エルピス 希望、あるいは災いのドラマレビュー・感想・評価
テレビの報道を問うテレビドラマ
テレビ局の人間は今、テレビの報道についてどう思っているのか。その心情を告白したような作品。テレビが自らのことについて、どこまで踏み込んで描けるのだろうかと最初のうちは思っていたけど、どんどん面白くなっていく。左遷されたアナウンサーと若手ディレクターが、過去の冤罪事件の真相を追う日々。その二人が、真実を暴こうと四苦八苦するも、取材を進める度に自分たちの抱える組織の深い闇が露わになっていく。
テレビ局の忖度や圧力を巧みにサスペンスに活用していく展開が中盤から効いてくる。正しい報道をしようと行動しているのに、見えない力によってそれがどんどんできなくなっていって追い詰められていく。
事件の核心に迫っていくあたりから、面白さが加速していく。理不尽な現実に押し潰されそうになり、最初は利己的だった登場人物たちであっても、根っこの部分では「報道の矜持」でつながっていくのが感動的。
タイトルのエルピスは、パンドラの箱の底に残されたものが「希望」なのか「災い」なのかという神話の言葉だ。真実を暴くことは希望をもたらすのか、という点を突き詰めるために現実社会のメディアの腐敗を用いて、スリルと感動を呼び起こす作品。岡部たかし演じる村井が良い味を出している。
