ローズ家 崖っぷちの夫婦のレビュー・感想・評価
全77件中、1~20件目を表示
長く一緒にいるほど難しい? 片目をつぶることと思いやり
サーチライトピクチャーズ、カンバーバッチ&コールマンという組み合わせに惹かれて鑑賞。リメイク元の「ローズ家の戦争」(未鑑賞)がレビューサイトで星少なめ評価なのが若干気になったが、なかなか面白かった。
主演2人は私の中ではシリアスな作品や難しい役柄での印象が強いのだが、経歴を見ればコメディの経験も豊富であり、気持ちのすれ違いから対立に発展する夫婦のやり取りを軽妙に演じている。それだけでなく、本格的なバトルに至るまでの2人の心の揺れもリアルに表現していて、夫婦のあり方について考えさせられた。
妻のアイビーの作る美味しそうな料理の数々、夫のテオが設計した海辺の邸宅が見事で、目でも楽しめる。
正直、殺伐としたバトルがメインの話だろうと漠然と予想していて、むしろそれを期待していたのだが、中盤を過ぎるまではなんだかんだ言いつつも互いにギリギリで踏ん張って冷静な態度を見せたりして、小康状態が続いたのは意外だった。
友人のアメリカ人夫婦から銃をもらったり、新居にナイフの埋め込まれたテーブルを置いたりといったエピソードはフラグでしかなかったが、中盤まではテオとアイビーの夫婦にも一応大人の分別があり、不満の炎が燃え上がることはかろうじて回避してゆく。
ところが、テオが設計した海洋博物館が嵐に吹き飛ばされてから芽生えた夫婦のパワーバランスの変化が、次第に効いてくる。博物館がド派手に崩壊する様子がMADムービーで拡散され、仕事が全く来なくなったテオのプライドはズタズタだ。一方、同じ嵐がきっかけで経営するレストランが評判になったアイビーは仕事にのめり込むようになる。
育児に専念したテオに、あっという間に調教された娘と息子(アイビーが夜中にお菓子を食べさせようとしてたのは確かによくない)。
契約がどうとか言い出して、後で父の洗脳の反動が来るかと思いきや、体操の専門学校(?)に進学までしてしまう。それでいて、両親の不仲も最初から見抜いていて離婚話にも動じないという謎に鋼メンタルの子供たち。
クジラ救助でのスピリチュアル体験から離婚を思いつくテオだが、離婚協議の入り口でつまずいてしまう。協議の場に犬を持ち込む弁護士と、テオ側の弁護士にビシッと言われるとスンッとなる犬に笑った。まあ、自分でデザインしたとはいえアイビーの収入で建てた家をもらおうとするテオもどうかと思う。
家を自分に譲るという契約書にサインをさせようと手段を選ばないテオ。騒音の嫌がらせ、希少本を燃やす、果てはアイビーにアレルゲンの食品を食べさせる。嘘のサイン(何故かゼンデイヤ笑)をして危機を回避するアイビー、賢い。命に関わる脅しをされたんだから、そりゃ銃で反撃するしかないよね(ないのか?)。
最後は急転直下で愛情が復活するものの、バトル中にテオが破壊したジュリア・チャイルドのコンロから漏れたガスが滞留する中、テオがハルに暖炉点火を指示。間違いなく爆死というびっくりエンディング。
でもまあ、あそこまでこじれて命のやり取りにまで足を突っ込んだ夫婦は、一瞬仲直りしたところでまたもめるだろう。愛情を再確認したタイミングで死ねるならある意味ハッピーエンドでは?
