サンキュー、チャック

劇場公開日:2026年5月1日

解説・あらすじ

作家スティーブン・キングが2020年に発表した短編小説「チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ」を、「ドクター・スリープ」のマイク・フラナガン監督が映画化したヒューマンミステリー。

大規模な自然災害と人災が次々と地球を襲い、世界は終わりを迎えつつあった。インターネットもSNSもつながらないなか、街頭やテレビ、ラジオに突如として、「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という謎の広告が大量に現れる。高校教師マーティーが元妻フェリシアに会うため家を飛び出すと、誰もいない街はチャックの広告で埋め尽くされていた。無事に出会えたマーティーとフェリシアが星々を眺めながら終末の到来を感じ、手を握り合っていると、場面は一転して広告の人物・チャックの視点に切り替わり、彼の人生をさかのぼる物語が美しい映像で紡がれていく。

「アベンジャーズ」シリーズのトム・ヒドルストンが主人公チャックを演じ、「それでも夜は明ける」のキウェテル・イジョフォー、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのカレン・ギラン、「ワンダー 君は太陽」のジェイコブ・トレンブレイ、「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミルが共演。「ラ・ラ・ランド」の振付師マンディ・ムーアがダンスシーンの振り付けを担当。2024年・第49回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞。

2024年製作/111分/G/アメリカ
原題または英題:The Life of Chuck
配給:ギャガ、松竹
劇場公開日:2026年5月1日

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映画レビュー

4.0 優しくあたたかく染み渡らせる人生讃歌

2026年5月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

じわじわと、時間が経つにつれてどんどん感動が胸に広がってくるような作品だった。

3章、2章、1章と、時間軸が戻っていく構成のため最初は謎が多く、3章の時点はわからないことが多い。
しかし2章以降に、3章の種明かしをされ、なんて素敵な描き方をするんだと、胸がいっぱいになった。

ネタバレなしでこの感動を味わって欲しいので、多くは語れないが、チャックという人物の人生を見て、自分もあんな生き方をしたいと思った。

人生は生まれた時点で終わりは決まっていて、その終わりに向かって歩むわけだけれど、その間に関わる人や出来事によって、自分の中の宇宙は広がっていくんだよな。

2章に約5分半にもわたる、とっても素晴らしいダンスシーンがでてくる。
主演のトムヒドルストンは、ダンス未経験というから驚きだ。あのダンスシーンだけでも何度だって見たくなる。
しかも『ラ・ラ・ランド』を手掛けた著名な振付師マンディ・ムーアの振付と後で知り、ダンスであそこまで人生の喜びと輝きを表現できるのはすごいと思った。

日常の些細なことの積み重ねが、自分の人生を彩ってくれる。1日1日を大切にしたくなる。
なんて素晴らしい人生讃歌なんだろう。
多幸感で満ち溢れる作品だった。

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AZU

4.0 特殊な物語形式を複数組み合わせ、巧みな構成と印象的な謎解きで楽しませる

2026年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

知的

ドキドキ

原作小説の邦訳「チャックの数奇な人生」を先月出版した文藝春秋のサイトで〝泣ける方のスティーヴン・キング〟のフレーズを見てちょっと笑ったが、そう、本作はホラーの帝王キングによる怖い方じゃない、感動的な小説群(映画化されたものの邦題で並べるなら「スタンド・バイ・ミー」「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」など)のラインに連なる。ストーリーテリングの点では、キング原作映画の中でもとりわけ技巧的な構成を持つ1本でもある。

大まかに言って、2つの特殊な物語形式を組み合わせている。ネタバレにならない範囲で触れるなら、まず、第3幕、第2幕、第1幕とタイムラインをおおまかに逆行する形式になっていること。映画の有名どころでは「メメント」「アレックス」「エターナル・サンシャイン」などが近い。

もう1つの形式については、ちょっと触れるだけでネタバレになる(当サイトのレビュータイトルだけでばらしてるのもあるけど!)のでぼかすが、第3幕の「ありがとう、チャック」の広告の謎が第2幕で明らかになる、その仕掛けに関するものとだけ記しておこう。似た映画の題を挙げるだけでも、そうかあの仕掛けね、とわかってしまうほどかなり特徴的な物語形式だが、ともあれこれら2つの物語形式を精妙に組み合わせた点にキングの老練を思うし、マイク・フラナガン監督による映像化も的確で伝わりやすい。

躍動的なドラムのグルーヴに乗ったトム・ヒドルストンの素晴らしいダンスシーンもある。人生と記憶について、物語の成り立ちと効用について、そして映画で人生と物語を観ることについて深く考えさせてくれる。ストーリーテリングの技巧が際立つが、自我、世界認識、宇宙の歴史と生命といった哲学的な思索につながる深みも併せ持つ好作だ。

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高森郁哉

4.5 あまり情報を入れず、ニュートラルな感覚で臨むべき一作

2026年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

スティーヴン・キングの中編小説をベースとする本作は、あらすじを読んだだけでは予測がつきにくい。始まりは世界の終焉。そこからスケールの異なる3章構成で時間軸が遡っていく。はたして全てが明らかとなったとき、私たちはどんな感情でいられるのか。あくまで私の実例で言うと、最初の一章が終わる頃、ああそういう作品なのね、とようやく理解が追いつき始め、その後の一章でヒドルストンのダンスに魅せられ、さらにその後のノスタルジックな少年物語が組み合わさる時、何か得体の知れない余韻と深遠な感動に呑みこまれた。印象に残るホイットマンの一節。謎めいた部屋。人の生涯。今この瞬間の跳躍。なるほど「グリーンマイル」のような長編とはまた異なり、こんなに余白の多い構成で主人公の人生を浮かび上がらせ、全てを観客の解釈に委ねる手法もあるのか。多くは語るまい。フラナガンの筆致が心地よく沁み渡り、頭での理解以上に感覚を突き動かす一作。

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牛津厚信

4.0 サンキュー チャック

2026年5月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

日曜11時の回、入ってましたね。
キングさんの、いかにもなファンタジーでした。
なぜ3章から始まったのかも、最後には理解出来ました。
3章の登場人物達が、現実社会に散りばめられていて、それを探す楽しみもありました。
小品ですが、良作でした。

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映画館難民