ランニング・マンのレビュー・感想・評価
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原作準拠のディストピアで展開する、現代にも通用する寓話
予習にとシュワちゃんの「バトルランナー」を観たのだが、設定も雰囲気も原作とはほぼ別ものだった。
本作の宣伝もよくあるアクション映画っぽくて、つまり最後に主人公が勝つことが確約されているようなある種ポジティブな、エンタメ色の強い雰囲気が漂っていて、あーこっちも色々アレンジするのかなと思っていたら。
蓋を開けてみたら驚くほど原作準拠で、陰鬱としたディストピアがちゃんと原作に近いイメージで描かれていて、ちょっと嬉しくなってしまった。
原作での時代設定は2025年、つまり去年の話だ。
スティーブン・キングがリチャード・バックマン名義で本作を発表した1982年に彼が展望した2025年という未来は、コングロマリットであるネットワーク社によってフリーヴィーで洗脳され、持つ者と持たざる者とが完全に分断された社会。
このキングの予見は、当たらずとも遠からずという印象がある。SNSとそこで起こる炎上を連想した。生贄となる当事者のごく一面が切り取られ、あるいは言動が改変されて拡散される。傍観者は自身の抱える現実への鬱憤ばらしなのか、匿名をいいことに無責任に煽り、焚き付け、拡散する。それによってSNSの運営会社はビュー数を稼ぎ潤って、世論の動向を握る存在になってゆく。
原作でも、リチャーズの自撮りが勝手に加工される描写がある。近年ネットにはびこる、生成AIによるフェイク動画を彷彿とさせる。
フリーヴィーを消せという警告は、スマホを手放せなくなった現代の私たちにとっても、古さを感じさせないメッセージだ。キングの慧眼に改めて感服する。
原作通りに展開していくことを察した時点で、ラストをどうするのかが気になった。
(以下、原作の結末に触れます)
原作では、妻と娘はリチャーズの逃走中に「事故」で死に(思えば原作でもこのことはキリアンの台詞で言及されたのみなので、真偽不明という含みがあったのかもしれない)、リチャーズ自身は旅客機内でマッコーンを倒し大怪我を負った後、その旅客機ごとネットワーク社のビルに突っ込む。その瞬間で物語は終わり、映画のような種明かしはない。
911のことがあるから旅客機特攻描写は無理だろうし、グレン・パウエル主演のアクション映画にここまで救いのないラストは似合わない気がした。
だから、終盤からラストの種明かしまで、落とし所自体はちょうどいいと思えた。
ただ、種明かしに入った時のYouTuberみたいな説明動画は、直前までの高揚した気分が断ち切られてちょっとしらけてしまった。
その他気になった点としては、アメリアの変節があっさりしすぎに見えた。また、ケイティ・オブライアンの使い方がちょっと出演時間の長いモブみたいな扱いでもったいなかった。
ここからはさらに偏ったポイントでの感想になる。
以前観た「落下の王国」でリー・ペイスにはまってしまい、その後彼が出演している映画やドラマなどをちょいちょい漁っては崇めていたのだが、そこへ本作出演の一報。喜びましたよそりゃあ。
ところが、公式サイトを見たらなんとあの覆面姿。イケオジなのに何故!? もうがっかりですよ。原作のマッコーンは覆面なんか被ってないのに、妙なとこ改変すんじゃねー! と内心若干荒れていた。
でも、敵役のメインキャストだから覆面を取る時が来るかもしれない……でもオープニングのタイトルバックにも名前がない、その程度の扱いか……と、上映開始後も推しの去就に気持ちが揺れた(ちゃんと映画を見なさい)。序盤から結構登場してるのにずっと覆面……覆面をしていてもプロポーションが見事で華があるからいいけど。(パンフレットのスチール写真もほぼ覆面……泣)
そういうわけで、マッコーンが覆面を脱いだ時が個人的には一番アガった瞬間だった。肌荒れメイクみたいなのしてたけどそれでもイケオジ。しかもイケボ。
リー・ペイスの長身で完璧なバランスの肢体とご尊顔、グレン・パウエルの適度にパンプアップされてギラギラした肉体。これらを拝めたので大満足です。
