「通話の声のリアルさが物語るイスラエル軍の非道」ヒンド・ラジャブの声 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
通話の声のリアルさが物語るイスラエル軍の非道
ガザ地区で避難しようとしていた車がイスラエル軍に攻撃された。中に乗っていた少女から救助を求める通報が入る。支援組織のメンバーたちが少女を助けようとする姿を描く。
これが事実であることには驚くが、それ以上に映画で流れる通話の音声が実際のものだということ。切羽詰まった感じがリアルで恐ろしくなる。6歳の少女だし、動転していたら支離滅裂なことを言うだろう。こちらの問いかけにもちゃんと答えないときもあり、観ているこちらはヤキモキすることも。このあたりもリアルな音声だからこそ。だから、根気強くコミュニケーションをとろうとする支援組織のメンバーたちがとてもまぶしかった。すごいな、この人たち!
少女を救助することができるのか?という映画ではない。いや、何の情報もなく観ることができればそんな鑑賞方法もあるが、そういう意味ではそこにあまり面白さは存在しない。映画の概要説明等でいろいろと書いてあるから。大事なのはそれ以外のところなんだろう。
最後に、実際銃撃を受けた車の残骸を見ていろいろと考えさせられた。日本の平和に安堵したり、紛争により人々が命を落としていくことを悲しんだり、戦争の悲惨さや残酷さを嘆いたり。人によって感じるものは様々だろう。私はイスラエル軍への怒りが一番強かった。そもそも軍隊という組織はこんな非道な行為を生み出す構造があるんじゃないかとさえ思ってしまう。それでも助け出そうと努力する人たちの姿に感動し、自分もあちら側でいたいなと強く感じた。
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