旅立ちのラストダンスのレビュー・感想・評価
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この世の地獄もいつか破れる
葬儀屋の職業哲学、家族間の葛藤、伝統・宗教と女性の権利の対立という現代的なテーマを軽やかに描き出す良作!
コロナ禍で困窮したブライダル業者が葬儀屋に転職するという設定が面白い。葬式なのにご機嫌なサービスで儲けようとする冴えない男が、頑固な道士とバディを組んで葬儀屋のやりがいに目覚めるって所だろうなと思ったら、その後の展開がずっともっと面白い。最後の破地獄でなぜだか泣いていた。
高齢出産の時代に1つの希望を見せられたのが、フィクションの話であれど、良かったんじゃないかな?と思う。
心臓マッサージとベッドシーンと同じテンポで繋ぐ編集はちょっと面白かった。
家族と宗教の伝統と、現代的生き方の葛藤に向き合うドラマ。香港映画らしいカタルシスあるラストも見事!
「破・地獄」ーー冒頭で原題が迫力ある筆書の文字で大写しになる。びっくりした。スクリーンを間違えたかと思った。邦題とぜんぜんつながらない。
おそらく昔のキョンシー映画みたいなアクションホラーエンターテイメントに誤解されそうだから、邦題は大きく変えたのではないだろうか。
映画のニュアンスは邦題の方が確かに伝わりやすい。身近な人の死をテーマにした泣けるドラマでもあるし、葬儀会社を中心に据えている点は「おくりびと」や「ほどなく、お別れです」(後者は未見)と重なる。
僕は、人の死に悲しむ場面を予告編で強調する映画が苦手だ。それだけで見ないことも多い。リアリズム映画ならいいのだけれど、ドラマ映画だと、感情を揺さぶるための設定として持ち込まれている感じがして、〝死=涙〟も単純化しすぎだと反発してしまう。現実では、その場ですぐドラマ的にいいタイミングで泣けないし…とか。
僕のような反応も屈折したものだけれど、死についてセンシティブになってしまうのは、現代人は死というものをうまく扱えないからだと思う。合理的で科学的な思考を身につけたとしても、死については、割り切ることが難しい。
だから、死後には報われる。知り合いたちは深く悲しみ、生前の業績を讃える、ひっそり行った善行が評価される、そんな物語を見る必要に迫られるのかもしれない。
長寿化が進み、現役時代からずっと経ってから病院で死を迎えることが多い現代では、葬儀に大勢集まることは本当に少なくなっている。家族葬も一般的になってきた。だからこそ映画で讃えられ報われる死後の自分を見たくなるのかなとも思う。
本作の前半はコミカルでもあって、周囲との摩擦や誤解や小さな失敗のエピソードから始まる。登場人物たちのキャラクターもそれぞれ明快だ。〝わかりやすくて、紋切り型で、ほのぼのとして、つまらない映画〟かもしれないと前半はちょっと後悔しつつ見始めた。
しかし、中盤から後半にかけて、話はどんどん深くドラマティックになる。香港・中国の今の姿、特に、近代個人主義と伝統の葛藤を見事にシナリオに昇華していると感嘆させられた。
香港は、中国大陸以上に伝統的な宗教儀礼と家族主義が残っている。同時に、大陸に先駆けて、商業主義的な実利追求と西洋的個人主義が進んだ場所でもある。相反する価値観が混在する現状が、この映画では一つに集約されている。
日本や韓国もこの点ではかなり近い。伝統的共同体志向と、個人の自由な人生の選択、この相反する価値観の葛藤の強さは、現代東アジア特有の生きづらさの原因でもあるとの研究も多い。