スティーブン・キング原作作品をエドガー・ライト監督が映画化。終盤に展開が加速するが、実は良く出来ているノンストップアクション・エンタメ作品。
貧富の格差が広がるアメリカの近未来で、子供の正規の薬も買えない主人公が家族を守る最後の手段として「30日間逃げ切れば巨額のお金が得られるが、プロの殺人ハンターに捕まれば即死」という国民的人気のテレビ番組への出場を決めます。
設定が過酷なだけに、文字通りのサバイバルアクションがノンストップで展開されます。
本作の独自性は何と言ってもエッジの効いた演出で知られるエドガー・ライト監督作品という事でしょう。
遊び心に溢れたアクションシーンなど見応えが多くあります。
ただ、その一方で特に展開が加速する終盤は若干置いてけぼりのような感覚を持って、出来を判断しかねる状態でした。そこで改めて吹替版で見てみると意外と整理されていて良く出来た作品だと判断できました。
これは、間に登場するYouTuberの解説映像が、ややトリッキーに見えて混乱を与えるイメージでしたが、画面を突き破ったりする映像の演出が(無駄に?)凝っているだけで、内容自体は決してトリッキーではなく情報を上手く整理できていました。
映像や内容が凝っているぶん、より堪能するには吹替版で体感するのも良いのかもしれません。
エドガー・ライト監督らしい遊び心と疾走感が光る
かつて大雑把な脚色&シュワルツェネッガー主演で映画化されたキングのディストピア小説。これを改めて楽しむなら「今」だ。というのも原作の時代設定がまさに2025年だから。エドガー・ライトが装いも新たに描く本作は、いつもながら遊び心でいっぱい。その一方で、権力や富が独占され、人々がいとも簡単に騙され、なおかつ分断、衝突の一途をたどるストーリーは現代社会をピタリと言い当てていて、キングの鋭さに唖然とさせられる。主人公の置かれた境遇ややり場のない怒りもあって、序盤の薄暗く希望なき重苦しい描写はやや取っつきにくいかも。だが中盤以降、孤立無援と思われた彼に支援者が現れるにつれ、本作のワイルドなドライヴ感は増幅する。中でもビデオテープや冊子のアナログ・テイストやマイケル・セラが登場するあたりのニヤリとさせる逆襲や矢継ぎ早の趣向こそライト監督の真骨頂。主演のパウウェルも等身大の愛すべきキャラを好演している。
メディアの真実
■一言で表すと
メディアの真実は何か。人間は何に対して刺激的に感じるのか。
■ あらすじ
アメリカの原子力の工場で働いてたベンが仲間を庇う為に、クビとなり、要注意の記録を残された。娘が病で薬代も稼げない生活で妻シェイラが頑張っていたが、ベンがリアリティショーで娘の薬代を得る為に、オーディションを受ける。オファーはクリアしたものがいないラーニングマンであった。家族のために、逃げ切る奮闘をする。
■ 考察・思ったこと
・ダンは家族の為に頑張っているが、どんな家族かのシーンが少ない為、家族の為に頑張るというよりも、メディアを通しての支配力がテーマー、技術が進んでおり、いくらでもフェイク映像を作れる。
・架空な世界の中、スラムと富裕層でエリアが分かれており、生活が360度違う。同じ国と言えるのか。
・エルトンは助けるというより、仕掛けを使いたくてしょうがない。ホームアローン感があっていい。
■ よかったところ
・ランニングマンという番組、観覧の市民、ダンを応援する群衆、スラムも裕福な市民が刺激を求めて必ず見る番組、機関の洗脳に落ちていくようなところはとてもよかった。
・頭を使うなくても、楽しめるアクション映画となっている。
・少し近未来なアメリカであり、時代感設定はよかったです。
■ いまいちなところ
・部分部分ストーリーが飛んでいるところがあり、回想なのか夢なのか現実かが区別しにくいところ直ちにある。製作期間が短いためなのか、テーマと伝えたいことが伝えきれていない。
■ 10項目評価(スコア)
ストーリー
★★★★
構成・脚本
★★★★
演技
★★★★
演出
★★★★
映像美
★★★★★
音楽・音響
★★★
テンポ
★★★★
世界観
★★★★★
感情の揺さぶり
★★★
余韻
★★
怒り
何を感じるか?
