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デスティン・ダニエル・クレットン監督作品は『シャン・チー/テン・リングスの伝説』観賞済。ジェームズ・ポンソルト監督、ティファニー・ジョンソン監督、ステラ・メギー監督作品は初見。MCUはフェーズ6の『マーベル・ゾンビーズ』まで全て観賞済。
配信当時は怒涛の勢いで今まで見てなかったMCU作品や『デアデビル:ボーン・アゲイン』を見る為にネトフリマーベルシリーズを最初からおさらいしていてちょっと別の作品を見たい
気分になっていたのと、配信作品で劇場公開作品最新作が来るまでいつでも見れると後回しにしていた。
そんな後回しにしていた作品だけどいざ見てみると、想像以上に面白く更に自分にも刺さる話だったとは思っておらず食らってしまった。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』や『デアデビル:ボーン・アゲイン』、『サンダーボルツ*』、『アイアンハート』など2025年のMCUは『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』以外社会状況が作品にも反映されたような重い話が多く、(面白い作品なのは前提で)エンターテイメント作品としては1作品で消費するカロリーが高い作品ばかりだったものが、この作品ではこれまでいくつかの作品内で要素としては出ていてメインでは扱われていなかった”映画”や”俳優”をドキュメンタリー的に描くことでオリジンエピソードでありながら一役者の話として見れるし、1話辺り35分って短さやタイトルを冠する”ワンダーマン”ってスーパーヒーロー作品の部分については1話も使わず、他作品との繋がりもダメージコントロール社、トレヴァー・スラッタリーくらいでむしろMCUの他作品の知識よりも映画やドラマ作品の知識がある方がより楽しめる作品って構成が面白かった。
そんな作品設定よりもキャラクターの比重が大きい作品の主人公が、今までMCUでは主人公として職に就いている大人かティーンが多い中でほぼ無職に近い売れない役者の(ヒーロー能力を持ってはいるけどヒーロー活動はしていない)サイモン・ウィリアムズっていうのが目新しいながらもサイモンの一番の悩みがヒーローとしての悩みじゃなく役者としての悩みっていう、庶民の我々に近しい感覚の人間ってのが共感出来る素晴らしい主人公だと思った。
個人的にはサイモンの置かれた状況や性格(人生が充実してる兄と伸び悩んでる自分、そしてそんな自分に優しい親、親族の集まりでもその中になじめない異物のような自分、何事も考えこんでしまう性格、そんな自分自身の問題を恋人にも打ち明けられない)が自分の解決するまでに至っていない現在進行中の悩みと共通してる部分が多くまるで自分を見ているような気持ちになったし、その中で解決に向かって行くわけじゃなくもがき苦しむシーンは思わず涙がこぼれるほど共感出来るシーンだったし、トレヴァーが言った「痛みや喜びを共有すれば観客は1人じゃないと思える それは我々もだ」ってセリフは、サイモンに限らず役者は作品で自分をさらけ出すことで同じ悩みを持って苦しんでる俺が救われるし、作品で救われた俺が素晴らしい作品を生み出してくれた役者を応援することがその役者自身を救うことなんだって、映画やアニメ・ゲームで素晴らしい作品に出会う度にいつも貰ってばかりで何も返せてないと感じてる俺にとって改めて恩返しする方法があることを気づかせてくれる作品でもあった。
そんな恋人にも打ち明けなかったサイモンの秘密や問題を知った上で、(最初は自身の罪を軽くするためだったとは言え)同じ役者仲間であり先輩として問題の解決方法を教えてくれる相棒のような関係性になり、撮影所でエネルギーを爆発させヒーロー能力があることが発覚しかけたサイモンを助ける為に、自分の立場を捨てマンダリンとして投獄されることを選び救ってくれたトレヴァーの存在はハリウッドにある”セカンドチャンス”を表してるようにも感じられたし、逆にこの作品に出てくるドアマン条項は”me too問題”のような業界全体に巣食う巨悪ならいざ知らず本来当事者同士で話し合って解決出来るはずの問題や相手に謝って本人が反省することで改善出来るような悪い点をSNSで暴露して役者生命を失わせるっていう風潮がある今の芸能界の歪みを表してるようにも感じた。
そんな歪みを利用して利益を得ているダメージコントロール社は今のSNS社会で利益を得ているのは誰かってのを暗に示しているようにも感じたな。
サイモン・ウィリアムズ/ワンダーマンを演じたヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世さんの出演作は『グレイテスト・ショーマン』、『アクアマン』、『アス/Us』、『マトリックス レザレクションズ』、『アンビュランス』、『アクアマン/失われた王国』とそこそこ観ていたものの、その中でもこの作品は主役ってだけじゃなく三流役者から一流役者へと成長していく演技が素晴らしく個人的にはこの作品きっかけでまだ観れてない出演作観たくなるくらい好きな役者さんになった。
トレヴァー・スラッタリーを演じるベン・キングズレーさんも素晴らしく、同役としては『アイアンマン3』、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』、この作品と観てきた中で活躍としてもこの作品が一番好きかも。
この作品のシーズン2決定してるらしいけれど早く他の作品にゲスト出演しているのも見たいし早くシーズン2が見たい…。