はテレビ局の「外」にいると我々は思わされているが、実はそうではない。彼もまたテレビ局の「中」にいる。すなわち、彼もまたテレビに囚われて逃れられない人間なのであり、さらにはテレビ局「側」の人間としてこの物語に噛んでいるということだ。

●法廷劇としての「君のクイズ」
本作は、主人公の三島が探偵役を務める本格ミステリではあるのだが、原作と異なり映画版では「疑似法廷」による「模擬裁判」のような形式を取る。
すなわち、個人の推理ではなく民衆裁判のような形で、冒頭に提示された魅力的な謎を検証していく。名探偵はクイズに関する該博な知識と洞察をもって、セミファイナルの出場者を「助手」のように用いながら、ゼロ文字解答の謎へと迫っていく。

●プロとアマの物語としての「君のクイズ」
ここで描かれる物語は、題材としては「クイズ」なのだが、その本質は「アマチュアが参加する番組」の典型としての「クイズ番組」において、プロのテレビマンとアマチュアの出演者がギリギリのせめぎ合いのなかで生み出すドラマである。
面白いのは、アマチュアであるはずのクイズ王も、テレビに出続けることで「プロ」の側に引き寄せられ、ただのアマチュアではいられなくなるということだ。
カメラの前でガチバトルを展開する以上、出演者はある種の「演出」を意識するようになる。三島と本庄の対立は、そのまま「テレビにおけるショー化を敢えて意識しないことでクイズ求道者としての矜持を保とうとする」三島と、「むしろ意識してどんどんキャラを演出してタレント化してみせる」本庄の「クイズ番組に対するスタンス」の対立でもある。
本庄が「ゼロ文字解答」を番組内で実現し、三島がそれを後から推理する側に回るというのも、実はまさに両者の関係性に裏打ちされた納得のいく展開である。

本庄は、この放送を単なるクイズとしてではなく「クイズ番組」としてとらえ、「人に見せるために人の作ったクイズ」という特殊なエンタメの在り方をも思考の対象として取り入れたからこそ「ゼロ文字解答」へとたどり着いた。彼は、設問者の意図まで含めたクイズの深みと澱みへと、文字通り橋の上から「ダイブ」したのだ。
いっぽう三島は、クイズというアートに対する憧憬と、その純粋性や透明性に対する信頼感が強すぎるがゆえに、これが「演出されたエンタメ」であり、「クイズをモチーフにしたスポーツ放送の亜種」であり、「あくまで観客に観てもらうためのコンテンツ」であることに思いが至らない。だから結局は「名探偵」の側に回るしかなく、本庄の思考を「追体験」することで、ようやく「テレビのロジック」という新たな要素を「クイズ」をめぐる思考に組み込むことに成功し、やがて真相へと至る。

クイズ番組は素人参加型のエンタメだが、素人はやがて素人ではいられなくなる。
プロとアマの境界はやがて溶解し、クイズは純粋なクイズではなくなっていく。
魅せるクイズには、魅せる質問が重要だ。
その意味で、最後にもたらされるこの「謎」の答えの内容は、「ドラマの正解」としては実はよく出来ていると思う。

― ― ― ―

ただ正直なことを言えば、謎解きのほうは、あまり納得できなかった。
番組側がそういうことをするかどうかはさておくとしても、あれが真相になっちゃうと、ちょっとクイズ王をバカにし過ぎてるんじゃないかなあ、と。

クイズの達人って、たぶん囲碁将棋の達人と似た境地にいると思うんですよ。
過去の全局の全手順を覚えていて、いつでも再現できるような、あの境地。
野球の落合やイチローにしても、何年何月のだれだれとの対戦の何球目でとか、全部まるっと覚えてるらしいじゃん。クイズ王の皆さんだって、過去に自分が答えたクイズの問題とか、ふつうに全部もれなく記憶しているくらいなんじゃないのかな?
そういうクイズ王が、事の真相にすぐ気づかないというか、それ以前に「今進行しているクイズの出題」に違和感を覚えないなんてことは、絶対にあり得ないと思うんだよね……。
「そうか、僕はゾーンに入らされてたんだ!」とか、そういう「ぬるい」感想にはさすがにならないんじゃないのかなあ……??(笑)

それと、出だしで本庄がゼロ文字解答をすることで、なんで三島まで「グル」だとか「裏でつながってる」とか言われてるのか、正直理由がよくわからなかった。あの放映された番組内容で、どこか三島が本庄とつながっていると疑われるような部分あったかな? 叩かれる要素はなかったと思うが……。(まあ、プロデューサーが裏で焚きつけてたのかもしれませんが)

堀田真由の彼女さんもすごく可愛かったんだけど、あの流れで彼氏のプロポーズを受けて、あんな形で出てっちゃうって、結構めんどうくさい人だよね? たとえ事態をクイズにたとえた言い草にデリカシーがなかったとしても、悪意も敵意もまったくなく単純に心配してくれている相手に対して、ああいう傷跡残すような捨て台詞残してそのまま戻っても来ないとか、この女もまあまあえげつねーな、と普通に思ってしまった……。そもそも寄り添い方が不器用なのは「織り込み済み」で付き合ったんじゃなかったの?

といった感じで、ぽつぽつ不満もあったけど、まあ総じて楽しめました。
何より、意識的に撮られた三島と本庄のライトBLというか「ブロマンス」として、ふつうに面白かったので良かったかなと。

― ― ― ―

●「迦陵頻伽」だけ、観ながらクイズ王二人より先に答えをつぶやいてしまいました(笑)。さすが俺。

●本庄の過去のいじめ描写は、旭川の女子高生墜死事件が元ネタなのかな? なかなか胸糞な感じだったけど。

●結局、三島が「これは本庄さんの魔法です」って答えたのって、「お前の思い通りにしゃべるもんかよ、このくそプロデューサー」ってことだよね。

●スタジオのセット解体とともに物語が終焉を迎える作りは、この「テレビが主役」の物語にふさわしい。

●ラスト近く、本庄に対して三島が「いったいどこに行くんだ? 答えのない世界なんてあるのか?」みたいなこと口走ってたけど、本庄ってこいつ東大医学部なんだろ?
じゃあ、ふつうに医者になれよ、医者に(笑)。
人助けをして徳を積めば、新しい見えてくる「クイズの解き方」もあると思うよ。

●最後、堀田真由はなんて言おうとしたんだろうね。とても粋な演出でした。

●でも、映画は大分魔改造されてるっぽいし、やっぱり原作も読まなきゃなあと思いました。

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じゃい