怒りがテーマ。
アメリカ全土を舞台に繰り広げられ
逃げる、逃げる、隠れるの展開。
登場人物の思想や立場の思いの動きが
交差して滲み出てくる。
それを悪用したフェイク動画も。
アメリカ批判でもあり
格差社会への怒りの警告でもあった。
シュワちゃんの紙幣
逃走中‼️
最初、エドガー・ライト監督がシュワちゃんの「バトルランナー」でお馴染み、スティーブン・キング原作の「ランニング・マン」を映画化すると聞いた時、ワクワクが止まりませんでした‼️どんな面白い作品になるんだろう⁉️そんな期待度MAXで鑑賞したんですけど、なんかツマらなくはないんだけど、特別面白くもない‼️グレン・パウエルをはじめとするキャスト陣、ハンターなどのキャラ、SFXも洗練されてるんだけど、なんか面白みがない‼️やっぱり私は「バトルランナー」のシュワちゃんやマリア・コンチータ・アロンゾ、C級感あふれるハンターたち、カリスマ性溢れるキリアンの司会者ぶり、ステージへ向かうジェットコースター、ラストの主題歌まで、シュワちゃん版の方が圧倒的に好きですね‼️なんか「ランニング・マン」というよりは「逃走中」みたいな感じ‼️
程よい近未来、スピーディで面白い
Mercyみたのでついでにアメリカン映画まみれになってみるかと終演前に滑り込み。またしてもアメリカンらしい極端な設定だが一回慣れれば目を瞑れる。
エドガーライト監督知らなかったけど、口コミ見るとみなさん監督の話ばかり、そんなに信用厚い?ならと期待、初見なのでらしさはよくわからんけど凄まじい疾走感、楽しめました!
グレンパウエルはトップガン、ツイスターズとニヤリと笑うほんのり嫌な奴風味の役が頭に残っていたけど、今回はひたすら怒っていて少し払拭。しかしこの人かっこよいはずなのにそういう印象にはならない不思議。。
独自の世界設定なんだけどあまり説明ないからとにかくついていくのが大変。フェイクも混じって常に考え続けてる。あと冒頭30秒くらい遅刻したら早くも話についていけなかった。元職場に頭下げに行ってたということか?仲間を庇ったらクビになったの??その世界観不思議すぎてよくわからん。ギリギリ生きては行けるけど風邪の薬は高すぎて買えない。オーディションもとりあえず受かってからどれに出演するか決まる?要は堕ちるところまで堕ちた格差社会で弱者は金持ちの娯楽の奴隷みたいになってるということなのかしら。RM共演の2人ははなから死ぬ前提で贅沢を楽しんだ?
街中にDNA識別器があって、変なリストバンドもつけさせられて、フェイク映像で全国民から嫌われる、大して変装もしてないしこりゃ逃げるの無理でしょ、という中番組の裏をついたり、反体制派の人たちに助けられて飛び回る。入れるとすぐドローンが飛び立つポスト未来的で面白かった。
背景全然違うけど周り中から襲われる、というのでボーの映画を少し思い出す。
あとフェイク映像作るスピードすごい、けど元の設定という2025?の現実に割と近い技術になっていて、どこからが原作からのアレンジなのか気になる。
思っていたのと違う
中途半端
1.はじめに:エドガー・ライト監督との相性
❶エドガー・ライト監督の長編監督作品は、本作を含め8本が日本で劇場公開されていて、全作をリアルタイムで観ている。
❷作風は、音楽と映像をシンクロさせたテンポが速くカット割りを多用した編集で、アクション、コメディ、サスペンスの要素を融合させた遊び心満載の映像を生み出すことを特徴とする。全作共、脚本又は共同脚本を兼任している。
❸マイ評点は下記の通りで、バラツキはあるが、全体の相性は「良好」である。
①2004年 ショーン・オブ・ザ・デッド 2019/03公開、2019/03鑑賞80点
②2007年 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン! 2008/07公開、2008/08鑑賞95点。
③2010年 スコット・ピルグリム VS.邪悪な元カレ軍団 2011/04公開、2011/05鑑賞40点。♠ワースト
④2013年 ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 2014/04公開、2014/04鑑賞95点
⑤2017年 ベイビー・ドライバー 2017/08公開、2017/08鑑賞70点
⑥2021年 スパークス・ブラザーズ 2022/04公開、2022/04鑑賞80点。
⑦2021年 ラストナイト・イン・ソーホー 2021/12公開、2021/12鑑賞95点。♠ベスト
⑧2025年 ランニング・マン 2026/01公開、2026/02鑑賞50点。本作。
2.マイレビュー◆◆◆ネタバレ注意
❶相性:中。
❷時代:特定されない近未来。