僕自身も「本家の長男」という役割を放棄して、ずっと実家から離れて暮らしているが、家族の役割を放棄した罪悪感をいまだに引きずっているところもある。そんな個人と家族の葛藤を見事に解消してみせる本作のシナリオには「逃げでもダメなんだな。葛藤をぶつけ合わないと解消しないんだな」とも教えられるような感じもした。
正確なセリフが再現できないけれど「師匠でもある道士は死者を弔うのが役割。そして、葬儀屋は、生きている人の心を救うのが役割だ」ーー後半に差し掛かったあたりの主人公のこの言葉で、本作のテーマと構造が、明確に表現されていると思う。
香港の葬送儀礼では、道教・仏教・民間信仰・儒教的祖先崇拝が重なり合っている。死者はいなくなるのではなく冥界へ移行する存在だ。冥界では、いくつかの地獄の門を潜り抜ける試練を経て、うまく切り抜けられれば、最終的に転生できる。最後の親孝行として、その転生を道士によって助けてもらうーーそういうことのようだ。僕ら多くの日本人のお葬式とかなり似た感覚ではないだろうか。
伝統的な家族観や宗教観では、話はここまでだ。伝統的儀礼に対し、なぜそうなっているのか?などと問い直すことはない。不合理だとか、メリットとと言い始めたら宗教でも伝統でもなくなってしまう。
本作が見事なものになったのは、主人公の葬儀が担うと決めた「生きている人の心を救う」がさまざまな展開でなされるところだ。
先の世代は、伝統を無条件に受け入れて、それを守ってきた。しかし、リベラルな価値観、自由な人生の選択と自己実現が当たり前になった現代では、伝統を再考し、自分自身の選択にできないと、伝統との葛藤は葛藤のまま残ってしまう。バブル世代で合理的で世俗的に生きてきた僕自身も、歳をとるほどに、その葛藤に向き合わざるを得なくなってきた感じがしている。
本作では、父である道士、家業として導士を引き継がされた兄、女だから引き継げなかった妹ーーそれぞれが、葛藤を解消し、階段を一つ昇ってみせる。うまくいかなったこれまでの人生も受け入れ、肯定する道を見つけていく。
主人公は、コロナで借金を抱えたせいもあって、とにかくお金、利益を求めるために働き始めるが、主人公のセリフのような葬儀屋の仕事の定義を見出してからは、周囲の葛藤を解消するトリックスターとして活躍する。葬儀に際し、伝統的には受け入れられない要求があっても、見事に解消してみせる。死者に敬意を示しながら行う、死化粧の所作も立派である。
ラストは香港映画らしいカタルシスが花開く。納得行かない辛い人生を送っていた助演の兄妹の葬送儀礼は、ブルース・リー以来、香港映画伝統のファイナルバトルでの能力爆発の場面だ。なんとも気分がアガるし、グッとくるエンディングだ。
そんなわけで、Apple Musicに入っていたサントラを聴きながら帰宅した。香港映画は、なんか自分も一段上がった気分にさせてくれる。それはブルース・リー以来変わらないのではないだろうか。
ドラマ性、アクション、歴史と伝統、家族の物語、ビジネス成功物語……さまざまな要素が見事に統合した作品でした。
"みんな!面白いから観て〜!"って、父さんとトウサンが言ってます♪
ヒュ〜ゥさんの〜ひっつっじ〜♪
字幕、近場でやってない。
わざわざららぽまで行ったのに(っつても車で15分だけど)間違えてコレのチケ買っちゃった!
吹雪〜!アタシもやっちまったよ〜w
事前に今後の映活スケ組んでて、コレ発見。
おお!Mr.Boo!
マイケル・ホイさんじゃないか!!
みみみ観たいなー!とは思ったんだけど、
もう羊の口だったから、スルー候補だったのに。。
発券機を前にボーーっとしてたらコレ買ってたΣ('◉⌓◉’)
もうびっくりよー!
