「CAに住むイギリス人夫婦の設定変更が効いてる」ローズ家 崖っぷちの夫婦 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
CAに住むイギリス人夫婦の設定変更が効いてる
調芸達者な2人が主演なので、もうそれだけで面白い。89年にも映画化された作品を大胆にアレンジして、夫婦の泥沼の争いをコミカルに描いた大人のコメディだ。
89年版との違いは、イギリス人夫婦がカリフォルニア州に移住してきたという設定にした点。アメリカとイギリスの文化的差異が巧みに物語に取り入れられている。イギリス人特有のブラックなユーモアなのか、険悪な夫婦の罵り合いなのか、どっちかわからないという点が楽しい。その他、様々な相違点があり、独立した作品として楽しめる。
とにかく、見どころはベネディクト・カンバーバッチとオリビア・コールマンのパフォーマンスだ。プライドの高い建築家のカンバーバッチは、職を失い主夫となり、コールマンはビジネス的成功を収める。プライドを傷つけられながらも、夫婦の愛もあるし子どももいるから我慢し続けても、時折飛び出す不満が皮肉となって噴出していく様の人間くささ。
ギリギリの綱渡りをし続ける夫婦の絶妙なやり取りが可笑しくもスリリング。やっぱり一流の役者はすごい。
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