❸舞台:アメリカ:コープ・シティ(架空の大都会、スラム地区とアップタウンに分断)、ボストン、メイン州、他。
❹主な登場人物
【ベンの家族と協力者】
①ベン・リチャーズ:✹グレン・パウエル
主人公の工場ワーカー、35歳。職なし、金なし、どん底の生活を送る。重病の娘の医療費を稼ぐため、ネットワークが主催する最も過激なデスゲーム「ランニング・マン」に応募する。
②シーラ・リチャーズ:ジェイミー・ローソン
ベンの妻。ベンが「ランニング・マン」に出場する事に最後まで反対する。ベンの安全を願い、娘の靴下を渡す。
③キャシー・リチャーズ:アリッサ・ベン&シエナ・ベン
ベンの娘。
④モリー・ジャーニガン:✹ウィリアム・H・メイシー
ベンの古くからの仲間で闇商人。ベンに偽造IDと変装アイテムを渡す。
⑤エルトン・パラキス:マイケル・セラ
ネットワーク社の真実を暴くチャンスとしてベンに協力する青年。
⑥アメリア・ウィリアムズ:エミリア・ジョーンズ
富裕層出身。ある経緯で、逃走中のベンと出会う。
【ネットワーク関係者】
①ダン・キリアン:✹ジョシュ・ブローリン
「ランニング・マン」の実権を握る、番組プロデューサー。表向きのチャーミングな顔の裏には、視聴率のためには手段を選ばない残忍さが隠されている。常に番組のスターを求めており、ベンに白羽の矢を立てる。
②ボビー・“ボビー・T”・トンプソン:コールマン・ドミンゴ
「ランニング・マン」の顔であり、世界で最も有名なMC。
③エヴァン・マッコーン:リー・ペイス
5人のハンターたちを率いる残忍な殺し屋。あらゆる殺人スキルを身に着けている。彼の過去とその素顔を知る者はいない。
【参加者・他】
①ジェニー・ラフリン:ケイティ・オブライアン
「ランニング・マン」の参加者の一人。破滅的な快楽主義者で、ド派手な逃走を繰り広げる。
②リチャード・マニュエル:デイヴィッド・ザヤス
ベンの元雇用主。
❺考察1:原作
①原作は、スティーブン・キングがリチャード・バックマン名義で1982年に出版したディストピア・アクション小説『The Running Man』。1989年に酒井昭伸による邦訳が『バトルランナー』の邦題で出版されている(既読)。
②別名義とした理由は、当時、米国出版業界では1人の作家は1年に1冊だけ出版するという風潮があったため(Wikipedia)。
③舞台は、近未来2025年の巨大な管理国家と化したアメリカ。都市には失業者があふれ、娯楽は絶えず流されている無料TVの残酷なクイズやゲームだけだった。失業者ベンは、難病の娘の治療費を捻出するために最高の視聴率を誇る人気番組「ランニングマン」に応募する。それは全米を巨大なゲームフィールドにした「人間狩り」で、ハンターから逃げ延びている1時間ごとに100ドルの賞金を得られ、1ヶ月逃げ通せれば更に10億ドルのボーナス賞金が与えられる。もし捕まればテレビカメラの前で容赦なく殺される。視聴者による目撃報告、捕獲も可能で、その視聴者に報奨金が支払われる。ベンはこの殺人ゲームを奇跡的に生き延びるが、番組プロデューサーのキリアンから、ベンの妻子が強盗に惨殺されたことを知らされる。絶望したベンは飛行機をハイジャックして放送スタジオのビルに激突させる(Wikipedia)。
④2025年12月、同じ訳者による新訳版が『ランニング・マン』の邦題で発行されている(未読)。
❻考察2:映画化作品1
①1987年と2025年の2回に渡り映画化されている。
②初回の映画化は1987年の『バトルランナー(原題:The Running Man)』。監督:ポール・マイケル・グレイザー、脚本:スティーヴン・E・デ・スーザ、主演:アーノルド・シュワルツェネッガー、101分。日本公開:1987/12。マイ評点60点。
③舞台は2017年。世界経済が崩壊し警察権力が独裁政権を持つアメリカ。反抗するレジスタンスが存在する。シュワちゃん演じる主人公ベンは、鍛え上げられた逞しい体格と戦闘知識を備えた警察官で妻子はいない。大量殺人の汚名をきせられ、強制的に「ランニング・マン」に参加させられる。ベンは難関をクリアするが、先にクリアした成功者たち全員が、番組プロデューサー・キリアンの指示で密かに殺されていたことを突き止める。ベンはレジスタンスと協力して、キリアンをやっつけ、観衆は大歓声を上げる。最後に「皆さんがこんな目に遭わないためには、マスコミの顰蹙を買うような事をしないことです」とのテロップが示される。
★寸評:シュワちゃんの特長を最大限に生かして、派手なアクションに特化した勧善懲悪娯楽映画。
❼考察3:映画化作品2
①2回目が2025年の本作『ランニング・マン(原題:The Running Man)』。監督:エドガー・ライト、脚本:マイケル・バコール&エドガー・ライト、主演:グレン・パウエル、133分。日本公開:2026/01。マイ評価:50点。
