「時代の変化の中で、それでも仕事を愛し続ける人たち」プラダを着た悪魔2 AZUさんの映画レビュー(感想・評価)
時代の変化の中で、それでも仕事を愛し続ける人たち
映画 プラダを着た悪魔 の続編。
前作から20年という長い年月が経ち、その間に世の中は大きく変化した。
発売日に紙媒体を買いに走っていた時代から、情報は一瞬で届くデジタル社会へ。
かつて憧れの象徴だったハイブランドの価値観も変化し、人々の“憧れ”そのものの形も変わってきている。
さらに現代では、自分の発言や振る舞いが誰かを傷つけていないかを常に気にしながら生きる時代になった。
積み上げてきた歴史。
築き上げてきた文化。
長い年月をかけて磨き続けてきた技術。
それらでさえ、“需要がない”と判断されれば、無慈悲なほど簡単に切り捨てられてしまう。
この作品は、そんな時代の変化もリアルに映し出していたように思う。
その中で特に印象に残ったのが、ラスト近くのミランダとアンディが車の中で語り合うシーン。
普段は完璧で隙のないミランダが、まるで少女のようなキラキラした目をして発した一言や、その姿がとても素敵だった。
時代が変わっても、世間の価値観が変わっても、
ミランダにとってファッションは単なる流行ではなく、“人生”なのだと思う。
だからこそ彼女は、あれほどの重圧の中でも第一線で立ち続けられるのだろう。
その姿を見ながら、私は「自分も今の仕事をそんなふうに愛せているだろうか」と自然と考えてしまった。
また、ずっと裏方として支え続けてきたナイジェルの展開もとても心に残った。
華やかな世界の裏で、評価されなくても積み重ねてきた時間。
その姿がどこか自分自身と重なって見えて、嬉しかった。
誰かに才能を見つけてもらえること。
努力を見続けてくれている人がいること。
それは、人が働き続ける上で、とてつもなく大きな力になるのだと思う。
華やかなファッション映画でありながら、“働くこと”や“好きなものを貫くこと”について深く考えさせられる作品だった。