イギリスの聖職者トーマス・フラーは言った。「結婚前には両目を大きく開いて見よ。結婚してからは片目を閉じよ」
作中、テオの友人の弁護士バリーも「よいところだけを思い出せ」とか何とか言っていた。テオたちも途中までそれなりに頑張っていた気はする。だが、片方が幸運を手に入れ、もう片方が不幸に見舞われる中で、どこまで相手を思いやれるか。考えてみればなかなかの試練だ。
テオたちのギスギスした関係を笑いながら、自分には彼らの愚かさを他人事のように笑う資格があるのだろうかと、心の片隅で自問する。銃やナイフまで行かなくても、夫婦関係がこじれる時に誰もが陥りやすい典型的なパターンが、ローズ家の物語のそこかしこに埋め込まれているのではないだろうか。
CAに住むイギリス人夫婦の設定変更が効いてる
調芸達者な2人が主演なので、もうそれだけで面白い。89年にも映画化された作品を大胆にアレンジして、夫婦の泥沼の争いをコミカルに描いた大人のコメディだ。
89年版との違いは、イギリス人夫婦がカリフォルニア州に移住してきたという設定にした点。アメリカとイギリスの文化的差異が巧みに物語に取り入れられている。イギリス人特有のブラックなユーモアなのか、険悪な夫婦の罵り合いなのか、どっちかわからないという点が楽しい。その他、様々な相違点があり、独立した作品として楽しめる。
とにかく、見どころはベネディクト・カンバーバッチとオリビア・コールマンのパフォーマンスだ。プライドの高い建築家のカンバーバッチは、職を失い主夫となり、コールマンはビジネス的成功を収める。プライドを傷つけられながらも、夫婦の愛もあるし子どももいるから我慢し続けても、時折飛び出す不満が皮肉となって噴出していく様の人間くささ。
ギリギリの綱渡りをし続ける夫婦の絶妙なやり取りが可笑しくもスリリング。やっぱり一流の役者はすごい。
水曜日のダウンタウン風に言うと
オリヴィア・コールマンとベネディクト・カンバーバッチが主演している時点で、
シナリオと演出が多少ブレても、
最低ラインは軽々クリアしてくるのではないか説・・・
水ダウ風に言うとそんな感じ。
ジェイ・ローチ、今回も例によって
セリフにカニカニ、ガンガン、小ネタを詰め込みまくる。
旧作に寄せるでもなく、
ブラックコメディに振り切るわけでもない。
飛行機内でスタンガンが飛び出す異常事態も、
別荘で繰り広げられる阿鼻叫喚も、
普通なら〈ここが見せ場!〉と強調される場面を、
ことごとく逆張りの演出で処理してくる、つまり見せない。
オースティン・パワーズみたいな悪ノリも撮るし、
ロジャー・エイルズ告発の社会派も撮る監督だからか、
どこを見せたいのか分からない、
という違和感すら、つきまとう。
それがだんだん分かってくる。
この作品、
派手な破壊でも、感情の爆発でもなく、
〈夫婦がズレたまま並走し続ける地獄〉を
淡々と、ユーモラスに、でも確実に描こうとしている。
見せ場がないようで、ずっと見せ場、
つかみどころがないようで、逃げ場すらない、
を魅せ続けるオリヴィア、ベネディクトが素晴らしい。
改めて、
水曜日のダウンタウン風に言うなら、
〈仲良さそうに見える夫婦ほど、
一番“Happy Together”から遠い説〉
ん?逆か。
第二次薔薇戦争
夫婦喧嘩は犬も食わぬと言うが、こんな夫婦喧嘩なら例え闘犬であっても尻尾を巻いて逃げ出すだろう。
ある夫婦の喧嘩の顛末を笑っちゃうくらいの過激さと笑えぬブラック・コメディで描いた1989年の『ローズ家の戦争』。
夫婦喧嘩がこんな事になるなんて…!
『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』及び『ナイルの宝石』のトリオの共演3作目で、マイケル・ダグラスとキャスリーン・ターナーの怪演、監督も兼任したダニー・デヴィートの才もインパクトあった。
そんな壮絶夫婦喧嘩が再び…! “第二次薔薇戦争”勃発!