②原作の時代は2025年だが、既に過ぎているので、本作では特定されずに「近未来」となっている。
★「VHSビデオ」や、近年日本でも発売されているアメリカ産ソフトドリンク「モンスターエナジー(Monster Energy)」等が登場する。エドガー・ライトお得意の遊び心によるものだろう。
③原作では、主人公ベンは28歳だが、本作では35歳、他は原作に近く、職を失い、病気を抱えた娘の医療費にも困窮していて「ランニング・マン」に参加し、巨額の賞金を手にしようとする。
④原作のラストは、妻子を殺されたベンが飛行機をハイジャックし、TV局のビルに激突する「自爆テロ」となっているのに対し、本作では、ベンも妻子も健在で、経済力も得ていることが示される。
⑤2001年の9.11(同時多発テロ)以来、アメリカはハイジャックによる自爆テロに神経質になっている事情は理解するにしても、原作と正反対のラストは、観客としては嬉しいが、社会批判の面では物足りない。
⑥一番の疑問は、普通の工場ワーカーである貧乏人のベンが、専門的な訓練を受けた冷酷なハンターたちに勝つ為に超人顔負けの活躍を見せる。ベンが主人公であるにしてもこの設定は容認出来ない。
⑦原作では、ベンが勝てたのは、失うものが何もない人間の「狂気」と「執念」によるもので、相手の予想を遥かに超える行動をとったためであり、それは自身の生存のためではなく、家族が殺されたことに対する復讐であり、飛行機をテレビ局のビルに激突させて自爆テロ的な最期を遂げるためのプロセスであることが描かれている。つまり、アクション映画としての爽快感よりも、格差社会への怒りを重視した結末になっている。だから読者は納得するのだ。
⑧一方、本作では、上記⑦に関することが全く触れられていない。これが問題なのだ。
❽まとめ
①44年前、スティーブン・キングが描いた未来はデストピアだった。
②原作の時代の2025年を超えた現在、世界の格差は、大きく拡大している。市民に対する監視や、政府の支配下となったメディアの暴走も広がっている。
③スティーブン・キングに先見の明があったことは間違いない。
④2回目の映画化である本作には、上記❼④~⑧に示した問題があり、アクション、デストピア、社会批判の全てが中途半端になってる。
⑤エドガー・ライト作品としては失敗作だと思う。
グレン・パウエル百花繚乱
予告編を見た時はバトルランナーみてえだと思ったものだが、原作が同じなので当たり前だった。
今作は何といってもグレン・パウエルのいろんな表情が見られる。
序盤のヘンテコ変装パウ、常にノリノリで視聴者を煽ってくるディープフェイク:パウ、モニターをぶち壊す怒りのパウ。
バトルランナーのシュワルツェネッガーとはまた違った存在感でとてもいい。
主人公:ベン・リチャーズが先々で人に助けられる構成も好み。
陰謀論系Youtuberのブラッドリーに始まり、ホットドッグ、最後のランを同道するアメリア、その他の群衆達。
己自身が怒りの化身だったシュワのベンと比べて、走り続ける中で怒りを託されていくパウのベン。
他者の怒りと痛みを引き受けながら、ただひたすら走り続け、最後まで突っ走る後半の展開はたまらなく好き。
番組P:キリアンとの最後の会話によってベン・リチャーズそのものが最後のバトンとして世界に渡される展開はテーマ的な力強さがあって良かった。
ただ、そこから先の決着までがかなり力業なのは少し気になる。番組でも暴動が起きるけど、あの警備体制の中どうやって火炎瓶を・・・?
あと、お前生きとったんかい!展開は色々思う事があるけど、まあこれはこれでヨシ!という勢いに満ちた最高の映画だった。
・シュワルツェネッガー新ドル俺も欲しい。
ラストが・・・
アクション映画、エグイ表現も多数だが良い。
ディストピア感溢れる街でのアクションは見応えあり
終盤の怒涛のアクションやディストピア感溢れる街並みなど細かく作り込まれており映像がとにかく綺麗で、眺めるだけでも楽しい。
サイバーパンク感がある世界観はどこか古臭さがあり「数十年前に考えた未来像」という感じが拭えないが、リメイク作品ということなのであえてなのだろうなと解釈。
貧困層と富裕層の格差社会が加速していて支配する側とされる側にはっきり別れていたり、プロデューサーが世論を掌握していたりとSFさとリアルさがちぐはぐな印象で咀嚼できないところはあったが、やりたいこと・見せたいことは分かりやすくその部分は飽きずに楽しめた。
字幕版で鑑賞をしたが、吹替版の方が飲み込みやすいとのことなのでもう一度鑑賞してみたいなとは思える作品。
わけの分からない勢いや映像美は魅力
ポイントが分からず…
全340件中、1~20件目を表示









