化け猫あんずちゃん

劇場公開日:2024年7月19日

解説・あらすじ

「カラオケ行こ!」「1秒先の彼」の山下敦弘監督とアニメーション作家の久野遥子監督がタッグを組み、いましろたかしの同名コミックを日仏合作で映画化し、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門に出品された長編アニメーション。

ある豪雨の日、寺の住職が段ボール箱の中で鳴いている子猫を見つける。その猫は「あんず」と名付けられて大切に育てられるが、奇妙なことに20年が過ぎても死ぬことはなく、30年経った頃には人間の言葉を話して人間のように暮らす化け猫となっていた。現在37歳のあんずちゃんは、原付バイクに乗って移動し、マッサージ師のアルバイトをしている。ある日、親子ゲンカしたまま行方がわからなくなっていた住職の息子が、11歳の娘かりんを連れて寺に帰ってくる。かりんの世話を頼まれたあんずちゃんは、仕方なく面倒を見ることになるが……。

森山未來が主人公あんずちゃんの声と動きを演じ、山下監督を中心とする実写班が撮影した映像と音声をもとに、久野監督を中心とするスタッフ陣が動きや表情を抽出してアニメーション化する「ロトスコープ」の手法で描いた。老舗スタジオ・シンエイ動画とフランスの気鋭スタジオ・Miyu Productionsがアニメーション制作を担当。

2024年製作/94分/G/日本・フランス合作
配給:TOHO NEXT
劇場公開日:2024年7月19日

スタッフ・声優・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11

(C)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

映画レビュー

5.0 山下映画だし、久野映画だった

2024年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公の女の子、かりんが最初に発する台詞は「チッ」という舌打ちである。自分の父を哲也と呼び捨てにするかりんは(呼び捨てにされてもしょうがないほどに駄目な父親なのだが)、ことあるごとに悪態をついたり、人を利用しようとする、なかなかに困った性格だ。このかりんの表情がいい。ムッとした表情も、だれかを騙そうとしている時の上目遣いも、作り笑顔の感じも絶妙である。ロトスコープを採用したからの類型的出ない見事な表情芝居が大量に見られるのが素晴らしい。
本作の元になる実写映像は、山下監督が撮影しているが、その山下節みたいなものが案外画面に残っているのが面白い。駄目な大人ばっかり出てくるのも山下映画っぽいが、セリフの独特のテンポ感がいつもの山下映画そのままだった。
あのテンポ感でアニメーションとして成立させるのもアニメーターの芝居センスがないといけない。その点、今作は本当にアニメ―ション芝居がいい。後半のカーチェイスシーンは、実写で撮れないからいきなりアニメで描いていると思われる。あのシーンはクレヨンしんちゃんのテイストが混じっていて、「ああ、シンエイ動画だ」って感じる。久野・山下コンビの作品をもっと観たい。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
杉本穂高

4.5 猫らしからぬあんずちゃんが友情の可能性を広げる

2024年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

ある夏の日、父親の実家に置いてけぼりを食らった少女、かりんが、猫なのに人間の服を着て、原付バイクに跨り、妙な捨て台詞を吐くのが得意なあんずちゃんに出会う。永遠に寄り添えそうにもない少女とあんずちゃんの関係性に、果てして、変化は起きるのか?

このジブリ的世界をユーモアと脱力感で塗り替えたような世界は、猫を演じる森山未來等、演者の動きや表情を抽出してアニメ化する"ロトスコープ"という手法によるものだとか。その効果を巧く説明はできない。ただ、現れる度に猫らしくない言葉や動きでかりんはもちろん、我々観客も幻惑していく森山未來の魅力が、未知の世界へと引っ張っていく。そして、ラストに用意された感涙の瞬間へと。

らしくない動物ほど面白いものはないという発想の下、友情の可能性を大きく広げたあんずちゃん。見終わった今も、あの不貞腐れた物腰が後を引いている。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
清藤秀人

1.0 地獄?

2026年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
odeonza

2.0 極上の日常描写から一転、後半のドタバタ劇に漂う迷走感

2026年7月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

カワイイ

​ロトスコープで描かれる序盤の日常パートは実に見事だ。化け猫あんずちゃんの生々しくも愛嬌のある佇まいや、田舎町の空気感には唯一無二の魅力があり、これだけで一本観たかったと思わせる。

​それだけに、後半から急展開する妖怪たちのドタバタ劇には落胆を禁じ得ない。どこかで見たような、ありがちな映像表現と安易なアクションに終始し、前半の良さが完全に死んでしまっている。
さらに、母親の過去や死生観にまつわる重い要素も、深読みはできるものの、本作のターゲット層を考えればノイズでしかない。

原作の持つポテンシャルと、映像化にあたってのアプローチ。両者の間で本当にコンセンサスが取れていたのか疑問が残る、前中盤の完成度が惜しまれる。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
エスディーマン