テオとアイヴィの夫婦。
出会いは一瞬の一目惚れ。結婚は即決。
テオは建築家、アイヴィは料理が趣味。いい家に住み、2人の子供に恵まれ、テオはアイヴィに店をプレゼントするなど不満何一つなく幸せ…に見えた。
ある嵐の夜が夫婦の明暗分けた。
嵐でテオが手掛けた建築物が“沈没”し、名声失墜しクビに。
嵐でチョー暇だったアイヴィの店に客が押し寄せる。その中に著名料理評論家が居た事から、アイヴィの店は一躍大評判大盛況に。
これを受け不本意ながらも、テオが専業主夫になり、アイヴィが働きに出る事に。
最初は慣れぬ子供の面倒や家事に悪戦苦闘のテオだったが、しっかり子供たちの成長を請け負うように。
アイヴィの店は好調続き、支店も出す事に。
担当変わっても調和を保っているように見えたが…、その内では沸々と。
アイヴィは仕事は順調だが、子供のイベント事を欠席するなど家族の傍に居てやれない。その事をテオに責められる。
建築の仕事への未練が残るテオ。自分はずっと家庭に縛られているのに、アイヴィは各地にお呼ばれ、贅沢や豪華な接待。
そんなテオにアイヴィは、かつてテオが自分にしてくれたようなプレゼントを。私たちの家を建てて。
建築家の血が騒ぎ、家造りに没頭。こだわり過ぎて、ついつい予算過多。これがまた…。
それでもまだ夫婦関係は保たれていた。いつしか口喧嘩は多くなったが。
子供たちの勧めでセラピーを受ける事に。この時、互いへの不満を吐き散らす。
子供たちが家を出る事に。辛うじて夫婦を繋ぎ止めていたものが無くなり…。
テオが建てた新築豪邸に友人らを招いて会食。遂にここで、開戦の火蓋が切られた…!
それまでの“口撃”から容赦ない相手の評判落とし。
テオはアイヴィの店の料理に“トッピング”を。アイヴィはSNSにテオのディープフェイク映像を。
争点は店と家の所有権。絶対に店を渡したくないアイヴィと絶対に家を渡したくないテオ。
時に相手の命に関わる手段も。大人気ないどころではなく、犯罪でしょ!
それでも譲らない。
とうとう家という戦場で、取っ組み合い、物理的攻撃、逃げる相手を追い掛け、銃を持ち出し…。文字通りの“夫婦戦争”!
笑えるけど、笑えない。
それでも面白く魅せたのは、ベネディクト・カンバーバッチとオリヴィア・コールマンの共演と巧さ。
コメディの名手(『オースティン・パワーズ』『ミート・ザ・ペアレンツ』のジェイ・ローチ)とブラック・コメディの脚本(『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』のトニー・マクナマラ)のタッグも個人的に乙。
夫婦の問題に、米英人それぞれの考えや価値観も巧みに。
だけどやはり、オリジナルの方がインパクトあった。ラストも含めて。
夫婦戦争の果てに、テオとアイヴィは再びお互いの愛に見つめ直す。オリジナルとは全く違うハッピーエンドになるかと思いきや、ガス漏れに気付かず、ドッカ~ン!…を思わせる真っ白画面で終幕。
これもこれでシュールだが、夫婦はすでに死亡していて、顧問弁護士が回想形式で語るオリジナルの方が、“何があった?”と興味を惹き付ける一枚上手の巧さがあった。
こんな夫婦戦争と顛末を見てしまうと、素直に思ってしまう。
結婚って…?
愛し合って一緒になったんじゃないの…?
見たら夫婦の関係が気まずくなりそう。
いや、それだけじゃないかも。
教訓や考えや見直すきっかけにも…?
だって、世の夫婦の皆さん、こうはなりたくないでしょ?