私、コレ系はもうおくりびとで良いの。
でもおくりびとが特別だったかって言うとそうでもないんだけど、まぁ、大体おんなじっしょ。って感じで、評判の良いめめさんのもスルーだし。
でででででも。
買っちまったから仕方ねぇ。
羊に後ろ髪食われながらのラストダンスです。。
結果。良かった。観て良かった。
何なら泣けた。
たぶんそれ程皆さんの評価は高くないのかも知れないけれど、個人的に父娘系に弱いので、どストライクでした。
(あと香港映画も好きだから〜)
昨日のチャックに続き「死」がテーマの作品で、チャックは送られる側、こっちは送る側の人達の作品。
香港の葬儀については何も知らなくて、葬儀道士や破地獄なんて聞いた事もなかった。
命は1個しかない。
死ぬ事が出来るのも1回だけ。
大切な人のその時は、出来る限りのお見送りをしたいと思うけど、私は死んだら火葬はして欲しいがお葬式はしなくてもいいかなーって思っている。
だけど「葬儀道士は亡くなった人を弔い、
葬儀屋は残された生きている人の魂を救う」っていうトウサンの台詞から、儀式や葬儀には意味があるのだと思えた。
だって大切な人を失った人達は、その人達がいない初めての日々、これからを生きていかねばならないのだから。
出来る限りの事はしたって納得するって意味があるなって。
子供を失った母の哀しみ。
「変態扱いしないでくれてありがとう」
愛する彼女を失った女性の哀しみ。
香港ではまだまだ根強い偏見。
色々な家族のその時に立ち会う事で、トウサンが葬儀屋として大切な事に気付き変化していく様子、マン師匠との関係の変化も見所で、その様子が自然でとても良かった。
又、マン師匠とマンユッ、パンさんの関係性も、お国柄というか、あのお家柄だから、理不尽だけど仕方ないよねって思える部分もあった。
だけど私はパンさんの選択は間違っていないと思うし応援したい。
マンユッも辛い立場ではあったけど、マン師匠へのラストダンスを舞えて、わだかまりも消えたんじゃないかな。
(出来たらちゃんと伝えてあげて欲しかった)
ラス前の、参列した葬儀道士達への訴えかけは、過剰に熱くならず(こ〜ゆうのが良い演出。良い芝居)だけど心がこもった説得で、
トウサンの評価爆上がりだったけど、彼女妊娠のあの反応だけは頂けねぇです。
そこまで考えてるんなら避妊しろし!
(まぁちゃんとパパになるんだろ〜けど)
エピソードがてんこ盛りでしたが、うまくまとめてあった。
過剰演出がなかったのも好み。
壇蜜さんのトークショーの記事を読みましたが、エンバーミングを施す遺体衛星保全士の資格をお持ちだそうです!
お話しの内容もとても興味深かったですよ♪
みんな観てないなぁ〜
良い映画だったよ〜
父さんもトウサンも、ユキサンもおすすめです♪
破・破地獄
気になるタイトルだなぁとタップしてみたら、Mr.Booことマイケル・ホイだと⁉︎
子供の頃、なんかの同時上映だった以来、とんとご無沙汰。
予告編も雰囲気あるし、こいつは是非観なくては。
ウエディングプランナーから葬儀屋という、正反対の転身から始まる。
無知からのスタートとはいえ、マセラティの件は、死因どうこう関係なく下品すぎる。
葬儀であんなんされたら参列者ドン引きだわなぁ。
そこからは着替えや死に化粧を学び成長するのだけど、『ほどなく、お別れです』でもあったように、遺族が救われるべきであるというのは共通している。
少し大袈裟な表現かもしれないかなとも思ったけれど、道士は死者を、葬儀屋は遺族の魂を救う。両者が組む理由が分かった。
息子の死を受け入れられずに防腐処理をする母親、葬儀への参列を拒否された同性の恋人などにも優しく寄り添う。
儲けを出そうとしていた頃のトウサンとは別人のよう。
かたやマン師匠は、パンとマンユッの事で問題あり。昔気質の男は表現が不器用。
とはいえあの嫁はいただけない。
神父さんがお経あげに来るようなものじゃないか。
いろいろエピソードてんこ盛りすぎるかなとも思ったけど、上手く収めたなと思う。
予告編で気になった破地獄の儀式が、ちょっとしか出てこなくて残念だなぁと思っていたら、そういうことだったのか。マン師匠の愛に涙腺崩壊しそうだった。
何故もっと早くとも思いつつ、すごく素敵な儀式を見せてもらった。
ませらってぃ
思ったよりもおくりびとだった。もっと現代香港道教のいろいろな要素を見たかったなあ。終盤は意外な見せ場があって良かった。ちょいと長いディレクターズカット版とのことだが、結構話を広げすぎて中だるみしてたので短いバージョンの方が良いのかも。バリバリ救急隊員の娘に介護まで押し付けちゃうのは、美談っぽくしてるけど腹が立つな。あと香港の皆さん煙草よく吸うねえ。
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