劇場公開日 2026年5月29日

「悲しみを乗り越えて生きていく過程は人それぞれ」箱の中の羊 まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 悲しみを乗り越えて生きていく過程は人それぞれ

2026年6月12日
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鑑賞方法:映画館

スピルバーグの「AI」を思い出した。あれが2001年の作品だったとは、スピルバーグはやはりすごい。あの作品は役目を果たしたA.Iの心のケアのような事が描かれていた。最初からAIが主人公だった。

この作品では亡くした我が子のコピーのようなヒューマノイドと暮らし始める夫婦が主人公で、知識データは我が子のようでもやはり心はコピー出来ないということを、少しづつ生じていく違和感で表現されている。それでも心の整理がつかずにいた事がその存在によって昇華され前向きに変わっていく。我が子はもういないのだという現実をしっかりと受け入れる機会になったかのようだった。
ただそこからAI達が自我によって行動していくことで、話が当初のイメージと変わって行く。建築家の夫婦に当たっていたフォーカスがAIの方に移動して行った。このストーリー展開はどうなのか。SF的な話は嫌いではないが、個人的にその後のヒューマノイド達がどう過ごしていくのか…イメージは前向きかもしれないが、現実的には違和感。

近未来のお話だが、角田と野呂の夫婦、大悟の会社の同僚達そして熟練職人田中泯、音々の母と妹、隅々まで理想的な役者の存在感が温かく、そこはさすが是枝監督。だがヒューマノイドの存在、開発提供している会社のシーンだけいかにも近未来な雰囲気をまとっていて無機質、他とは同じ映画のシーンと思えないような不思議な違和感があった。それは敢えてなのか? だからこそ、とても人間くさい大悟はとても良かったと感じた。

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まっちゃまる