どちらの言い分も納得、だけど・・・
ド派手な夫婦喧嘩
君はいつもいない
こないだ鑑賞してきました🎬
テオにはベネディクト・カンバーバッチ🙂
気難しげな建築家の男…リアルです。
時折見える不安定さは、共感しました。
子供たちをかなりのトレーニング漬けにするのはちょっとどうかと思いますが😅
彼の感情が発露するシーンは、カンバーバッチの役者としての魅力が光ります👍
アイヴィにはオリビア・コールマン🙂
「女王陛下のお気に入り」
でもそうでしたが、相変わらず圧倒的な演技力😳
料理人としての才能が開花し、自分でも信じられないほど成功してゆく…。
そして直面する、あの問題。
彼女の演技も感情が宿った瞳や顔の傾け方が秀逸で、素晴らしいものでした😀
ちょくちょくいざこざが起きる夫婦に、やがて決定的な事態が起きる。
それを上手く現代風にアレンジしてみせた手法は、流石の一言🫡
うお…そこまでやるのかというシーンもありますが😥
前半は楽しく見れますが、後半は…とりあえず夫婦で見るべきではないでしょう🤔
ブラックコメディとして割り切れる方には、おすすめです🖐️
製作総指揮兼任の主役二人が嬉々として演じている快作
夫婦って大変そうって思った
・軸は夫婦の話だった。独身なので正直、共感できるところがあんまりなかったけど、諸所で面白いと思ったところもあった。
・超大型の台風?が来て敏腕建築家だった?夫の博物館が崩壊した日に元調理人で専業主婦だった妻がこじんまりと営業しているレストランに避難するように人が流れてきて食通の評価を得て大繁盛と、わかりやすい対比で夫婦の立場が逆転。奥さんが仕事で活き活きとしていくのを見ていて不愉快になっていく夫というのは何回か観てきたけど、正直、想像でしかわからないので、ああいうもんなんだろうなぁっていつも思っていて今回も思った。夫婦は特殊な関係なんだろうなぁ、と。
・家事をすることになった夫が畳んだ衣類を仕事から帰ってきた妻が床にぽんって置いて腹が立ったシーンがあった。仕事している方がヒエラルキー的に上っていうのがあるからああいう時むかっとするけど、なんか言えないってあるよなぁって思った。
・夫が子供の世話をすることになって、食事制限、トレーニングを課していた。嫌がってぐれるかと思ったら素直に継続していて、スポーツの大学?にも進学していたのが面白かった。
・新しく家を建てて夫婦関係が限界に近づいていた朝にジョギング中、クジラを見つけたシーンが面白かった。それを助けた時に、幸せを感じて離婚を決意するっていうのが面白かった。
・新しい家に友達を招待した後に妻がケーキを投げつけててんやわんやした後、夫がなぜ謝罪しないのかと妻を問い詰めた際に、確か何でも要求してきてばかりで謝罪なんてできない的な感じだったと思うのだけど、もっと寄り添えない物かと思えてくる。まぁ当事者だったら無理なんだろうけど。
・夫が再起をかけた、再起のきっかけになった自宅を夫婦で取り合う形になった。今思うと夫はわかるけど、妻はどうしてあそこまで執着したんだろう。女性なら何かわかるって感じなんだろうか。夫に嫌がらせしたかったという感じでもない気がするし、そう思いたい。10万ドル貰ってさっさと別のとこにとも思ったけど、夫にとっては再スタートの場所だから拠り所のようなところになっていたんだろうけど、あれだけ同じ建物の中でもめてたら自分だったら面倒くさくて手を引きそう。
・ラスト、AI完備の家を利用して妻を閉じ込めたり、風呂に入ってる夫の風呂にカニを入れたり、貴重なコンロを叩き割ったり、ベリー系のアレルギー?なのを利用して家の譲渡書類?にサインさせたり、高い苔を燃やしたり、拳銃を持ってきたりと今まで準備してた要素がすべて出てきての夫婦喧嘩が凄かった。最後の最後、ガス漏れからの爆破?まで一気にいって、色々あったのに、そこの印象を強く残して終わって清々しい。
頭を抱えてしまった
オリビアさんが
あの会話で笑える友人たちのメンタルも怖い
オリビア・コールマンとベネディクト・カンバーバッチ、二人の演技が物語の大半を占めます。表情豊かでスクリーンに引き込まれそうでした(終盤までは)。
性差により脳の構造が異なるようで、それ故に思考も当然異なるのだと、どこかで脳科学者のどなたかが言っていたようなことを観ている最中に思い出しました。
極めて理論的に説明している(つもり)の夫、しかしその論理には「そもそも」の大切な部分が欠落しているから、ややもすれば妻が発するワードのあげあし取りになりかねません、観ているワタシの口からは「あ~あ、だめだこりゃ」と自らを俯瞰し、世を儚むような溜息すら漏れてしまいます。
物事を解決するためのタイミングはそこかしこにあったのだろうと思います。
友人の弁護士が発した「悪いことばかりじゃなかっただろう?良い時のことだけを覚えていて暮らすのさ」そんな内容の言葉が的を射ていたのではないでしょうか。
しかし、ラストに向けての夫婦でのバトルもそうですが、新居完成時に友人たちを招いての食事におけるみんなの会話がエキセントリック過ぎて、そこからのワチャワチャ感には離脱寸前の気持ちになってしまいました。
それでも、ラストシーンはワタシ好みで、何とか持ちこたえて微笑みながらスクリーンを後にすることができました。
犬も食わぬ夫婦喧嘩をコメディに昇華させるというのはやはりハードル高かったようで 英国生まれのプチブル、スノッブ風の夫婦がカリフォルニアでFワードを連発するコメディ
えー、昔から、夫婦喧嘩は犬も食わぬとか申しましてな。よそ様の家庭の揉め事にはあまり関わらないほうがよろしいかと存じます。ましてや、それをネタにして物語を作ろうなどというのは、神をも畏れぬ悪魔の所業といったあんばいでございましょう。
まあ想像してみてくださいよ。東京郊外の町田あたりに25年ローンかなんかで購入したマンションに子供ふたりと住んでいる夫婦の物語を。言いたくもないおべんちゃらを言い、つきたくもない嘘をつきながら、ようやく課長というポジションにたどりついた旦那と近所のスーパーでパートで働いている嫁が上の娘の進路についての意見の相違が原因で(嫁のほうが子供の頃に憧れていたけど入れなかった学園に、娘を中学から通わせたいと主張するのに対して、旦那は公立の中学でいいだろと反論します)、喧嘩が始まり、やがてそれが全面戦争に拡大してゆくなんてお話、誰も聞きたくないでしょ。
そこでこの作品では犬も食わぬ夫婦喧嘩を大人の鑑賞に耐え得るコメディに仕立て上げるためにいろいろと工夫を凝らしております。まずは喧嘩する夫婦に夫ベネディクト•カンバーバッチ、妻オリビア•コールマンという英国を代表する名優を起用、夫が建築家、妻がシェフというという、ふたりともアメリカなら6ケタドルの年収が可能な専門職に就かせ、英国から自由な風を求めてカリフォルニアにやって来た、プチブルにしてスノッブ風味をまぶしたハイソな雰囲気を漂わせる夫婦にしております。で、夫のほうが建築家としてかなり酷い失敗をして職を失ってしまうと、妻のほうがオーナー•シェフとして活躍するレストランが大繁盛し始めるといった具合に、ローンが半分以上残る町田のマンションに住む夫婦ではとても考えられないような劇的な展開をしてゆきます。でも面白いかと問われれば、まあそこそこは面白いけど、それほどでもないよなと答えるしかないレベルかな。
所詮は夫婦喧嘩、お前らふたりで勝手にやってろということなのでしょうか。犬も食わぬという表現には、ふたりの間に割って入って仲裁なんて野暮なことを試みても無駄だよという含意があると思うのですが、実はこの話、報酬を貰ってふたりの間に入る専門職のプロフェッショナルが出てきたときがいちばんコメディとして機能してるような気がします。まずはふたりの結婚についてのカウンセリングを行なうカウンセラーの登場時。お互いの長所を挙げてくださいと問われたふたりはイギリス人がよく使うサーカズムの反転版みたいな物言いで相手の「長所」をあげますが、まあそのえげつなさといったら…… 次に離婚に向けての話し合いにふたりがそれぞれの弁護士を連れてきたとき。特に妻側の弁護士が典型的なパワー•ネゴの手法でガンガン押してきます。で、その妻側の弁護士は脅しみたいな感じで話し合いの場に獰猛な犬を連れてくるんです。まあ英語圏に「犬も食わぬ」なんて表現があるかどうかは別として、「人を食った」話だなあとは思いました。
結局、物語はちょっと鼻持ちならないセンスの小ネタだとか、Fワード連発の罵り合いだとか(ふたりともイギリス人なのでBワードだと思っていたのですが、今はFが主流なのかしらん)を通り過ぎて、とりあえず、こんなオチでもつけとくか、みたいな、やる気が見えない結末で終わります。やれやれ。
これ、どうせスノッブ風味なら、ウッディ•アレンに作らせたら、苦いユーモアを含んだ洒落て粋な物語になったのでは、と思いました。
クジラを海に帰そう
なるほど、オースティン・パワーズですね
鑑賞して、見事な俳優らの台詞回しと間合いに圧倒されニタニタしながら劇場を出たのですが、帰宅して膝を打ちました。なるほど、このスピード感やお下品さはオースティン・パワーズのそれでしたね。 単純で簡単なことを大袈裟に脚色して皮肉も交えて演出するユーモアはほんと、英国人のそれでしたね。 いろんな事情で個人的には英国人は好みませんが、このエリート層の演出する笑いは他国では味わえない独自性があって楽しませてもらえます。題材は夫婦喧嘩で、終わりは少し捻ってみた感じになってますが、行き着くところまで行ってしまったあとで簡単に仲直りで はい、おしまい とも描けなかったでしょうからあんな感じで結ぶより無かったでしょうね。
面白かったですよ、とっても。 英語で聞き取れると面白さはマシマシです。 翻訳の方は苦労されただろうなぁと思いました。
愛という業火と、理性の崩壊について
「夫婦関係とは、いかにして崩壊するのか」。本作は、その問いに対して、実に英国的で冷笑的な答えを提示してみせた。監督ジェイ・ローチ、脚本トニー・マクナマラ、主演はベネディクト・カンバーバッチとオリヴィア・コールマン。この顔ぶれだけで、観客はある程度の知的な痛みを覚悟すべきだろう。
物語の骨格はシンプル。成功した建築家テオと料理研究家アイヴィ。裕福で、魅力的で、家庭も社会的地位も手に入れた完璧な夫婦が、夫であるテオの失敗をきっかけに互いを蝕み、最終的に破滅する。いわば“現代版ローズ家の戦争”。しかし1989年の原作映画が露骨な戦闘劇としての「破滅の喜劇」だったのに対し、2025年版はもっと内側から崩れていく。冷え切った関係ではない。むしろ、まだ愛があり、会話があり、夜の営みすらある状態から崩れる。この点に、本作の恐ろしいまでの現実味がある。
つまり、夫婦の間に「終わりの兆候」が見えても、当人たちはまだ理性と体裁で取り繕える。共働きの時代、互いに自立していて対等。だからこそ「関係を維持できている」という錯覚が生まれる。実際には、積み重なった小さな不満や比較意識が、心理的なガスのように部屋の隅々に充満していく。そして最後、ふとしたきっかけで火がつく。それがこの作品における“爆発”の本質である。
終盤、二人が常軌を逸した嫌がらせを繰り返す展開は、一見コメディのようでいて、実は夫婦心理の臨界点を象徴する。相手を壊そうとする行為は、完全な憎悪ではなく、「まだ相手の存在を必要としている」証でもある。無関心ならば嫌がらせすらしない。つまり、愛情が残っているからこそ、互いを破壊せずにいられない。“嫌悪の中に未練がある”という人間の複雑さを、見事に描いている。
そして本当に爆発するラスト。あの白い閃光は、ただの悲劇的演出ではない。燃え上がる家は、彼らの関係そのもののメタファーだ。愛と執着、理性と感情、家と心──そのすべてが一度に崩れ去る瞬間。観客は静寂の中で、自らの関係性を見つめ返すほかない。愛は、理性という薄皮を一枚剥がせば、すぐに暴力と隣り合わせにある。 現代人の「理性への過信」こそ、この映画が突きつける最大の皮肉だろう。
本作は、ブラックコメディの装いを借りた心理ホラーである。恐ろしいのは、テオとアイヴィが特別な異常者ではないという点だ。誰もがこの二人になり得る。キャリアも家も子どもも整った完璧な家庭が、一夜にして崩れる。しかも、互いに愛しているがゆえに。そこにこそ、現代の“幸福”が抱えるリスクがある。
笑いながら背筋が寒くなる。ローズ家の崖っぷちは、他人事ではない。理性と愛の間に積もったガスは、私たちのどの家庭にも、静かに満ちている。
オリヴィア・コールマン、ベネディクト・カンパーバッチの演技が圧巻❗️
ローズ家崖っぷちの夫婦を観たが、予定調和的な内容だったが面白かった。オリヴィア・コールマン、ベネディクト・カンパーパッチの演技が素晴らしかった。さすがハリウッド、イギリスのトップスターである。くれぐれも夫婦で観ない方がいい作品です。ぜひ、お一人で。オリヴィア・コールマンのヒール以外の演技は久々だがやっぱり上手い。
全77件中、1~20件目を表示










